チッソ株式会社の四半期決算報告書が公開されました。同社は液晶材料や繊維製品、化学品などを製造・販売する大手企業です。四半期売上高は95,145百万円となり、前年同期比12.3%減少しましたが、営業利益は900百万円を確保することができました。経営改善の取り組みにより、収支が好転傾向にあるといえるでしょう。
企業情報
企業名: チッソ株式会社
証券コード: E00753
決算期: 2023年4月1日~2024年3月31日
チッソ株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
チッソ株式会社の決算は毎年3月31日に行われています。そのため、今回の四半期報告書は2023年4月1日から2023年12月31日までの第3四半期の決算内容となります。
主な事業
チッソ株式会社は、液晶材料や繊維製品、化学品などの製造・販売を主な事業としています。特に、液晶材料事業やシリコン製品などの機能材料事業、繊維製品やアルコール、樹脂などの化学品事業が中核をなしています。また、発電事業にも注力しており、九州地区を中心に水力発電所の運営を行っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が95,145百万円と前年同期比12.3%減少しましたが、営業利益は900百万円を確保することができました。市況の悪化や原材料価格高騰の影響はあったものの、コスト削減や収益性改善の取り組みが功を奏したものと考えられます。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高は、2022年3月期が252,544百万円、2023年3月期(見込み)が254,906百万円となっています。利益については、2022年3月期が経常利益8,230百万円だったのに対し、2023年3月期は経常損失257百万円となる見込みです。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の資産は254,906百万円、負債は374,252百万円、純資産は△119,346百万円となっています。引き続き大幅な債務超過の状況が続いていますが、国や地方自治体、金融機関からの支援措置により、事業の継続が可能となっています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が34,531百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が40,977百万円となっています。前期末と比べて、資産全体では2,362百万円増加しています。
負債の部
負債の部では、短期借入金が49,137百万円、未払金が23,293百万円となっています。前期末と比べて、負債全体では4,445百万円増加しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が△155,232百万円となっており、大幅な債務超過の状況が継続しています。これは水俣病問題に関する補償費用の増加が主な要因です。
ROAとROE
ROAは当期が-1.0%となっています。これは営業利益率が低下したことが主な要因です。一方、ROEは-2.1%と大幅なマイナスとなっています。これは、依然として大幅な債務超過の状況が続いていることが原因です。今後は収益力の向上と有利子負債の削減が課題となるでしょう。
キャッシュフロー
四半期連結キャッシュ・フロー計算書の作成は省略されているため、当第3四半期連結累計期間のキャッシュフロー情報は確認できません。ただし、前期の開示では、営業活動により1,051百万円のキャッシュを生み出しているものの、投資活動および財務活動で大きな支出が発生しており、全体としては3,790百万円のキャッシュが減少した状況でした。
配当の支払額
当第3四半期連結累計期間において、配当金の支払いは行われていません。また、今後の配当予定についても言及されていません。同社は依然として債務超過の状況が続いているため、当面の間は配当の実施は難しいものと考えられます。
今後の展望
同社は2021年3月に策定した「2020~2024年度 中期計画 ~業績改善のための計画~」に沿って、構造改革による業績改善、FIT化推進による電力事業の収益拡大、ガバナンス/モニタリングの強化に取り組んでいます。今後もこれらの施策を着実に実行し、収益性の向上と財務体質の改善に努めていくことが重要です。
編集部のまとめ
チッソ株式会社は、依然として水俣病問題に係る債務超過の状況が続いています。しかし、国や地方自治体、金融機関からの支援を受けながら、構造改革や電力事業への注力など、収益力の向上に取り組んでいます。今後の業績改善に期待が持てるでしょう。ただし、水俣病関連損失の計上など、不確定要因もあるため、引き続き注視していく必要があります。
チッソ株式会社の決算日や配当についてまとめました。
チッソ株式会社の決算日は3月31日で、今回の四半期報告書は2023年4月1日から12月31日までの第3四半期の決算内容になります。
また、当第3四半期連結累計期間においては配当の支払いはありませんでした。今後の配当実施については、現在の債務超過の状況を踏まえると難しいと見られます。