伊豆箱根鉄道株式会社の2023年3月期第3四半期決算が発表されました。前年同期に比べて営業収益が12.8%増加し、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する四半期純利益も黒字転換した好決算でした。大雄山線や駿豆線の旅客収入が上々に推移し、また新規事業の立ち上がりも寄与したことで、収支が大きく改善されたようです。今後も沿線の観光需要取り込みや新たな収益事業開発に期待が高まります。
企業情報
企業名: 伊豆箱根鉄道株式会社
証券コード: E04095
決算期: 3月期
伊豆箱根鉄道株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
伊豆箱根鉄道株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期の決算は12月31日です。通期決算は毎年5月頃に発表されます。
主な事業
伊豆箱根鉄道は、伊豆半島の南西部を中心に鉄道事業、バス事業、タクシー事業、レジャー・不動産事業などを展開する総合交通企業です。駿豆線や大雄山線の鉄道運営のほか、箱根や伊豆の観光地を中心にバスやタクシーでの移動サービスも提供しています。また、湯河原パークウェイの自動車道経営や観光施設の運営、不動産事業なども手掛けています。
今期の業績と利益率は?
2023年3月期第3四半期の業績は営業収益が71億2,736万円と前年同期比12.8%増加し、営業利益も1億9,447万円と黒字に転換しました。経常利益は2億1,004万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億8,206万円と、大幅な増益となっています。新型コロナウイルスの影響も和らぎ、鉄道やバス、タクシーなどの主要事業が好調に推移した結果、各利益段階で改善が見られました。
売上・利益の推移
過去3年間の業績を見ると、新型コロナの影響で2021年3月期は大幅な減収減益となりましたが、その後徐々に回復しています。2023年3月期第3四半期は、前年同期比で営業収益が12.8%、営業利益は1億9,447万円の黒字転換と大きな改善が見られました。鉄道事業やバス事業を中心に、人流の回復が業績を押し上げています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月31日時点の四半期連結貸借対照表をみると、資産、負債、純資産の各項目に大きな変動はありません。流動資産は前期末比1.2%減の110億5,288万円、固定資産は前期末比0.1%増の206億9,850万円となっています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が3億2,083万円と前期末比6.9%増加しましたが、未収金が減少したことで流動資産合計は前期末比1.2%減となりました。固定資産は、減価償却に伴う有形固定資産の減少があったものの、全体では微増しています。
負債の部
負債の部では、借入金が前期末比1.5%減の119億8,190万円となり、その他の流動負債が増加したものの、全体としては前期末比1.4%減の195億5,970万円となりました。
純資産の部
純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により、前期末比0.9%増の22億4,413万円となっています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)とROE(自己資本利益率)については、新型コロナの影響で2021年3月期は大幅に悪化しましたが、その後は改善傾向にあります。2023年3月期第3四半期のROAは年換算で0.9%、ROEは年換算で8.1%となり、前年同期と比べて大幅に上昇しています。主要事業の業績回復などを背景に収益性が高まってきたと言えるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが4億5,753万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが3億8,666万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが2億6,613万円のマイナスとなっています。前年同期に比べて営業CF、投資CFともに改善傾向にあり、財務CFも借入金返済が進んでいることがわかります。全体としては、現金及び現金同等物は前期末比6.9%増の32億834万円となっています。
配当の支払額
2023年3月期の配当については未定とされています。前期は1株当たり配当金を行わなかったため、今期の配当に注目が集まっています。今後の業績回復傾向や株主還元方針に応じて、配当の再開が期待されます。
今後の展望
伊豆箱根鉄道は、新型コロナの影響が和らぐ中で、鉄道の旅客収入や箱根・伊豆への観光需要の回復を背景に業績改善が進んでいます。今後は、AI乗車券や新型車両の投入など顧客サービスの向上、さらには不動産事業や新規事業の拡大により、更なる収益力強化を目指していく方針です。沿線地域の活性化にも注力し、地域密着型の企業価値向上を目指していきます。
編集部のまとめ
伊豆箱根鉄道の2023年3月期第3四半期決算は、新型コロナの影響が和らぐ中で主要事業の業績が大きく改善し、各利益段階で黒字化が実現しました。今後は、顧客サービスの向上や新規事業の展開など、更なる収益力強化に取り組むことが期待されます。また、株主還元策として配当再開への動きにも注目が集まっています。伊豆箱根鉄道は地域に密着した企業としての価値向上を目指していくものと見られます。
伊豆箱根鉄道株式会社の決算日や配当についてまとめました。
伊豆箱根鉄道株式会社は3月31日が決算日で、第3四半期決算は12月31日に発表されています。2023年3月期は配当を見送りましたが、業績回復を受けて今期の配当再開が期待されています。今後の事業展開や株主還元策に引き続き注目していきたいと思います。