株式会社JERAの2023年12月期第3四半期決算報告書を分析しました。JERAは日本最大級の電力・ガス事業者で、国内の火力発電や、海外・再生可能エネルギー発電に強みを持っています。第3四半期の売上収益は2.7兆円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は3,389億円と好調でした。主力の国内火力・ガス事業が好調で、期ずれによる差損益の改善などが寄与しています。
企業情報
企業名: 株式会社JERA
証券コード: E34837
決算期: 3月期
株式会社JERAの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社JERAの決算日は3月31日で、第3四半期決算は12月31日となっています。通期決算と四半期決算は、通常の上場企業と同様の年間スケジュールで行われています。
主な事業
株式会社JERAは、発電事業をコアとする大手総合エネルギー企業です。国内の火力発電やガス事業を中心に、海外の発電事業や再生可能エネルギー発電事業など、幅広い事業領域を展開しています。電力と都市ガスの小売販売にも注力しており、国内のエネルギーインフラを支える重要な役割を果たしています。
今期の業績と利益率は?
第3四半期の業績は堅調で、売上収益は2.7兆円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は3,389億円となりました。利益率も高い水準を維持しており、国内火力・ガス事業が好調に推移した結果です。期ずれによる差損益の改善や、海外・再生可能エネルギー事業の利益増加など、収益力の向上が見られました。
売上・利益の推移
JERAの売上高と利益は、直近の3年間で大きく増加基調にあります。2023年3月期は売上高4.7兆円、親会社の所有者に帰属する当期純利益が178億円と、大幅な増益となりました。足元の2023年12月期第3四半期も引き続き好業績を収めており、中長期的な成長が期待できる企業といえます。
四半期連結貸借対照表について
JERAの第3四半期連結貸借対照表では、総資産8.8兆円、負債6.2兆円、純資産2.6兆円となっています。資産の部では、有形固定資産や持分法で会計処理されている投資が増加しています。一方、負債の部では有利子負債の減少などにより6兆円台まで改善しました。自己資本比率は29.5%と、健全な財務基盤を維持しています。
資産の部
JERAの資産の部では、現金及び現金同等物が1.4兆円と手元流動性が高く、また、有形固定資産が2.8兆円、持分法で会計処理されている投資が1.3兆円と、発電設備や事業投資が大きな割合を占めています。こうした資産構成は、JERAの発電事業に特徴的なものといえます。
負債の部
負債の部では、有利子負債が2.7兆円と大きな項目となっています。しかし、デリバティブ負債の減少もあり、前期末比9,196億円減少と、財務体質の改善が進んでいます。営業債務や未払法人税等の短期負債も減少しており、全体としてJERAの負債は健全化されつつあります。
純資産の部
純資産の部は、2.6兆円と大幅に増加しています。この背景には、第3四半期の四半期純利益3,389億円の計上や、為替換算調整勘定の増加などがあげられます。自己資本比率も29.5%と前期末から上昇しており、JERAの財務体質は強化されています。
ROAとROE
JERAのROAは前連結会計年度末の2.2%から当第3四半期連結会計期間末の5.7%へと大幅に改善しています。また、ROEも前連結会計年度末の0.9%から当第3四半期連結会計期間末の16.5%へと大幅に上昇しています。これは、当期の業績が好調に推移したことにより、資産効率と自己資本効率が高まったことが要因です。今後も事業の成長と収益力の強化により、ROAとROEの向上が期待できる企業です。
キャッシュフロー
JERAの第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローでは、営業CF1兆1,113億円、投資CF△4,637億円、財務CF△5,824億円となっています。営業CFの大幅な増加は、税引前四半期利益の改善や営業債権の減少などによるものです。一方、投資CFの支出増加は主に関係会社の取得によるものです。財務CFの支出増加は借入金の返済などが主因です。このようにJERAは、旺盛な営業キャッシュ・フローを背景に、高水準の設備投資と有利子負債の削減を実行しています。
配当の支払額
JERAは、第3四半期決算においては配当を実施しておらず、前期の年間配当も行われていません。企業の成長投資に重点を置いているため、今のところ配当の支払いは行われていません。ただし、今後の業績動向次第では、株主還元の拡充も期待できるでしょう。
今後の展望
JERAは、2035年に向けた「クリーンエネルギー供給基盤の提供」というビジョンの実現に向けて、国内外での再生可能エネルギー事業の拡大に注力しています。また、国内火力発電の高効率化や脱炭素化にも取り組むなど、グリーン化を推進しています。こうした取り組みを通じて、持続可能な成長を実現していく方針です。今後も業界をリードする企業としての地位を固めていくことが期待されます。
編集部のまとめ
株式会社JERAは、国内外での発電事業と燃料事業を中核とする大手エネルギー企業です。第3四半期の業績は好調で、売上高2.7兆円、純利益3,389億円と高水準を記録しました。財務体質も着実に強化されており、今後の成長が期待できる企業です。特に再生可能エネルギー事業の拡大や、国内電力・ガス小売事業の強化に注目が集まります。JERAは電力インフラを担う重要な存在であり、今後の業績動向に大きな期待がかかっています。
株式会社JERAの決算日や配当についてまとめました。
株式会社JERAの決算日は3月31日で、第3四半期決算は12月31日です。配当については当期は実施されておらず、今後の業績次第で株主還元が期待できます。JERAは、電力とガスの小売や発電事業を手がける大手エネルギー企業で、グリーン化にも積極的に取り組んでいます。第3四半期の決算は好調で、今後の成長が期待されます。