JESCOホールディングス株式会社(証券コード14340)の直近の決算報告書が公開されました。建設設備工事やインフラ設備の設計・施工を手掛ける同社は、再生可能エネルギー関連設備工事や無線通信インフラ設備工事などの需要拡大により、順調に業績を伸ばしているようです。中期的に安定した経営基盤を築くことが期待されています。
企業情報
企業名: JESCOホールディングス株式会社
証券コード: 14340
決算期: 8月31日
JESCOホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
同社の決算日は8月31日で、四半期決算は2月末、5月末、8月末、11月末に行っています。決算報告の公表時期は決算期末から約3カ月後となります。
主な事業
JESCOホールディングス株式会社は、電気設備工事や電気通信設備工事、不動産賃貸事業などを展開しています。再生可能エネルギー関連設備工事や無線通信インフラ設備工事に注力し、国内外でEPC(設計・調達・建設)事業を行っています。また、不動産賃貸事業を新たな収益の柱として位置付け、事業の多角化に取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高93億67百万円(前年同期比10.5%増)、営業利益3億65百万円(同26.6%減)、経常利益3億77百万円(同32.4%減)となりました。国内のEPC事業が順調に推移したものの、アセアンのEPC事業の一部で課題がありました。総じて堅調な業績を確保できたと評価できます。
売上・利益の推移
過去3年度の売上高と利益の推移を見ると、売上高は92億円台から110億円台と増加基調にあります。一方で、利益面では経常利益が5億円前後と比較的安定しています。再生可能エネルギーや通信インフラ設備工事の需要増加を背景に、今後さらなる業績拡大が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
資産の部
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は174億10百万円となり、前連結会計年度末から6億39百万円増加しました。主な増加要因は、販売用不動産の増加です。同社は不動産事業への進出に注力しており、この分野での資産拡大が見られます。
負債の部
負債合計は105億19百万円で、前連結会計年度末から2億76百万円増加しました。短期借入金の増加などが主な要因です。借入金は増加しているものの、自己資本比率は34.9%と健全な水準を維持しています。
純資産の部
純資産合計は68億91百万円で、前連結会計年度末から3億63百万円増加しました。利益剰余金の積み上げにより、企業価値の向上が図られています。
ROAとROE
JESCOホールディングスのROA(総資産利益率)は直近3.2%、ROE(自己資本利益率)は10.0%となっています。ROEは10%以上を維持しており、株主資本コストに見合う収益性が確保できていると評価できます。ただし、ROAは3%台と低めで、資産の稼働率改善が課題と言えます。
キャッシュフロー
同社のキャッシュフローについては、四半期報告書上の詳細な開示がされていませんが、営業活動によるキャッシュ・インフローが安定的に確保できていることが窺えます。一方で、投資活動では不動産取得などによる支出も増加傾向にあるため、今後の資金運用状況に注目していく必要があります。
配当の支払額
JESCOホールディングスは、1株当たり年間30円の配当を実施する予定です。業績の改善を背景に、安定的な株主還元を継続できる体制が整いつつあると言えます。株主還元の充実は同社の大きな魅力の1つと言えるでしょう。
今後の展望
JESCOホールディングスは、再生可能エネルギーや通信インフラ設備工事の受注増加に期待しつつ、不動産事業の強化にも注力していきます。中期的に収益基盤の多様化を図り、株主資本コストを上回るROE10%以上の確保を目指すとしています。今後の動向にも注目です。
編集部のまとめ
JESCOホールディングスは、再生可能エネルギーや通信インフラ設備工事の需要拡大を背景に好調な業績を維持しており、不動産事業の強化にも取り組んでいます。中期的な収益性向上と事業の多角化に期待が寄せられています。また、株主還元の充実も魅力の1つであり、同社の企業価値向上への期待感が高まっています。
JESCOホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
JESCOホールディングスの決算日は8月31日で、年間配当金は1株当たり30円を予定しています。業績の改善に伴い、株主還元の充実が図られつつある同社に注目が集まっています。