田中建設工業株式会社の2023年3月期第3四半期決算が発表されました。建設業界では価格高騰や人手不足など課題が残る中、同社は堅調な受注環境を背景に順調な業績を維持しています。今期は特に解体工事の受注が好調で、今後の事業展開に期待がかかっています。
企業情報
企業名: 田中建設工業株式会社
証券コード: 14500
決算期: 3月
田中建設工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール）は？
田中建設工業株式会社の決算は3月期で、2023年3月期第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)の決算を発表しました。今回の決算では、2023年12月31日時点の財務状況が反映されています。
主な事業
田中建設工業株式会社は、建築物の解体工事を主力事業としています。高度経済成長期に建てられた建築物の老朽化や市街地再開発、マンション建替えなどに伴い、解体需要が高まっている同社は、豊富な実績と高い技術力を活かし、顧客から高い評価を得ています。また、建築工事のサブコントラクターとしての事業も手掛けています。
今期の業績と利益率は？
2023年3月期第3四半期の売上高は75.4億円、営業利益は9.2億円となりました。前年同期と比べ売上高は17.8%減、営業利益は42.8%減と減少しましたが、依然として高い収益性を維持しています。建築工事の着工が減少した一方で、解体工事の受注は順調に推移しています。
売上・利益の推移
2023年3月期第3四半期の売上高は75.4億円、前年同期比17.8%減少しました。利益面でも、営業利益は9.2億円と前年同期比42.8%の減少となりました。大型建築物の解体工事の着手時期の遅れなどがマイナス要因となりました。ただし、受注環境は引き続き堅調で、今後の業績回復が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
田中建設工業は単体決算のため、四半期連結貸借対照表は作成しておりません。単体の貸借対照表では、当第3四半期会計期間末の総資産が81.9億円となっています。
資産の部
流動資産は68.2億円で、前事業年度末から1.3億円増加しました。現金及び預金が5.6億円増加した一方で、完成工事未収入金が6.9億円減少しています。固定資産は13.7億円で、建物の増加などにより前事業年度末から0.4億円増加しました。
負債の部
流動負債は16.1億円で、前事業年度末から1.1億円減少しました。未払法人税等が2.0億円減少したことなどが主な要因です。固定負債は0.9億円と前事業年度末から0.1億円増加しました。
純資産の部
純資産は64.8億円で、前事業年度末から2.7億円増加しました。利益剰余金が2.4億円増加したことなどによります。自己資本比率は79.2%と高水準を維持しています。
ROAとROE
田中建設工業の2023年3月期第3四半期のROAは11.6%、ROEは9.1%となっています。前年同期と比べROAは2.4ポイント、ROEは5.1ポイント減少しましたが、依然として高い収益性を維持しています。建設業界の中では高い水準と評価できるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期累計期間のキャッシュ・フローの状況については、四半期キャッシュ・フロー計算書の作成を省略しているため詳細は不明です。ただし、営業活動によるキャッシュ・フローは概して良好な水準を維持しているものと推察されます。
配当の支払額
田中建設工業は2023年5月に1株当たり80円の配当を実施しました。前年同期の73円から増配となっており、安定的な配当政策を継続しています。今後も収益力の維持・向上に努め、株主還元の充実を図っていく方針です。
今後の展望
田中建設工業は中期経営計画「TANAKEN “Vision NEXT 10” Primary Phase」に基づき、人財・技術・アライアンスの拡充を通じて、ブランド価値向上と持続的な成長を目指しています。老朽化建築物の解体需要の高まりや再開発、マンション建替えなどの市場環境も追い風となることから、今後の業績拡大が期待されます。
編集部のまとめ
田中建設工業株式会社は、建築物の解体工事を主力事業とする企業で、堅調な受注環境を背景に高い収益性を維持しています。今期は大型案件の着工時期の遅れなどで減収減益となりましたが、事業基盤は着実に強化されています。今後も人財・技術力の向上によるブランド力強化で、さらなる成長が期待できるでしょう。株主還元も安定的に行われており、同社株式は長期的な投資対象として魅力的だと言えるでしょう。
田中建設工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
田中建設工業株式会社の決算は3月期で、2023年3月期第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)の決算を発表しました。2023年5月に1株当たり80円の配当を実施しており、今後も安定的な株主還元を行う方針です。建設業界では課題が残る中、同社は高い収益性を維持しており、長期的な投資対象として魅力的だと考えられます。
