株式会社安藤・間の第11期第3四半期決算が発表され、売上高は前年同期比8.1%増と好調な業績を維持しています。同社は建設業界のリーディングカンパニーで、土木事業と建築事業を中心に事業を展開しています。今期は競争激化や原材料価格の上昇の影響を受けたものの、営業利益はコストコントロールにより前年同期比26.8%減にとどまりました。今後も安定的な収益基盤を維持しながら、事業の拡大に取り組んでいく方針です。
企業情報
企業名: 株式会社安藤・間
証券コード: E00317
決算期: 3月期
株式会社安藤・間の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社安藤・間の決算期は3月期で、第11期第3四半期決算の報告書が発表されました。同社の主要な決算日は、6月30日(定時株主総会)、9月30日(中間配当基準日)、12月31日(第3四半期決算)、3月31日(本決算)となっています。
主な事業
株式会社安藤・間は建設業界の大手企業で、土木事業と建築事業を中心に事業を展開しています。土木事業では橋梁やトンネル、ダムなどの大型インフラ工事、建築事業では商業施設や病院、オフィスビルなどの建築工事を手掛けています。またグループ事業として不動産、環境・エネルギー関連事業などにも取り組んでいます。全国に支店を構え、幅広い事業領域を持つ総合建設会社です。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が前年同期比8.1%増加の2,799億円と好調でした。一方で営業利益は前年同期比26.8%減少の99億円となりました。これは建設資材価格の高騰などによる原価上昇の影響があったものの、コストコントロールにより減益幅を最小限に抑えることができました。利益率は営業利益率3.5%と前年同期から低下しているものの、堅調な収益基盤を維持しています。
売上・利益の推移
同社の直近3年間の業績推移を見ると、売上高は3,721億円(前期)、2,799億円(当第3四半期)と比較的高水準を維持しています。一方で営業利益は162億円(前期)、99億円(当第3四半期)と減益傾向にあります。これは資材価格高騰などのコスト上昇圧力が高まっているためです。ただし同社は経営効率化に取り組んでおり、利益率の改善にも注力しています。
四半期連結貸借対照表について
同社の直近の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は3,223億円と前期末から43億円増加しました。これは受取手形・完成工事未収入金等の増加などによるものです。一方、負債は1,800億円と前期末から34億円増加し、自己資本比率は43.8%と前期末から0.4ポイント低下しています。
資産の部
資産の部では、現金預金が375億円と前期末から320億円減少しましたが、受取手形・完成工事未収入金等が1,808億円と大幅に増加しています。また投資有価証券が262億円と前期末から12億円増加するなど、資産全体としては堅調な水準を維持しています。
負債の部
負債の部では、工事未払金が444億円と前期末から101億円減少しましたが、短期借入金が536億円と前期末から372億円増加しています。また未成工事受入金が261億円と前期末から70億円減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が1,212億円と前期末から15億円減少しましたが、その他の包括利益累計額が70億円と前期末から18億円増加しています。これらの結果、純資産は1,422億円と前期末から9億円増加しています。
ROAとROE
同社のROAは前期3.9%、当第3四半期2.0%と低下しています。これは資産規模が大きい中で、営業利益の減少により資産効率が低下しているためです。一方でROEは前期11.6%、当第3四半期9.1%と自己資本利益率も低下しています。同社は今後収益性と効率性の改善に取り組み、ROA、ROEの向上を目指していく必要があります。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは81億円の支出超となっています。これは売上債権の増加などによるものです。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは22億円の支出超、財務活動によるキャッシュ・フローは406億円の収入超となっています。全体としては現金及び現金同等物が270億円減少しており、運転資金需要が高まっている状況がうかがえます。
配当の支払額
同社は株主還元の一環として、年2回の配当を実施しています。当第3四半期においては、第2四半期末配当金として1株当たり20円を支払っています。また、第3四半期末配当金として1株当たり30円を支払う予定です。株主への利益還元にも積極的に取り組んでいる企業です。
今後の展望
今後、公共投資や民間設備投資の堅調な推移が見込まれることから、同社の受注環境は引き続き良好に推移すると期待されます。一方で、資材価格上昇などによるコスト増加圧力も高まっていることから、収益面では厳しい状況が続くと考えられます。同社は新技術の活用やグループ全体での生産性向上により、収益力の強化に努めていく方針です。中長期的に、安定的な収益基盤の確保と事業領域の拡大が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社安藤・間は建設業界のリーディングカンパニーで、土木事業と建築事業を中核に事業を展開しています。当第3四半期の業績は、コストコントロールにより減益幅を最小限に抑えた上で、売上高は前年同期比8.1%増加と好調でした。今後は資材価格上昇へのさらなる対応が課題となりますが、同社は安定的な収益基盤の維持と事業領域拡大に取り組んでいく方針です。株主還元にも注力しており、同社の業績と成長性に期待が高まっています。
株式会社安藤・間の決算日や配当についてまとめました。
株式会社安藤・間の決算日は、6月30日(定時株主総会)、9月30日(中間配当基準日)、12月31日(第3四半期決算)、3月31日(本決算)となっています。また、同社は年2回の配当を実施しており、当期は第2四半期末配当金1株20円、第3四半期末配当金1株30円を支払っています。株主への利益還元に積極的な企業として評価できます。