富士古河E&C株式会社の決算報告書をお届けします。好調な業績を示した同社について、今期の状況や今後の展望などを詳しくお伝えします。
企業情報
企業名: 富士古河E&C株式会社
証券コード: 17750
決算期: 3月期
富士古河E&C株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
富士古河E&C株式会社は3月期の決算を行っており、具体的な決算日は3月31日です。第3四半期の決算報告書が今回提出されたということで、次期の通期決算は2024年5月頃の公表になる見込みです。
主な事業
富士古河E&C株式会社は、電気設備工事と空調設備工事を主力事業としています。プラント工事、内線工事、建築・土木工事、情報通信工事、産業プロセス空調設備工事、一般空調・衛生設備工事など、幅広い分野でソリューションを提供しています。
また、物品販売や補修・修理などのサービス事業も手掛けており、グループ全体で総合的なEPC(設計・調達・建設)サービスを展開しています。
今期の業績と利益率は?
同社の当第3四半期の連結業績は好調でした。売上高702億円、営業利益34億円、経常利益35億円、親会社株主に帰属する四半期純利益22億円と、いずれも前年同期を大幅に上回る結果となりました。
特に空調設備工事事業の伸びが顕著で、売上高が44.2%増加し、営業利益も3.5倍近く増加しています。
売上・利益の推移
同社は過去3年連続で増収増益を達成しています。
2023年3月期の通期業績は、売上高881億円、営業利益70億円、経常利益70億円、純利益45億円と、いずれも過去最高を更新しました。
利益率でも営業利益率7.9%、経常利益率8.0%、純利益率5.1%と高水準を維持しており、着実に収益力を高めていることがわかります。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表は健全な状態を維持しています。
資産の部
総資産は700億円と前期末比1億円減少しましたが、現金・預金が65億円、受取手形・完成工事未収入金などのクレームが384億円と、流動性が高い資産が中心を占めています。
負債の部
負債合計は314億円と前期末比12億円減少しました。未払法人税等が減少したほか、支払手形・工事未払金が増加しています。
純資産の部
純資産は386億円と前期末比11億円増加しました。親会社株主に帰属する四半期純利益22億円が主な増加要因です。自己資本比率は54.2%と高水準を維持しています。
ROAとROE
2023年3月期のROA(総資産経常利益率)は10.0%、ROE(自己資本当期純利益率)は12.1%と、いずれも高い水準を維持しています。
これは、同社が電気設備工事と空調設備工事の高収益事業に経営資源を集中させ、利益率の改善に取り組んでいることが主な要因です。今後もこの戦略を継続し、さらなる収益力の向上を目指していくと見られます。
キャッシュフロー
同社のキャッシュフロー計算書を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローが強健であることがわかります。主な要因は、売上債権の回収や未成工事支出金の減少などに加え、工事利益率の改善によるものです。この資金を活用し、今後も設備投資や研究開発に積極的に取り組んでいくものと期待されます。
配当の支払額
同社は株主還元にも積極的に取り組んでおり、2023年5月に1株当たり150円の配当を実施しました。前期の130円から増配しており、配当性向は約30%となっています。今後も業績に応じた適切な配当を行っていく方針のようです。
今後の展望
同社は、ESG経営を軸にしたマテリアリティ(重要課題)の実現や、脱炭素化に向けた設備投資の取り込み、生産性向上に向けたデジタル化の推進など、中長期的な成長戦略に注力しています。
また、好調な国内外のデータセンター市場や脱炭素関連需要の取り込みにも期待が高まっています。
今後も着実な業績拡大と株主還元の継続が期待できそうです。
編集部のまとめ
富士古河E&C株式会社は、設備工事のリーディングカンパニーとして、安定的な経営基盤と収益力を有していることがわかりました。
足元の業績好調に加え、中長期的にも脱炭素化やデジタル化などの成長分野に注力しており、今後の更なる飛躍が期待できる企業だと言えるでしょう。
富士古河E&C株式会社の決算日や配当についてまとめました。
同社の決算日は3月31日で、次期の通期決算は2024年5月頃の公表を予定しています。また、2023年5月には1株当たり150円の配当を実施しており、今後も業績に応じた適切な株主還元を続けていく方針です。