株式会社ナカボーテックの2023年度第3四半期決算が発表されました。同社は建設関連事業を主力とする企業で、この決算内容を分析すると、一言でまとめると「堅調な業績と順調な資金繰り」といった感じです。
企業情報
企業名: 株式会社ナカボーテック
証券コード: 17870
決算期: 2023年3月期
株式会社ナカボーテックの決算日・決算時期(スケジュール）は？
株式会社ナカボーテックの決算は年1回の3月決算で、第3四半期決算は2023年12月31日時点のものとなります。
主な事業
株式会社ナカボーテックは、港湾事業、地中事業、陸上事業を主力としており、これらのインフラ関連の建設工事を手掛けています。特に港湾事業が売上の半分以上を占める大手建設会社です。これらの事業は公共投資の影響を大きく受けるため、景気動向に注目が必要な企業といえます。
今期の業績と利益率は？
2023年度第3四半期累計期間の業績は、売上高8,301百万円、経常利益481百万円、純利益322百万円と、前年同期に比べて増収増益となりました。特に経常利益は100%以上の大幅な増加を記録しており、同社の収益力の高さがうかがえます。
売上・利益の推移
過去3年間の業績をみると、ここ数年は高水準の売上高と利益を維持しています。前年度の売上高は14,158百万円、経常利益は899百万円と、今期の業績はそれらを下回る水準にあるものの、依然として高い収益性を示しているといえるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の財務状況を見ると、総資産は10,893百万円で、前期末比525百万円減少しています。一方で、純資産は7,744百万円と、自己資本比率は71.1%と安定した財務体質を維持しています。
資産の部
主な資産は、現金預金3,037百万円、受取債権2,325百万円、たな卸資産2,727百万円などとなっています。流動性の高い資産が多く、短期的な資金繰りは問題ないと考えられます。
負債の部
負債は3,149百万円で、そのうち75%が支払債務で構成されています。有利子負債がないため、金利変動リスクは低く、財務面での安定性が高いと言えるでしょう。
純資産の部
純資産は7,744百万円で、自己資本比率71.1%と高水準を維持しています。内部留保も順調に積み上げられており、今後の事業展開にも十分な資金力を備えていると言えます。
ROAとROE
ROA(総資産経常利益率)は4.4%、ROE(自己資本当期純利益率)は4.2%となっています。同業他社と比べても高水準にあり、企業の収益性の良さがうかがえます。今後も高い収益性を維持できるよう、事業の選択と集中を図っていくことが重要です。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは965百万円のプラスとなっており、安定的な現金収支を確保できています。投資活動は79百万円のマイナス、財務活動は922百万円のマイナスとなっており、全体としてもキャッシュは減少傾向にあります。この資金繰りの状況を注視していく必要があります。
配当の支払額
2023年3月期の年間配当金は1株当たり255円と、前期に比べ35円増加しました。配当性向は27.3%となっており、株主還元にも積極的な姿勢が窺えます。今後も安定的な配当を維持していくことが期待されます。
今後の展望
同社は港湾・地中・陸上の3つの事業を柱としており、国内インフラ投資の需要を取り込んでいくことが重要です。足元では建設資材価格の高止まりや人手不足など、事業環境の変化に柔軟に対応していく必要がありますが、優良な手持ち受注残を背景に、持続的な業績拡大が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社ナカボーテックの2023年度第3四半期決算では、売上高、利益ともに好調な業績を上げることができました。財務面でも強固な財務基盤を維持しており、今後の事業展開にも十分な資金力を有しています。公共投資に依存度が高い事業特性ゆえ、外部環境の変化には注意が必要ですが、これまでの実績と健全な経営基盤から、同社の中長期的な成長が期待できると考えられます。
株式会社ナカボーテックの決算日や配当についてまとめました。
同社の決算は年1回3月決算で、第3四半期決算は2023年12月31日時点のものでした。配当金は1株当たり255円と前期に比べ増額されており、株主還元にも積極的な姿勢がうかがえます。今後も安定した業績と配当の維持が期待されます。
