株式会社大本組は、建設業界で長年のキャリアを持つ老舗企業です。この度の四半期決算報告では、売上高や利益が前年同期比で減少したものの、収益性が改善され、業績は好調に推移していることがわかりました。今後も、公共投資の底堅い推移や民間設備投資の持ち直し傾向を背景に、安定した業績を維持していくと期待されています。
企業情報
企業名: 株式会社大本組
証券コード: 17930
決算期: 3月決算
株式会社大本組の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社大本組の決算期は3月です。自社の四半期報告書によると、今回の第3四半期は2023年10月1日から2023年12月31日までの期間となっています。
主な事業
株式会社大本組は、建設業を主力事業としています。具体的には、建築事業と土木事業を展開しています。建築事業では、オフィスビルやマンション、商業施設などの建設を手掛けており、土木事業では、鉄道やトンネル、橋梁などの社会インフラ整備に取り組んでいます。特に、国内の建設需要が底堅く推移していることから、安定した収益基盤を築いています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計期間の業績は、売上高が628億58百万円と前年同期比で8.9%減となりましたが、営業利益が6億37百万円と前年同期比で大幅に326.2%増となりました。これは、不採算工事の受注が重なった前年同期の反動から、収益性が改善されたことが主因です。利益率も順調に上昇しており、経営の健全性が高まっています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、売上高は概ね900億円前後で推移しており、安定した収益基盤を築いていることがわかります。一方で、利益面では増減が見られ、不採算工事の影響などによって収益性に波がありました。しかし、今期は収益性が改善され、将来的な業績拡大が期待できそうです。
四半期連結貸借対照表について
株式会社大本組の四半期連結貸借対照表を確認すると、資産、負債、純資産のバランスが良好であることがわかります。特に、資産合計が960億4百万円と健全な財務体質を維持しており、負債も300億円台と低水準に抑えられています。これにより、自己資本比率は68.6%と财務の健全性も高く、今後の事業展開に備えられる体制が整っています。
資産の部
資産の部では、現金預金が121億77百万円、受取手形・完成工事未収入金等が565億3百万円と、流動性の高い資産が中心を占めています。また、投資有価証券が75億46百万円と、資産の多様化も進んでいます。これらの資産構成は、事業継続と成長投資に必要な資金を確保できる体制となっています。
負債の部
負債の部では、支払手形・工事未払金等が61億28百万円、未成工事受入金が21億70百万円と、事業活動に伴う債務が中心となっています。また、短期借入金が80億円と、必要な資金調達も行われています。負債水準は適正な範囲に抑えられており、財務の健全性が高いと評価できます。
純資産の部
純資産の部では、資本金が52億96百万円、利益剰余金が553億60百万円となっており、自己資本比率は68.6%と高水準にあります。このように、株主資本が安定的に積み上がっていることから、今後の事業展開や株主還元に活用できる財務基盤が整っています。
ROAとROE
株式会社大本組のROA(総資産利益率)は3.7%、ROE(自己資本利益率)は4.2%となっています。前期と比較すると、ROAは0.5ポイント上昇、ROEは1.6ポイント上昇しています。これは、収益性の改善により利益が増加したことが主な要因です。今後も収益力の強化を図ることで、ROAやROEの更なる向上が期待できそうです。
キャッシュフロー
株式会社大本組のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは72億1百万円のプラスとなっています。これは、事業活動から得られる資金が確保できていることを示しています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは15億25百万円のマイナスとなっており、成長投資に積極的に取り組んでいることがわかります。さらに、財務活動によるキャッシュ・フローは11億45百万円のマイナスとなっており、株主還元や借入金の返済などに活用されています。全体としては、堅実な資金管理が行われていると評価できます。
配当の支払額
株式会社大本組は、1株当たり170円の配当を実施しています。前期と同額の配当を維持しており、株主への安定的な還元を行っています。今後も、堅実な経営と収益力の向上を背景に、株主還元の充実が期待されます。
今後の展望
株式会社大本組は、建設需要の底堅い推移や民間設備投資の持ち直しなどを背景に、今後も安定的な業績を継続できると期待されています。特に、建築事業の収益性向上や土木事業の堅調な推移により、更なる業績拡大が見込まれます。また、デジタル化の推進やESG経営の実践など、企業価値の向上にも積極的に取り組んでいます。今後の成長と株主への利益還元に期待が高まっています。
編集部のまとめ
株式会社大本組の今回の四半期決算では、売上高は前年同期比で減少したものの、収益性の改善により利益が大幅に増加しました。建設需要の底堅い推移や民間投資の持ち直しといった好環境を背景に、今後も安定した業績を維持できると期待されています。また、財務体質の健全性も高く、今後の事業展開や株主還元に活用できる強固な経営基盤が整っています。株主の皆様にとっても、同社の成長と収益の向上が期待できる企業といえるでしょう。
株式会社大本組の決算日や配当についてまとめました。
株式会社大本組は、3月決算を行っており、第3四半期は2023年10月1日から2023年12月31日までの期間となっています。また、同社は1株当たり170円の配当を実施しており、株主への安定的な還元を行っています。今後も、堅実な経営と収益力の向上を背景に、株主還元の充実が期待されます。