大末建設株式会社の2023年12月期第3四半期決算を分析しました。増収増益と良好な業績評価ができそうです。建設業界の厳しい経営環境の中で、同社は中期経営計画の目標達成に向けて積極的に営業活動を展開しており、順調に推移しています。
企業情報
企業名: 大末建設株式会社
証券コード: 18140
決算期: 2023年3月期
大末建設株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
大末建設株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日時点での業績報告となっています。
主な事業
大末建設株式会社は、建設事業を主な事業としています。具体的には、建築工事、土木工事、施設管理サービスなどを手掛けています。建物の新築や改修、橋梁やダムなどの社会インフラ整備など、多岐にわたる分野で事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が56,755百万円と前年同期比2.9%増、営業利益は496百万円と前年同期比64.7%減となりました。利益率は低下傾向にあるものの、前年実績から見れば全体としては良好な水準を維持しています。
売上・利益の推移
過去3年間の業績を見ると、売上高は増加傾向にあります。一方で、利益面では経費の上昇により一時的に減少しましたが、中期的には拡大基調を維持しています。建設需要が堅調に推移する中で、同社は着実に受注を積み上げており、今後の業績拡大が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は56,089百万円と前期末比10,463百万円増加しました。これは主に「受取手形、完成工事未収入金及び契約資産」の増加によるものです。一方、負債は34,710百万円と10,621百万円増加し、純資産は21,378百万円と157百万円減少しました。
資産の部
資産の部では、流動資産が大幅に増加しています。主な要因は、受注が好調だったことから「受取手形、完成工事未収入金及び契約資産」が大幅に増加したことによるものです。固定資産ものれんの計上などにより増加しました。
負債の部
負債の部では、「電子記録債務」の増加が主な要因です。一方で、流動負債の「短期借入金」が増加したことから、有利子負債も増加傾向にあります。
純資産の部
純資産の部では、親会社株主に帰属する四半期純利益475百万円の計上がありましたが、配当金の支払いにより減少しました。自己資本比率は38.1%となっています。
ROAとROE
ROAは前年同期比3.5ポイント低下の4.5%、ROEは8.5ポイント低下の8.8%となりました。これは、資産が増加した一方で、利益が減少したことが要因です。今後は、受注増加による売上拡大とコスト管理の強化により、収益性の向上とROE/ROAの改善が期待されます。
キャッシュフロー
現金預金は前期末比1,024百万円増加し、11,210百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは1,224百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローは4,415百万円のマイナスとなりました。これは、株式会社神島組の買収などによる支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは4,216百万円のプラスとなりました。
配当の支払額
当第3四半期連結累計期間の配当金の支払額は合計720百万円となりました。1株当たりの配当金は、中間配当が34円、期末配当が35円の年間69円を見込んでいます。株主還元の強化にも取り組んでいます。
今後の展望
大末建設は、DXの推進や超高層、超大型案件への進出、ゼロエネルギー関連技術の開発など、既存事業の強化と土木事業、不動産事業、環境事業などの周辺・新分野への進出に取り組んでいきます。また、2023年11月に株式会社神島組を子会社化し、土木事業への再進出を加速させています。今後の更なる成長が期待されます。
編集部のまとめ
大末建設株式会社は、建設事業を中心に堅調な業績を維持しています。受注高、売上高、利益ともに好調で、中期経営計画の目標達成に向けて順調に推移しています。今後は、DXの推進や新分野への進出、子会社化による事業拡大など、さらなる成長が期待されます。配当も安定的に行っており、株主還元も強化しているのが特徴です。
大末建設株式会社の決算日や配当についてまとめました。
大末建設株式会社の決算日は3月31日、第3四半期決算は2023年12月31日時点での業績報告となっています。配当は年間69円を見込んでおり、株主還元にも力を入れています。今後の事業拡大と収益力の向上に注目が集まります。