今期の決算を発表した名工建設株式会社ですが、堅調な業績と安定した財務体質を示しています。創業以来80年以上の歴史を持ち、主に建設事業を展開している同社は、売上高は前年同期比4,011百万円増加の63,756百万円と大幅な増収となりました。利益面でも、営業利益が3,962百万円と、堅調な収益性を維持しています。
企業情報
企業名: 名工建設株式会社
証券コード: 18690
決算期: 3月期
名工建設株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
名工建設株式会社は、3月31日を決算日としています。第3四半期報告書の提出期限は令和6年2月8日となっています。
主な事業
名工建設株式会社は、土木工事、建築工事、およびこれらに付帯するコンサルティング業務を主な事業としています。特に、道路、河川、空港、上下水道などの公共インフラ整備や、オフィスビル、商業施設、医療・福祉施設などの民間建築工事を手掛けています。また、不動産事業、環境関連事業などの兼業事業にも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間における同社の業績は、売上高が63,756百万円と前年同期比で4,011百万円の増収となりました。利益面でも、営業利益が3,962百万円、経常利益が4,365百万円と、高い収益性を維持しています。これは、公共投資の堅調な推移と民間設備投資の回復を背景に、土木工事と建築工事が共に増加したことが要因です。
売上・利益の推移
同社の売上高は、前年同期比で4,011百万円増加し63,756百万円となりました。利益面では、営業利益が3,962百万円と前年同期比で440百万円減少しましたが、依然として高い収益性を維持しています。このように、売上高は増加傾向にある一方、利益率は一部低下傾向にあるものの、全体としては安定した業績を維持できている企業といえます。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産が102,451百万円と前連結会計年度末に比べ823百万円減少しています。これは、現金預金が14,473百万円減少した一方で、契約資産が20,619百万円増加したことなどが主な要因です。負債は33,824百万円と5,010百万円減少しており、純資産は68,627百万円と4,186百万円増加しています。このように、同社は財務体質が健全であることがわかります。
資産の部
資産の部では、現金預金が減少した一方で、契約資産が大幅に増加しています。これは、受注残高の増加に伴うものと考えられます。また、投資有価証券が2,988百万円増加したことも特徴的です。
負債の部
負債の部では、電子記録債務が7,905百万円減少した一方で、退職給付に係る負債が1,014百万円増加しています。全体として、負債が5,010百万円減少しており、財務体質の改善が見られます。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が2,072百万円増加したことに加え、その他有価証券評価差額金が2,111百万円増加したことで、純資産が4,186百万円増加しています。これにより、自己資本比率は66.74%と高水準を維持しています。
ROAとROE
同社のROA(総資産利益率)は、前連結会計年度末の4.5%から当第3四半期連結累計期間では4.2%に低下しています。一方、ROE(自己資本利益率)は前連結会計年度末の7.2%から7.0%とほぼ横ばいです。これは、経営の効率性が若干低下している一方で、財務の健全性が維持されているため、株主価値の創造力は安定していると評価できます。
キャッシュフロー
同社のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが4,935百万円のプラスとなっています。これは、契約資産の増加などにより運転資金が増加した一方で、税金等の支払いが減少したことが主な要因です。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは1,847百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローは17,575百万円のマイナスとなっており、全体としては14,473百万円の減少となっています。
配当の支払額
同社は、株主への利益還元を重視しており、当第3四半期連結累計期間においても、1株当たり19円、429百万円の中間配当を実施しています。また、期末配当として1株当たり17円、479百万円を実施する予定です。このように、同社は株主への安定的な配当を行っていることが特徴です。
今後の展望
今後の見通しについては、建設投資の持ち直しが期待されるものの、資材高騰や労働者不足など、企業を取り巻く環境はなお厳しい状況にあると指摘されています。このような中、同社は、安全と技術の名工」「社員が誇れる企業」を目指し、さらなる企業価値の向上に努めていくとしています。
編集部のまとめ
名工建設株式会社は、堅調な業績と健全な財務体質を維持している企業です。公共投資の堅調な推移と民間設備投資の回復を背景に、売上高は大幅に増加しました。一方で利益率は若干低下しているものの、全体としては安定した収益性を示しています。今後も、厳しい事業環境の中で、企業価値の向上に努めていくことが期待されます。
名工建設株式会社の決算日や配当についてまとめました。
名工建設株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期報告書の提出期限は令和6年2月8日です。また、株主への利益還元として、中間配当1株19円、期末配当1株17円の年間36円の配当を行う予定で、安定的な配当政策を維持しています。