建設設備工事の大手企業、株式会社テクノ菱和の直近の決算報告書が公開されました。産業設備工事や一般ビル設備工事を中心に高水準な受注と売上を記録し、前年同期を大幅に上回る業績となりました。コストの高止まりなど課題もありますが、収益性の向上に成功しているようです。今後の動向に注目が集まります。
企業情報
企業名: 株式会社テクノ菱和
証券コード: 19650
決算期: 2023年3月期
株式会社テクノ菱和の決算日・決算時期(スケジュール）は？
株式会社テクノ菱和の決算日は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日が基準日となっています。
主な事業
株式会社テクノ菱和は、空調衛生設備工事を中心に、電気設備工事、冷熱機器販売などの事業を展開しています。大手建設会社や製造企業、医療・製薬、食品、電子デバイスなど幅広い分野の顧客に対し、省エネ化や環境対応など高度な設備工事を提供しています。
今期の業績と利益率は？
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が50,869百万円と前年同期比で19.9%の大幅増加となりました。営業利益は2,935百万円、経常利益は3,419百万円と、いずれも前年同期を大きく上回っています。収益性の改善にも成功しており、営業利益率は5.8%、経常利益率は6.7%と、健全な水準を維持できています。
売上・利益の推移
同社の売上高は、前期までは40,000百万円台で推移していましたが、当期は50,000百万円台に大きく伸長しました。また、経常利益についても前期までの2,000百万円台から3,419百万円と、大幅な増益となっています。主力の空調衛生設備工事が好調に推移していることが主な要因です。
四半期連結貸借対照表について
株式会社テクノ菱和の当第3四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は67,771百万円となっています。前期末から4,313百万円増加しており、財務体質の強化が進んでいることが分かります。
資産の部
資産の部では、流動資産が45,029百万円と前期末から2,750百万円増加しました。受取手形・完成工事未収入金などの増加によるものです。固定資産も22,742百万円と1,563百万円増加しており、投資有価証券が主な増加要因となっています。
負債の部
負債の部は、流動負債が19,439百万円と2,034百万円増加しました。電子記録債務や未払消費税等の増加が主な要因です。固定負債も3,366百万円と689百万円増加しています。
純資産の部
純資産の部は、44,965百万円と前期末から1,589百万円増加しました。利益剰余金や有価証券評価差額金の増加によるものです。自己資本比率は66.3%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
株式会社テクノ菱和のROAは前期5.4%、ROEは前期7.6%となっています。当期の数値は未発表ですが、売上高や利益が増加傾向にあることから、両指標とも前期を上回る水準となっているはずです。建設業界の企業収益が好調な中で、テクノ菱和も収益力を高めていると評価できるでしょう。
キャッシュフロー
株式会社テクノ菱和の当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は未発表となっています。前期は営業活動によるキャッシュ・フローが3,845百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが1,314百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが1,211百万円のマイナスとなっていました。手元流動性が高く、健全な財務状況を維持できていると考えられます。
配当の支払額
株式会社テクノ菱和は、中間配当と期末配当の年2回、配当を実施しています。当期の中間配当は1株当たり16円となっており、前期と同水準の配当を維持しています。業績の好調さを考えると、期末配当も前期並みの水準が見込まれます。
今後の展望
株式会社テクノ菱和は、産業設備工事や一般ビル設備工事の受注が好調に推移していることから、今後も売上高の増加が期待できます。また、収益性の改善にも取り組んでおり、利益率の上昇も見込まれます。一方で、原材料高騰や物価上昇などのコスト上昇リスクにも注意が必要です。今後の企業の設備投資動向や政府の経済政策にも注目が集まります。
編集部のまとめ
株式会社テクノ菱和の決算は、売上高、営業利益、経常利益ともに前年同期を大幅に上回る好業績となりました。産業設備工事や一般ビル設備工事が堅調に推移していることが主な要因です。また、収益性の改善にも成功しており、今後も安定した業績が期待できそうです。ただし、原材料高騰などのコスト上昇リスクにも十分注意が必要です。
株式会社テクノ菱和の決算日や配当についてまとめました。
株式会社テクノ菱和の決算日は3月31日で、第3四半期決算は2023年12月31日が基準日となっています。また、同社は中間配当と期末配当の年2回、配当を実施しており、当期の中間配当は1株当たり16円の水準を維持しています。今後も安定した業績と配当が期待できるでしょう。
