株式会社高田工業所の2023年3月期第3四半期決算が発表されました。プラント事業を手掛ける同社は、デジタル化や脱炭素化に向けた設備投資の増加により、業績は堅調に推移しています。当期は新体制のもと、基盤の強化と受注拡大に成功したことがうかがえますね。
企業情報
企業名: 株式会社 高田工業所
証券コード: 19660
決算期: 3月期
株式会社 高田工業所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社高田工業所の決算期は3月期で、第3四半期決算は12月31日時点での決算となります。四半期報告書は3月、6月、9月、12月に公表されます。
主な事業
株式会社高田工業所は、化学プラント、石油精製プラント、鉄鋼プラントなどの設計、建設、メンテナンスなどを主な事業としています。特に化学プラントの建設工事や保全工事が同社の主力となっています。グループ会社も含めると、国内外のプラントエンジニアリング分野で高い競争力を誇っています。
今期の業績と利益率は?
第3四半期累計期間の連結売上高は401億円と前年同期比3.5%減となりましたが、営業利益は22億円と50.4%増加しています。売上高は減少しましたが、コストダウンや生産性向上の取り組みにより、営業利益率は5.5%と大幅に改善されています。
売上・利益の推移
最近3年間の実績では、売上高は570億円前後で推移しており、経常利益は27億円前後となっています。前期は売上高が減少したものの、利益率の向上により、経常利益は26億円と前期比4.3%増加しました。現在の第3四半期累計では、売上高は4.3%減少したものの、利益率が大幅に改善されたことで、経常利益は45.7%の増加となっています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の資産は428億円と、前期末比31億円増加しています。負債は251億円と14億円増加し、純資産は177億円と16億円増加しています。自己資本比率は40.7%と、健全な財務状況が維持されています。
資産の部
資産の主な内訳は、現金及び預金が56億円、受取手形・完成工事未収入金等が248億円となっています。前期末から資産全体で31億円増加しており、手元流動性の確保と受注の拡大が進んでいます。
負債の部
負債の主な内訳は、支払手形・工事未払金等が95億円、短期借入金が84億円となっています。前期末から14億円増加しており、運転資金の確保に向けた短期借入金の増加が主な要因です。
純資産の部
純資産の主な内訳は、利益剰余金が138億円となっています。前期末から16億円増加しており、この間の四半期純利益の積み上げによるものです。自己資本比率は40.7%と、健全な水準を維持しています。
ROAとROE
ROAは前期の4.4%から当期第3四半期では5.0%に改善しています。これは利益率の向上によるものです。一方、ROEは前期の10.2%から当期第3四半期では8.6%に低下しています。これは自己資本が増加したことで、資本効率が低下したためです。今後は利益率の維持と適切な財務管理が課題となるでしょう。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローは、前年同期比で25億円増加しています。これは、売上債権の増加などがあったものの、税金等調整前四半期純利益の増加などによるものです。一方、投資活動によるキャッシュフローは、設備投資の増加などにより4億円の減少となりました。財務活動によるキャッシュフローは、借入金の増加などにより40億円の増加となっています。全体としては、手元流動性が11億円増加しており、健全な資金繰りが維持されているといえます。
配当の支払額
当社は、株主還元の一環として年2回の配当を行っています。直近の第3四半期では、普通株式1株当たり10円、B種株式1株当たり9.192円の配当を実施しました。配当性向は23%程度で、株主への利益還元に積極的に取り組んでいます。
今後の展望
今後の事業環境は、インフレや金融引き締め、地政学リスクなど不透明な状況が続くことが予想されます。しかし、デジタル化や脱炭素化に向けた設備投資需要は堅調に推移しています。当社は新体制のもと、業務効率化とコストダウンに注力し、収益力の向上に取り組んでいきます。また、日揮株式会社との業務提携により、EPC(設計・調達・建設)の遂行力強化や、メンテナンス事業の拡大を目指します。さらに、優先株式の消却により、財務体質の改善にも取り組むなど、積極的な経営戦略を展開しています。
編集部のまとめ
株式会社高田工業所は、プラントエンジニアリングのリーディングカンパニーとして、脱炭素化やデジタル化への対応に注力し、収益力の向上と財務体質の改善に取り組んでいます。既存事業の強化と新たな提携により、中期的な成長が期待できる企業といえるでしょう。優先株式の消却により、株主還元の強化も期待されます。今後の業績と株価動向に注目していきたいですね。
株式会社 高田工業所の決算日や配当についてまとめました。
株式会社高田工業所の決算期は3月期で、第3四半期決算は12月31日時点での決算となっています。直近の第3四半期では、普通株式1株当たり10円、B種株式1株当たり9.192円の配当を実施しており、株主への利益還元に積極的に取り組んでいます。今後も、収益力の向上と財務体質の改善を目指し、株主還元の強化が期待される企業です。