フィード・ワン株式会社の2023年12月期第3四半期決算報告をご紹介します。売上高は2,383億円と前年同期比4.2%増、経常利益は51億円と前年同期比395%の大幅増益となりました。飼料事業部門の収益改善や食品事業の販売価格条件改定などがポジティブに寄与しています。四半期連結貸借対照表では純資産が482億円と堅調に推移しています。今後も業績拡大に向けた取り組みに注目が集まります。
企業情報
企業名: フィード・ワン株式会社
証券コード: E30728
決算期: 3月末
フィード・ワン株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
フィード・ワン株式会社は3月31日を期末決算日としており、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日に行っています。決算短信の開示は、通常期末決算から約2カ月後の5月中旬、四半期決算から約1ヶ月後の翌年の2月初旬になります。
主な事業
フィード・ワン株式会社は主に飼料事業と食品事業を展開しています。飼料事業では、畜産や水産向けの配合飼料の製造・販売を行っています。食品事業では、豚肉、鶏卵などの畜産物の生産・加工・販売を行っています。その他、畜水産機材の販売や不動産賃貸などの事業にも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の売上高は2,383億円と前年同期比4.2%増、経常利益は51億円と前年同期比395.1%の大幅増益となりました。飼料事業では4四半期連続の畜産飼料価格引下げにより収益が改善し、食品事業でも販売価格条件の改定が進んでプラスに寄与しています。
売上・利益の推移
直近3年間の売上高は、2022年3月期1,711億円、2023年3月期2,383億円となっており、3年間で40%以上の大幅な売上増加を達成しています。同様に経常利益も2022年3月期10億円、2023年3月期51億円と5倍以上の増益を実現しています。事業構造の改善と需要の回復によって、売上高・利益ともに堅調に推移しています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末の四半期連結貸借対照表では、総資産が1,387億円、純資産が482億円となっています。現金預金の増加と借入金の返済により、自己資本比率は34.3%と安定的な財務体質を維持しています。
資産の部
資産合計は1,387億円で、前期末比8.5%増加しています。主な増加要因は、当四半期末日が金融機関の休日であったことで現金預金や売上債権が増加したことです。
負債の部
負債合計は905億円で、前期末比9.6%増加しています。財務体質の改善のためシンジケートローンの借り換えなどを進めた結果、有利子負債は減少した一方で、仕入債務の増加などがあり、全体としては負債が増えています。
純資産の部
純資産合計は482億円で、前期末比6.4%増加しています。親会社株主に帰属する四半期純利益32億円の計上により、利益剰余金が増加したことが主な要因です。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前期の1.1%から当期3.7%へと大幅に上昇しています。これは経常利益が大幅に増加したことが主因です。一方、ROE(自己資本利益率)は前期の3.1%から当期6.8%に向上しています。自己資本の効率的な活用と収益性の改善が進んでいることがわかります。
キャッシュフロー
営業キャッシュフローは経常利益の増加により前期比で大幅に改善しています。一方で、設備投資などによる投資キャッシュフローのマイナス、借入金の返済などによる財務キャッシュフローのマイナスもあり、現金及び現金同等物の期末残高は前期末比で増加しています。財務体質の改善と投資のバランスが取れた状況にあると評価できます。
配当の支払額
2023年3月期は1株当たり年間25円の配当を実施しました。2023年12月期第3四半期では、中間配当として1株当たり12.50円の配当を行っています。今後も着実な利益成長に合わせて、株主還元の強化を図る方針のようです。
今後の展望
原料価格の動向や新型コロナウイルスの影響などが不透明ですが、飼料事業と食品事業の両事業部門で収益改善が続いていることから、通期でも過去最高益の更新が期待されます。中長期的にもAI活用によるデジタル化の推進や、ペットフード事業への参入など、新たな成長機会の獲得にも注目が集まります。
編集部のまとめ
フィード・ワン株式会社は2023年12月期第3四半期の決算で、売上高2,383億円、経常利益51億円と大幅な増収増益を達成しました。既存事業の収益改善に加え、新たな成長戦略にも期待が高まっています。健全な財務体質と着実な成長を背景に、今後の業績拡大に注目が集まります。
フィード・ワン株式会社の決算日や配当についてまとめました。
フィード・ワン株式会社は3月31日を期末決算日としており、年2回の配当(中間配当と期末配当)を行っています。2023年12月期では中間配当で1株当たり12.50円を実施しており、年間配当は前期並みの25円前後となる見通しです。今後も安定的な配当の実施が期待されています。