この度、岩塚製菓株式会社の第71期第3四半期決算報告書が公開されました。同社はお米菓子の老舗メーカーで、人気商品の「黒豆せんべい」や「田舎のおかき」で知られています。 多くの人に愛され続けている同社の業績を、分かりやすくご紹介したいと思います。
企業情報
企業名: 岩塚製菓株式会社
証券コード: 22210
決算期: 3月期
岩塚製菓株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
岩塚製菓の決算日は3月31日で、第3四半期の決算期間は2023年10月1日から12月31日までとなっています。同社は、毎年6月に定時株主総会を開催し、この総会で前期決算の承認や剰余金の配当などが決議されます。
主な事業
岩塚製菓の主要事業は、米菓子(せんべい、おかき等)の製造・販売です。新潟県長岡市に本社を置き、同県内外に複数の工場を構えています。多くの人に愛されるロングセラー商品を数多く展開しており、高いブランド力を誇っています。近年は、チョコレートなどの新分野への進出も行っており、事業領域の拡大にも注力しています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の連結業績は、売上高164億97百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益6億20百万円(前年同期は2億29百万円の損失)と、堅調な成長を遂げています。主力商品の販売が好調だったことに加え、製造原価の改善により、営業利益率も改善傾向にあります。
売上・利益の推移
近年の業績を見ると、売上高は順調に増加しています。2023年3月期通期では203億86百万円を記録し、過去最高を更新しました。一方で、利益面では、原材料価格高騰や人件費上昇などの影響で、2022年4月〜12月期は減益となりましたが、生産性向上や原価低減に取り組んだ結果、第3四半期では増益に転じています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の総資産は844億88百万円で、前期末比932百万円の増加となりました。資産の部では流動資産が133億21百万円、固定資産が711億67百万円となっています。負債の部では、流動負債が38億89百万円、固定負債が165億81百万円です。純資産は640億18百万円と、前期末比19億56百万円増加しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が40億54百万円、受取手形及び売掛金が56億40百万円となっています。投資有価証券も537億92百万円と高水準を維持しています。
負債の部
負債の部では、買掛金が10億41百万円、長期借入金が5億5百万円となっています。繰延税金負債が144億65百万円と大きな割合を占めています。
純資産の部
純資産の部では、資本金が16億34百万円、資本剰余金が18億59百万円、利益剰余金が233億32百万円となっています。自己資本比率も75.8%と高水準を維持しています。
ROAとROE
岩塚製菓のROA(総資産経常利益率)は3.2%、ROE(自己資本当期純利益率)は3.0%となっています。ROAは横ばいで推移していますが、ROEは前期の11.6%から大幅に低下しています。これは、経常利益が減少したことや、自己資本が増加したことが主な要因です。今後は、収益性の改善とともに資本効率の向上にも注力していく必要がありそうです。
キャッシュフロー
同社のキャッシュ・フローについては、財務諸表の記載がないため詳細は不明です。ただし、現金及び預金残高が前期末比4億86百万円増加するなど、事業活動によるキャッシュ・インフローが安定的に確保できていることがうかがえます。今後は、投資活動や財務活動によるキャッシュ・フローの動向にも注目していく必要があります。
配当の支払額
2023年3月期の1株当たり配当金は37円(前期32円)と、前期から5円増配となりました。株主還元の強化に取り組んでいる同社では、今後も安定配当の維持と向上を目指していくことが期待されます。
今後の展望
岩塚製菓は、中期経営計画「新しい岩塚価値の創造」の2年目を迎え、「ドンドン造って、ガンガン売って、欠品ゼロ!」をスローガンに掲げています。主力品の増産体制を確立し、供給責任を果たすとともに、「BEIKA Lab」を活用して新商品開発にも注力。ジャンルの拡大を目指し、ブランド価値の向上に取り組んでいきます。今後の業績拡大と株主還元の強化が期待されます。
編集部のまとめ
岩塚製菓は、老舗ながら高い商品力と生産性向上により、堅調な業績を維持している印象を受けました。今期の減益は一時的なものと見られ、中期的には成長軌道に乗っていると評価できます。株主還元面でも、着実な増配基調を維持しており、株主価値向上に尽力していることが分かります。今後の新商品開発や収益性改善など、さらなる飛躍に期待がかかります。
岩塚製菓株式会社の決算日や配当についてまとめました。
岩塚製菓の決算日は3月31日で、6月に定時株主総会を開催しています。2023年3月期の1株当たり配当金は37円と前期から5円増配となり、株主還元の強化に努めています。今後も安定配当の維持と向上が期待されます。