日本ハム株式会社の2023年12月期第3四半期の決算報告をお届けします。創業100周年を迎えた日本ハムは、ハム・ソーセージ、加工食品、食肉などの製造・販売を手掛ける大手企業です。今期は売上高や利益が前年同期と比べて大きく増加し、業績の改善が見られました。
企業情報
企業名: 日本ハム株式会社
証券コード: 22820
決算期: 2023年12月期
日本ハム株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本ハムは3月31日が決算日となっています。そのため、今回の四半期決算は、2023年4月1日から2023年12月31日までの第3四半期の決算報告となっています。
主な事業
日本ハムは、ハム・ソーセージ、加工食品、食肉、乳製品などの製造・販売を主な事業としています。国内では主力商品の「シャウエッセン」やチルドベーカリー商品が人気で、海外では豪州の牛肉事業や中東のトルコの鶏肉事業が好調に推移しています。また、プロ野球球団の経営なども手掛ける総合食品メーカーです。
今期の業績と利益率は?
今期の業績は大幅な増収増益となっています。売上高は前年同期比3.7%増の997,957百万円、事業利益は前年同期比68.0%増の41,545百万円、税引前四半期利益は前年同期比60.6%増の43,681百万円と、全ての利益指標が大きく伸長しました。主力事業の食肉や加工食品、ボールパーク事業など、各セグメントで収益性が改善し、高い利益率を実現しています。
売上・利益の推移
直近3年の業績推移を見ると、第3四半期の売上高は962,609百万円(2022年度)、997,957百万円(2023年度)とほぼ横ばいで推移しています。一方で、事業利益は26,762百万円(2022年度)、42,495百万円(2023年度)と大きく増加しており、収益性の改善が進んでいることがわかります。
四半期連結貸借対照表について
直近の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は前期末比2.1%増の957,219百万円、負債は1.6%減の427,301百万円、純資産は5.1%増の518,123百万円となっています。現金及び現金同等物が前期末比6.7%増の69,348百万円に増加した一方で、売却目的保有資産がBPUの株式譲渡により大幅に減少しています。負債は仕入の増加により増加したものの、純資産は利益の積み上がりなどにより増加しており、財務体質の改善が進んでいます。
資産の部
資産の部では、現金及び現金同等物が前期末比6.7%増、営業債権及びその他の債権が前期末比26.0%増加しています。一方で、売却目的保有資産がBPUの株式譲渡により大幅に減少しています。
負債の部
負債の部では、営業債務及びその他の債務が前期末比17.7%増加しています。これは、相場高と需要回復を受けた仕入の増加によるものです。一方で、BPUの株式譲渡に伴い売却目的保有資産に直接関連する負債が大幅に減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益の積み上がりにより親会社の所有者に帰属する持分が前期末比5.1%増加し518,123百万円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は54.1%と財務体質が改善しています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前期末の5.2%から当第3四半期は5.6%に上昇し、ROE(自己資本利益率)も前期末の3.4%から5.7%に大幅に改善しています。これは、上述の通り、収益性の向上と自己資本の増加により、資産効率と資本効率が共に高まったことによります。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローは、前年同期の29,754百万円の減少から60,543百万円の増加に転じています。これは、税引前四半期利益の増加や、営業債務の増加などによるものです。投資活動によるキャッシュフローは32,950百万円の減少で、前年同期とほぼ同水準です。一方、財務活動によるキャッシュフローは27,818百万円の減少となっています。このように、営業活動キャッシュフローの大幅改善が特徴的です。
配当の支払額
当第3四半期連結累計期間の配当金の総額は11,324百万円で、1株当たりの配当金は110円となっています。前年同期の配当金10,499百万円、1株当たり102円に比べて増額しており、収益拡大を反映した形となっています。
今後の展望
日本ハムは、主力の食肉事業や加工事業での収益改善に加え、ボールパーク事業の業績も好調に推移しています。今後も国内外の事業で収益性を高め、持続的な成長を実現していくことが期待されます。特に、AI技術を活用した新しい養豚支援システムの開発など、将来にわたるたんぱく質の安定供給に取り組むなど、業界をリードする企業として期待されています。
編集部のまとめ
日本ハムは、国内外の主力事業で収益性が大幅に改善し、業績の好調ぶりを示しています。売上高は前年並みを確保しつつ、事業利益は68%増と大幅に増加しています。自己資本比率も50%を超える水準となり、財務体質の強化も進んでいます。今後は、AI技術を活用した新事業の開発など、持続的な成長に向けた取り組みに期待が高まっています。
日本ハム株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本ハムの決算日は3月31日で、今回の報告は2023年4月1日から12月31日までの第3四半期の決算です。直近の配当金は1株当たり110円で、前年同期比8円増となっています。業績の好調さを反映した増配となっており、株主還元にも注目が集まっています。