日鉄ソリューションズ株式会社(NSSOL)の2023年12月期第3四半期決算報告が公開されました。IT企業ながらも製造業の日本製鉄の子会社で、製造業向けをはじめ幅広い業界で強みを発揮しています。この決算では、主要顧客企業へのソリューション提供が好調だったことから増収増益となり、確実に業績を積み上げていることが分かります。
企業情報
企業名: 日鉄ソリューションズ株式会社
証券コード: 23270
決算期: 3月期
日鉄ソリューションズ株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日鉄ソリューションズ株式会社の決算期は3月31日です。主な決算スケジュールは、期末決算の5月中旬に決算発表、6月中旬に株主総会、第2四半期決算は11月中旬、第3四半期決算は2月中旬となっています。
主な事業
日鉄ソリューションズは、IT企業としての技術力と日本製鉄グループの強みを活かし、製造業をはじめとする幅広い業界のお客様に向けて、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するソリューションを提供しています。具体的には、自社製品を活用したシステム開発やクラウドサービス、製造工程の最適化など、幅広い分野で顧客のIT活用を支援しています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の業績は売上高2,201億円(前年同期比+6.5%)、営業利益233億円(同+4.3%)と増収増益となりました。これは、主要顧客である日本製鉄やメガバンク向けのシステム開発案件が好調だったことに加え、デジタルワークプレースソリューションやクラウド、オラクルビジネスなどが伸長したためです。利益率も営業利益率10.6%と堅調に推移しています。
売上・利益の推移
日鉄ソリューションズは、過去3年間で売上高が2,917億円から2,201億円、営業利益が321億円から233億円と増収増益を続けています。これは、製造業や金融業界といった主要顧客向けの提案力を強化し、DXソリューションの受注が好調に推移したためです。今後も中期的にはグループ内外のデジタル活用支援を通じ、安定した業績が期待できそうです。
四半期連結貸借対照表について
資産の部
当第3四半期末の総資産は3,386億円と前期末から186億円増加しています。これは主に、現金及び現金同等物の増加、その他の金融資産の増加、棚卸資産の増加などが要因です。流動性が高い資産が充実しており、健全な財務体質といえます。
負債の部
負債は1,075億円と前期末から46億円減少しています。リース負債の減少や未払法人所得税等の減少があった一方で、契約負債の増加がありました。負債水準は低く、財務の安定性が高いことがわかります。
純資産の部
純資産は2,311億円と前期末から233億円増加しています。四半期利益の計上により利益剰余金が増加したほか、その他の包括利益の増加も寄与しています。自己資本比率は66.0%と高く、財務基盤が強固であると評価できます。
ROAとROE
日鉄ソリューションズのROA(総資産利益率)は前期の6.9%から当第3四半期では年換算で6.9%と横ばいで、ROE(自己資本利益率)は前期の11.1%から12.0%へと改善しています。これは、増収増益を続け、財務体質が安定的に推移していることを示しています。今後もDXニーズの取り込みで収益力を維持し、投資効率の向上に期待できそうです。
キャッシュフロー
営業キャッシュ・フローは前年同期の93億円から182億円へと大幅に改善しています。これは、売上債権の回収が進んだことなどが寄与しています。一方で、投資キャッシュ・フローについては、有形固定資産や金融資産の取得により7億円の支出となりました。財務キャッシュ・フローは主に配当金支払いにより132億円の支出です。全体としては、60億円の資金増加となっています。
配当の支払額
日鉄ソリューションズは、連結配当性向30%を目途に安定配当を行っています。当第3四半期では、中間配当40円、期末配当40円の1株当たり80円を計画しており、着実に株主還元を実施しています。今後も業績に応じた利益配分を行っていく姿勢が窺えます。
今後の展望
日鉄ソリューションズは、2021年~2025年の中期経営計画で、デジタル製造業、プラットフォーマー支援、デジタルワークプレースソリューション、ITアウトソーシングの4つの注力領域に注力しています。これらの分野でDXニーズを最大限取り込み、さらなる成長を目指していきます。また、AIスタートアップ企業の買収や子会社化など、外部リソースを活用した事業拡大にも取り組んでいます。今後も安定した業績を維持し、顧客企業のDX支援を通じて企業価値向上に貢献していくことが期待されます。
編集部のまとめ
日鉄ソリューションズは、製造業をはじめ幅広い業界でデジタル化支援に注力しており、顧客ニーズに合わせたソリューション提供で着実に業績を伸ばしています。健全な財務体質と配当政策も評価でき、今後も中期的な成長が期待できる企業だと言えるでしょう。IT業界の中でも製造業寄りの特色があり、注目度の高い決算といえます。
日鉄ソリューションズ株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日鉄ソリューションズは3月31日決算で、年2回(中間配当、期末配当)の配当を実施しています。2023年3月期の配当は年間80円(中間配40円、期末配40円)を計画しており、連結配当性向30%を目途に株主還元を行っています。今後も業績に応じた安定的な配当が期待できる銘柄と言えるでしょう。