株式会社クエストの2023年12月期第3四半期決算は、半導体メモリ業界の不振の影響を受けたものの、全体としては良好な業績を達成しました。売上高は前年同期並みの10,588百万円を計上し、経常利益は840百万円を確保しています。また、金融分野や他の産業分野での受注拡大が貢献し、売上総利益は2,010百万円と増加しています。
企業情報
企業名: 株式会社クエスト
証券コード: E05310
決算期: 3月期
株式会社クエストの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社クエストの決算日は3月31日です。そのため、第3四半期決算は2023年12月31日が基準日となります。決算の発表は年に4回行われ、第1四半期決算は8月、第2四半期決算は11月、第3四半期決算は2月、そして本決算は6月に発表されます。
主な事業
株式会社クエストは、システム開発事業とインフラサービス事業の2つの主力事業を展開しています。システム開発事業では、金融、半導体・エレクトロニクス、製造など、幅広い業界のシステム開発を手掛けています。一方でインフラサービス事業では、各顧客のOA機器やネットワーク、サーバなどの運用保守、監視を行っています。同社は長年の実績から、お客様の課題解決に向けたコンサルティングからシステム開発、運用保守まで提供する総合的なITサービスを展開しています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の業績は、売上高が10,588百万円と前年同期並みでしたが、経常利益は840百万円と前年同期比6.1%の減少となりました。これは主に半導体メモリ業界の市況悪化による影響が大きかったためです。一方で、他の産業分野への売上シフトも進み、売上総利益率は19.0%と改善が見られました。
売上・利益の推移
過去3年の売上高と経常利益の推移を見ると、売上高は14,202百万円から10,588百万円と微減していますが、経常利益は895百万円から840百万円とほぼ横ばいで推移しています。これは、半導体分野の需要減少に伴う影響はあったものの、他の産業分野での受注確保が奏功したためです。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月期第3四半期末の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は8,917百万円となっています。前期末に比べ125百万円減少しています。
資産の部
流動資産は6,045百万円で、前期末から29百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金が2,360百万円と前期末から299百万円減少したことです。一方、固定資産は2,872百万円で、前期末から96百万円減少しました。
負債の部
負債合計は2,309百万円で、前期末から467百万円減少しました。流動負債が1,729百万円と大幅に減少したことが主因です。買掛金が416百万円、未払法人税等が23百万円と削減されています。
純資産の部
純資産合計は6,608百万円で、前期末から342百万円増加しました。利益剰余金が5,253百万円と着実に積み上がっています。自己資本比率も74.1%と高い水準を維持しています。
ROAとROE
株式会社クエストのROA(総資産利益率)は前期が8.4%、当第3四半期は年換算で9.4%となっています。また、ROE(自己資本利益率)は前期が9.4%、当第3四半期は年換算で8.5%となっています。ROAは改善傾向にあり、収益性が高まっていると言えます。一方、ROEは若干低下しているものの、依然として高い水準を維持しています。これは、自己資本比率が高く財務体質が健全であることが要因です。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は公表されていませんが、前年同期と比べて現金及び預金が減少していることから、営業活動によるキャッシュ・インフローはあるものの、投資活動によるキャッシュ・アウトフローが大きかったと推察されます。財務活動によるキャッシュ・アウトフローとしては配当金の支払いが行われたと考えられます。
配当の支払額
2023年6月の期末配当は1株当たり46円、2022年12月の中間配当は1株当たり46円の計92円が支払われています。また、2023年12月期第3四半期決算における配当予想は1株当たり46円となっており、年間配当は92円を見込んでいます。着実な利益確保を背景に、株主還元も積極的に行っている様子がうかがえます。
今後の展望
株式会社クエストは、中長期ビジョン「Quest Vision2030」に基づき、事業構造の変革、産業ポートフォリオの変革、そして事業体質の変革に取り組んでいます。半導体メモリ需要の減少に柔軟に対応しつつ、金融、製造、エレクトロニクスなど他の産業分野での受注拡大を図り、持続的な成長を目指しています。また、ソリューション開発投資や人材育成にも力を入れ、新たな強みの創出にも注力しています。引き続き業績の向上と株主還元の充実が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社クエストは、システム開発とインフラサービスの2つの事業を展開する総合的なITサービス企業です。第3四半期決算では、半導体メモリ業界の不振の影響を受けたものの、売上高は前年並みを確保し、利益率も改善傾向にあります。財務体質も健全で、株主還元にも積極的な様子がうかがえます。今後は、産業ポートフォリオの変革による持続的な成長が期待されます。
株式会社クエストの決算日や配当についてまとめました。
株式会社クエストの決算日は3月31日で、年に4回の決算発表を行っています。また、同社は年間配当92円を見込んでおり、株主還元も充実している企業といえます。決算内容も健全で、今後の業績拡大と更なる株主還元に期待が高まります。