株式会社メディネットの2023年12月期第1四半期決算が発表されました。売上高は248百万円と前年同期に比べ34.1%の増収となり、営業損失は293百万円の改善傾向にあります。再生医療等製品事業では引き続き研究開発投資を行っているものの、細胞加工業における受託拡大により安定収益の確保が進んでいます。今後の事業展開に期待が高まりますね。
企業情報
企業名: 株式会社メディネット
証券コード: E05351
決算期: 9月期
株式会社メディネットの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社メディネットの決算日は9月30日です。そのため、今回の決算は2023年10月1日から12月31日までの第1四半期決算となります。四半期報告書は2月13日に提出されています。
主な事業
株式会社メディネットは、再生医療や遺伝子治療などの先進医療分野で事業を展開しています。細胞加工業と再生医療等製品事業の2つの事業セグメントを有しています。細胞加工業では免疫細胞加工の受託製造を行っており、再生医療等製品事業では自社開発の再生医療製品の実用化に取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第1四半期の売上高は248百万円と前年同期比で34.1%の増収となりました。細胞加工業の受託が好調に推移したことが主な要因です。また、営業損失は293百万円と損失幅が縮小しています。再生医療等製品事業での研究開発投資が続いているものの、細胞加工業の収益改善に期待がかかっています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移をみると、売上高は185百万円から248百万円へと増加傾向にあります。一方で、営業損失は325百万円から293百万円と改善してきています。細胞加工業における着実な受注拡大と、再生医療等製品事業での研究開発投資抑制により、収益性の向上が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
株式会社メディネットは四半期連結財務諸表を作成していないため、四半期単体の貸借対照表について確認していきます。
資産の部
当第1四半期末の総資産は6,348百万円となり、前事業年度末から714百万円増加しています。これは主に現金及び預金が636百万円、投資有価証券が84百万円増加したことによるものです。
負債の部
当第1四半期末の負債合計は548百万円となり、前事業年度末から41百万円減少しました。これは主に賞与引当金が31百万円減少したためです。
純資産の部
当第1四半期末の純資産合計は5,800百万円となり、前事業年度末から756百万円増加しました。これは主に新株予約権の行使により資本金と資本剰余金がそれぞれ501百万円増加したことによるものです。
ROAとROE
株式会社メディネットのROA(総資産利益率)とROE(自己資本利益率)は、当第1四半期ではマイナスの水準となっています。これは、継続的な営業損失の計上により利益水準が低迷していることが主な要因です。今後は、細胞加工業の収益改善と再生医療等製品事業の早期収益化に向けた取り組みが、ROA・ROEの改善につながることが期待されます。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュ・フローの状況については、四半期連結キャッシュ・フロー計算書が作成されていないため詳細な情報は開示されていません。ただし、現金及び預金が前事業年度末から636百万円増加したことから、営業活動によるキャッシュ・フローや財務活動によるキャッシュ・フローが改善傾向にあると推察されます。
配当の支払額
株式会社メディネットは当第1四半期において配当を行っていません。また、過去からも配当実績はありません。今後は、再生医療等製品事業の収益化や細胞加工業の黒字化などにより、株主還元策の検討が期待されます。
今後の展望
株式会社メディネットは、細胞加工業における受託拡大と、再生医療等製品事業での有望なパイプラインの早期実用化に注力していく方針です。特に細胞加工業では収益改善の傾向が見られており、今後の業績拡大に期待がかかっています。一方で再生医療等製品事業では、開発投資が先行しているものの、自社製品の早期承認取得に向けて着実に進捗を重ねることが重要です。
編集部のまとめ
株式会社メディネットは、先進医療分野における2つの事業セグメントを有する企業です。当第1四半期は、細胞加工業における受託拡大により売上が増加し、損失幅も縮小傾向にあります。今後は細胞加工業の収益改善と再生医療等製品事業の早期実用化に注力することで、企業価値の向上が期待されます。配当実施などの株主還元策にも期待が高まっています。
株式会社メディネットの決算日や配当についてまとめました。
株式会社メディネットの決算日は9月30日で、第1四半期の決算が2024年2月13日に発表されました。過去からの配当実績はなく、今後の財務状況改善次第で株主還元策の検討が期待されます。引き続き、細胞加工業の収益力強化と再生医療等製品の早期実用化に注目していきましょう。