株式会社ファンコミュニケーションズの2024年度第1四半期決算が発表されました。売上高は1,702,476千円と前年同期比88.7%と減収になりましたが、営業利益は352,240千円と前年同期比56.1%と減益ながらも利益率が高い水準を維持しています。一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益は515,595千円と前年同期比132.2%と増益となりました。
企業情報
企業名: 株式会社ファンコミュニケーションズ
証券コード: 24610
決算期: 12月
株式会社ファンコミュニケーションズの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ファンコミュニケーションズの決算期は12月となっており、第1四半期決算は2024年5月15日に発表されています。今回はその第1四半期(2024年1月1日~3月31日)の決算内容となります。
主な事業
株式会社ファンコミュニケーションズはインターネット広告事業を中心に事業を展開しています。CPAソリューション事業では「A8.net」などのアフィリエイト広告サービスを、ADコミュニケーション事業ではスマートフォン向けの運用型広告サービス「nend」を提供してきました。さらに新規事業の開発にも力を入れ、お笑いラジオアプリ「GERA」やゲームパブリッシング事業などにも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第1四半期の業績は売上高1,702,476千円、営業利益352,240千円と前年同期比では減収減益となりました。一方で、営業利益率は20.7%と高い水準を維持しており、事業のコスト管理が適切に行われている様子がうかがえます。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は515,595千円と前年同期比で大幅な増加となりました。
売上・利益の推移
直近3年の売上高と営業利益の推移を見ると、売上高は7,396,661千円(前期)、1,702,476千円(当期Q1)と減少傾向にあります。一方で、営業利益は2,103,069千円(前期)、352,240千円(当期Q1)と高水準を維持しており、収益性が高い事業構造となっています。今後は、新規事業の立ち上げにより売上の回復が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
当第1四半期末の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は22,398,956千円となっています。流動資産のうち現金及び預金が16,194,569千円と手元流動性が高い水準を維持しています。一方、負債は5,219,011千円と健全な財務状況が続いています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が16,194,569千円と非常に手厚い流動性を確保しています。また、売掛金も2,642,815千円と回収状況も良好です。一方で、投資有価証券は1,455,048千円と増加しており、今後の収益源の開拓に向けた投資が進められていることがうかがえます。
負債の部
負債の部では、買掛金が4,077,903千円と主要な負債となっています。また、未払法人税等は58,797千円と大幅に減少しており、税負担が軽減されていることが分かります。全体として、有利子負債の残高が少ないことから、健全な財務体質が維持されています。
純資産の部
純資産の部では、17,179,944千円を確保しています。自己資本比率は76.3%と高い水準を維持しており、財務の健全性が高いことが分かります。今後の事業展開にも十分な財務基盤が整っていると評価できます。
ROAとROE
ROAは前期の8.9%から当期第1四半期では6.2%と低下しましたが、ROEは前期の6.9%から当期第1四半期では7.0%と微増しています。これは、利益率の高さと財務の健全性が高いことで自己資本利益率も高水準を維持できていることを示しています。事業の収益性と資本効率性が両立できる経営が行われていると評価できます。
キャッシュフロー
当第1四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは314,305千円の収入となっています。投資活動によるキャッシュ・フローでは新規事業への投資などで△239,744千円の支出となりました。財務活動では1,258,720千円の配当金支払いがあり、全体としては1,104,804千円の減少となっています。手元流動性は高いものの、新規事業への投資と配当を両立するなど、バランスの取れた資金運用が行われています。
配当の支払額
当第1四半期では1株当たり19円の期末配当を実施しました。この配当水準は前期と同額となっています。経営の健全性と今後の成長期待から、株主還元を着実に行う姿勢が窺えます。今後も安定的な配当が期待できるでしょう。
今後の展望
株式会社ファンコミュニケーションズは、「プロシューマー・ハピネス」というビジョンの実現に向けて、既存事業の再構築と新規事業の開拓に取り組んでいます。既存のCPAソリューション事業では、「A8.net」を中心に安定した収益基盤を維持しつつ、ADコミュニケーション事業では「nend」の事業撤退などによるリソースの再配分を進めています。一方で、お笑いラジオアプリ「GERA」やゲームパブリッシング事業など、新たな収益源の創出に注力しており、今後の業績拡大が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社ファンコミュニケーションズの2024年度第1四半期の決算は、売上が減少したものの利益率が高水準を維持しており、財務の健全性も保たれています。既存事業の選択と集中を進めつつ、新規事業への投資も行っており、中長期的な成長に向けた取り組みが着実に進んでいると評価できます。今後も収益力の向上と新たな価値創造に期待が高まります。
株式会社ファンコミュニケーションズの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ファンコミュニケーションズの決算期は12月で、第1四半期決算は2024年5月15日に発表されました。配当については、1株当たり19円の期末配当を実施しています。安定的な収益基盤と健全な財務体質を背景に、株主還元も着実に行われています。今後も安定的な成長と株主還元が期待できる企業といえるでしょう。