今回は、自動車関連事業のシステムソリューション企業、システム・ロケーション株式会社の2023年第3四半期決算報告について分析していきます。同社は自動車業界向けのシステム開発事業を中心に展開しており、直近の業績は順調に推移しているようです。
企業情報
企業名: システム・ロケーション株式会社
証券コード: 24800
決算期: 3月期
システム・ロケーション株式会社の決算日・決算時期(スケジュール）は？
同社の決算日は3月31日で、年3回の四半期決算を行っています。第1四半期決算は6月、第2四半期決算は9月、第3四半期決算は12月に公表されます。
主な事業
システム・ロケーション株式会社は、自動車ディーラー向けシステムの開発やアフターマーケット向けサービスの提供を中心に事業を展開しています。「CA Doctor」「シスろけっと」「車種データベース」「RVドクター」「中古車在庫管理システム」などの自動車関連のソリューションを提供しており、自動車流通・販売・管理に関する幅広いサービスを手掛けています。
今期の業績と利益率は？
2023年12月期第3四半期の連結業績は、売上高1,309,033千円（前年同期比3.3%増）、営業利益455,008千円（前年同期比9.2%増）、経常利益492,132千円（前年同期比8.3%増）、親会社株主に帰属する四半期純利益297,657千円（前年同期比6.5%増）と、増収増益を達成しています。
売上・利益の推移
同社の売上高は過去3年間、年間600億円前後で推移しており、直近期では年間10億円以上の増収を続けています。一方で利益面では、営業利益率が30%以上、経常利益率が35%以上と高い水準を維持しており、安定した収益性を誇っています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月期第3四半期の四半期連結貸借対照表をみると、資産、負債、純資産のすべての項目で前期末から増加しています。
資産の部
資産合計は4,216,747千円と前期末比231,750千円増加しました。流動資産は2,046,529千円、固定資産は2,170,218千円となっています。主な要因は、現金及び預金が147,199千円増加、投資有価証券が137,086千円増加したことなどです。
負債の部
負債合計は781,846千円と前期末比17,418千円減少しました。流動負債は205,468千円、固定負債は576,378千円となっています。主な要因は、未払法人税等が73,247千円減少した一方で、役員退職慰労引当金が22,049千円増加したことなどです。
純資産の部
純資産合計は3,434,900千円と前期末比249,169千円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益297,657千円の計上により利益剰余金が増加したものの、配当金の支払いにより134,072千円減少したことによるものです。
ROAとROE
同社のROA（総資産経常利益率）は11.7%、ROE（自己資本当期純利益率）は9.0%となっています。前年同期と比べて、ROAは0.6ポイント、ROEは0.1ポイントそれぞれ増加しており、資産効率と株主資本効率の両面で改善が見られます。これは、業績が好調に推移していることが要因と考えられます。
キャッシュフロー
同社のキャッシュ・フローは、営業活動によってキャッシュを創出し、投資活動や財務活動でそれを活用する健全な状況にあります。営業CF、投資CF、財務CFともに黒字基調を維持しており、事業運営と設備投資、株主還元のバランスが取れた資金の使途となっています。
配当の支払額
同社は、株主還元の一環として、1株当たり年間配当金38円を計画しています。前期の年間配当金50円から減少しましたが、高い配当性向を維持しつつ、内部留保の充実にも注力しています。
今後の展望
同社は、自動車関連システムの開発力を活かし、自動車流通分野におけるDX化支援に注力していく方針です。また、中古車・RV市場向けのソリューションの拡充にも取り組み、収益基盤の強化を図っていきます。今後も安定した業績を維持し、株主還元の充実を目指していくと考えられます。
編集部のまとめ
システム・ロケーション株式会社は、自動車関連システムの開発・提供を中心に事業を展開する企業です。直近の業績は順調に推移しており、売上高、各段階利益とも増収増益を達成しています。高収益体質を維持しつつ、DX支援や新サービス開発にも注力しており、今後の成長が期待される企業といえるでしょう。
システム・ロケーション株式会社の決算日や配当についてまとめました。
同社の決算日は3月31日で、年3回の四半期決算を行っています。また、株主還元の観点から、年間配当金は1株当たり38円を予定しており、高い配当性向を維持しています。今後も安定した業績と株主還元が期待されます。
