このたび、ブルドックソース株式会社の第99期第3四半期連結決算を発表しました。売上高は110億5千3百万円と前年同期比8.1%の増加となり、営業利益は3億2千万円と前年同期比1.9%の減少にとどまりました。主力の「家庭用ソース」が4.4%増と堅調に推移し、「業務用ソース」も14.6%増と好調でした。コロナ禍の影響から脱却しつつ、高価格の原材料や投資の影響を吸収できる経営体質を築けたようです。
企業情報
企業名: ブルドックソース株式会社
証券コード: 28040
決算期: 毎年3月31日
ブルドックソース株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ブルドックソース株式会社の決算期は3月31日で、年1回の本決算に加え、4月~12月の第3四半期までの四半期決算を公表しています。決算発表は株主総会の前後に行われ、株主総会は毎年6月に開催されています。
主な事業
ブルドックソース株式会社は、ソース類の製造・販売を主な事業としています。代表的な商品は「ウスターソース」「中濃ソース」「とんかつソース」などの家庭用ソースのほか、業務用ソース、ドレッシング、たれ等を幅広く展開しています。国内はもちろん、輸出にも力を入れており、海外展開にも注力しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が110億5千3百万円と前年同期比8.1%の増収となりました。一方、営業利益は3億2千万円と前年同期比1.9%の減益でした。利益率は2.9%となり、前年同期比0.7ポイントの減少となりました。原材料価格の高騰や設備投資による減価償却費の増加といった影響がありつつも、増収効果が吸収できる水準を維持しています。
売上・利益の推移
当社の直近の業績推移を見ると、売上高はほぼ毎期増加傾向にあり、前期は135億2千9百万円と過去最高を記録しました。一方、利益面では第3四半期の時点で5億3千4百万円となり、前年同期比49.2%の減益となりました。コロナ禍からの回復と原材料価格高騰のバランスを取れる経営が課題といえます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の財務状況は、総資産が329億8千4百万円と前期末比6.6%の減少、負債が121億2千4百万円と前期末比24.5%減少、純資産は208億5千9百万円と前期末比2.9%の増加となりました。総資産が減少しているのは、設備投資に伴う現金の減少が主因です。一方、負債が大幅に減少したことで、自己資本比率は63.2%と健全な水準を維持しています。
資産の部
資産の内訳をみると、現金及び預金が83億2千2百万円と前期末比32.7%減少しています。一方、固定資産は246億6千1百万円と前期末比4.2%増加しており、生産設備への設備投資が進んでいることがわかります。
負債の部
負債は大幅に減少しており、支払手形及び買掛金が16億3千2百万円、短期借入金が3億7千万円となっています。設備投資に伴う支払いが進んでいることから、未払金が大幅に減少しています。
純資産の部
純資産は208億5千9百万円と前期末比2.9%増加しました。その他有価証券評価差額金が29億8千6百万円と大幅に増加しており、株価上昇の影響を受けています。自己資本比率は63.2%と高水準を維持しています。
ROAとROE
当社の収益性を示す指標であるROA(総資産利益率)は前年同期の5.3%から2.0%に低下しています。一方、ROE(自己資本利益率)は前年同期の3.3%から0.2%と大幅に減少しています。これは、原材料価格高騰や設備投資による減価償却費の増加といった一時的な影響が大きかったためと考えられます。今後は収益力の改善に努める必要があります。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローをみると、営業活動によるキャッシュ・フローは7億7千3百万円のプラスとなっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは32億2千5百万円のマイナスとなっており、主に生産設備への設備投資によるものです。そのため、現金及び現金同等物は前期末比43億2千2百万円減少しています。今後の成長に向けた設備投資は必要不可欠ですが、cash flowの改善にも注力する必要があります。
配当の支払額
ブルドックソース株式会社は、株主還元の一環として安定配当を実施しています。当期の年間配当金は1株当たり35円を予定しており、前期と同水準を維持する見込みです。直近3年の配当性向は約50%前後で推移しており、株主への利益還元に努めています。
今後の展望
ブルドックソース株式会社は、第11次中期経営計画「B-Challenge2025」に沿って、主力商品の大幅リニューアルや生産体制の再構築に取り組んでいます。「ウスターソース」「中濃ソース」「とんかつソース」の新容器への切り替えは順調に進み、今後は新たなメニュー提案などで販売強化を図っていく方針です。また、88年間稼働してきた鳩ケ谷工場の生産を終了し、新設の「TATEBAYASHIクリエイションセンター」への移管が完了しました。生産性の向上と利益の改善が期待されます。
編集部のまとめ
ブルドックソース株式会社は、主力商品のリニューアルや生産体制の刷新に取り組み、売上高の増加と収益力の改善を目指しています。コロナ禍の影響からも脱却しつつあり、今後の成長に向けた布石を着実に打っているといえます。海外展開の強化や設備投資の効果発現に期待が高まります。株主還元も安定しており、投資家にとっても魅力的な企業だと言えるでしょう。
ブルドックソース株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ブルドックソース株式会社の決算期は3月31日で、年1回の本決算に加え、4月~12月の第3四半期までの四半期決算を公表しています。また、株主還元の一環として、年間配当金は1株当たり35円を予定しており、前期と同水準を維持する見込みです。直近3年の配当性向は約50%前後で推移しており、株主への利益還元に努めています。