一正蒲鉾株式会社の2023年度第2四半期決算が発表されました。売上高は前年同期比4.3%増の188億54百万円となり、営業利益は前年同期比197.2%増の9億24百万円と大幅な増益となりました。主力の水産練製品・惣菜事業が好調で、原材料の価格高騰も一服し、生産性の向上で収益性も高まってきています。また、きのこ事業も市況回復の兆しが見られます。今後はコロナ禍からの回復に加え、ユーザーニーズに合わせた新商品の開発や、生産体制の強化などに一層注力し、収益力のさらなる向上を目指していきます。
企業情報
企業名: 一正蒲鉾株式会社
証券コード: 29040
決算期: 2023年6月30日
一正蒲鉾株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
一正蒲鉾株式会社の決算日は6月30日で、第2四半期は2023年10月1日〜12月31日の期間です。毎年9月下旬に定時株主総会が開催され、その時に前期の決算が承認されます。
主な事業
一正蒲鉾株式会社は、主に水産練製品・惣菜事業とくわえて、きのこ事業も手がけています。水産練製品では、かまぼこやはんぺんなどの製造・販売を行っており、惣菜では、サラダスティックなどの商品開発にも力を入れています。また、きのこ事業では、まいたけなどの生産・販売を手がけています。さらに、運送事業と倉庫事業も展開しています。
今期の業績と利益率は?
今期第2四半期の業績は、売上高が188億54百万円と前年同期比4.3%増加しました。利益面でも、営業利益が9億24百万円と前年同期比197.2%増と大幅な増益となりました。これは水産練製品・惣菜事業が好調に推移したことに加え、生産効率の向上などによるコスト削減効果が表れてきたためです。また、経常利益は9億37百万円と前年同期比155.9%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億1百万円と前年同期比99.8%増となり、全体的に非常に良好な業績を残しました。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、2023年6月期では売上高が32,814百万円、経常利益が-146百万円の赤字でしたが、前述の通り、2023年度第2四半期では売上高が18,854百万円、経常利益が937百万円と大きく改善しています。2021年以降の中期経営計画の成果が表れ始めており、今後ますます収益力が高まっていくことが期待できます。
四半期連結貸借対照表について
一正蒲鉾株式会社の2023年12月末時点の四半期連結貸借対照表は以下の通りです。
資産の部
総資産は330億31百万円で、前期末比23億53百万円増加しました。流動資産は130億85百万円と25億63百万円増加しており、売上債権の季節的な増加などが要因です。固定資産は199億46百万円と2億10百万円減少しています。
負債の部
負債合計は189億7百万円で、前期末比17億91百万円増加しました。流動負債は109億87百万円と17百万円の増加、固定負債は79億19百万円と17億91百万円の増加となっています。借入金の返済や新規調達などによる変動が主な要因です。
純資産の部
純資産は141億24百万円と前期末比5億44百万円増加しています。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上と配当金の支払いによるものです。自己資本比率は42.8%となっており、財務体質は健全に推移しています。
ROAとROE
直近の2023年6月期のROA(総資産経常利益率)は-0.5%、ROE(自己資本当期純利益率)は0.6%でしたが、2023年度第2四半期では経常利益と純利益が大幅に改善したため、これらの指標も大きく改善することが期待できます。中期経営計画の成果が出始めており、今後の業績回復に伴い、収益性や資本効率も向上していくと考えられます。
キャッシュフロー
当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが8億84百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが14億36百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが10億97百万円のプラスとなりました。営業活動によるキャッシュ・フローの増加は、業績回復に伴う税金等調整前四半期純利益の増加などが主な要因です。一方、投資活動では設備投資等に資金を投下しています。全体として現金及び現金同等物の四半期末残高は19億18百万円となり、安定的な財務基盤が維持されています。
配当の支払額
一正蒲鉾株式会社は、年2回の配当を実施しています。2023年6月期の年間配当金は1株当たり24円でした。2023年度第2四半期では、1株当たり12円の中間配当が支払われています。業績の回復を反映し、今後も継続的な安定配当が期待できます。
今後の展望
一正蒲鉾株式会社は、「ICHIMASA30ビジョン」の実現を目指し、国内外のマーケットでの事業拡大に注力しています。主力の水産練製品・惣菜事業では、原材料価格の高止まりもあり、引き続き価格改定を進めていくほか、生産性向上策を継続して実施することで、収益力の強化を図ります。きのこ事業でも、効率的な生産体制の構築やコスト削減に取り組み、収益性の向上を目指します。また、SDGsへの貢献にも力を入れるなど、持続可能な経営にも注力しています。今後も中期経営計画の着実な実行により、事業の成長力と収益力を高めていくことが期待できます。
編集部のまとめ
一正蒲鉾株式会社は、主力の水産練製品・惣菜事業が好調に推移し、きのこ事業も回復基調にあることから、当第2四半期の業績は大幅な増益となりました。コスト削減効果も表れ始めており、収益力の向上が進んでいます。今後も国内外の市場開拓とコスト管理の強化により、持続的な成長を目指していくと期待できます。また、SDGsへの取り組みなども積極的に進めており、企業価値の向上にもつながるものと考えられます。
一正蒲鉾株式会社の決算日や配当についてまとめました。
一正蒲鉾株式会社の決算日は6月30日で、第2四半期は10月1日〜12月31日の期間です。また、年2回の配当を実施しており、2023年度第2四半期では1株当たり12円の中間配当が支払われています。今後も業績の回復に伴い、株主還元の強化が期待できます。