[片倉工業の決算報告書を読んでみると、同社は不動産や医薬品、機械関連事業などを手掛ける老舗企業であることがわかります。この四半期の業績は概して好調で、売上高は前年同期比1.3%減の105億60百万円、営業利益は6.1%減の9億87百万円、経常利益は1.6%減の12億39百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は3.6%減の9億54百万円となっています。今期の見通しにも明るい兆しが感じられます。]
企業情報
企業名: 片倉工業株式会社
証券コード: E00524
決算期: 12月
片倉工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
片倉工業の決算日は12月31日です。決算期は12月期で、毎年3月下旬に決算発表を行い、この四半期報告書は2024年5月14日に提出されています。
主な事業
片倉工業は不動産事業、医薬品事業、機械関連事業、繊維事業の4つの事業セグメントを展開しています。不動産事業では、さいたま新都心に位置する大型商業施設「コクーンシティ」の運営が中核となります。医薬品事業では、主に医療用医薬品の製造・販売を手掛けています。機械関連事業では、消防自動車などの生産・販売を行っています。繊維事業では機能性繊維や実用衣料の製造・販売を行っています。
今期の業績と利益率は?
この四半期の業績は全体として堅調で、売上高は105億60百万円、営業利益は9億87百万円、経常利益は12億39百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は9億54百万円となり、前年同期比でいずれも微減ながら高水準を維持しました。その背景には不動産事業の健闘や機能性繊維の需要回復などがあります。利益率については営業利益率が9.3%、経常利益率が11.7%と比較的良好な状況です。
売上・利益の推移
片倉工業の直近の売上高と利益の推移をみると、2023年1-3月期の売上高は107億円、2024年1-3月期は105億60百万円と若干の減収となりました。一方、利益面では2023年1-3月期の経常利益が12億59百万円、2024年1-3月期は12億39百万円と好調を維持しています。今後も不動産事業の安定収益や医薬品事業の新製品寄与などにより、売上と利益の持続的な成長が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
片倉工業の2024年3月末の四半期連結貸借対照表をみると、総資産は1,414億40百万円と前期末比1.3%増加しました。この増加の主因は投資有資証券が23億96百万円増加したことです。一方、負債は502億40百万円と前期末比0.01%減少しました。純資産は912億円と2.1%増加しており、自己資本比率は54.3%となっています。健全な財務体質が維持されています。
資産の部
資産の部では、流動資産が565億91百万円、固定資産が848億49百万円となっています。流動資産は前期末比1.0%減少しましたが、固定資産は2.9%増加しました。固定資産増加の主因は投資有価証券の増加です。
負債の部
負債の部では、流動負債が177億51百万円、固定負債が324億89百万円となっています。流動負債は前期末比0.1%増加し、固定負債は0.1%減少しました。主な変動は短期借入金の増加と長期借入金の減少です。
純資産の部
純資産の部では、912億円と前期末比2.1%増加しました。その他有価証券評価差額金が16億87百万円増加したことが主な要因です。自己資本比率は54.3%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
片倉工業のROA(総資産利益率)は前年同期から若干低下しているものの、6.9%と高水準を維持しています。一方、ROE(自己資本利益率)は10.8%と前年同期並みを確保しました。これは純利益が高水準を維持しつつ、自己資本の増加もあったためです。同社は収益性の高い事業ポートフォリオを構築しており、資産効率と株主資本効率の両面で良好な実績を上げています。
キャッシュフロー
直近の四半期では、営業活動によるキャッシュ・フローは12億円強のプラスとなり、投資活動によるキャッシュ・フローは5億円強のマイナスで、財務活動によるキャッシュ・フローは7億円強のマイナスとなりました。全体としては9億39百万円の減少となっており、手元流動性は若干低下しています。今後も安定した営業キャッシュ・フローの創出が重要になってきます。
配当の支払額
片倉工業の2024年3月期の期末配当は1株当たり20円となり、前期比25%増配となりました。また、2023年3月期の年間配当も1株あたり36円と安定した配当水準を維持しています。同社は株主還元を重視しており、今後も堅実な配当政策が期待されます。
今後の展望
片倉工業は中期的に、不動産事業での賃料収入の増加や、医薬品事業での新製品上市、機械関連事業での高付加価値製品の販売拡大、そして繊維事業での海外展開強化などに取り組み、さらなる収益力の向上を目指しています。また、財務体質の強化や株主還元の充実にも注力しています。今後の業績拡大と企業価値向上が期待される銘柄だと評価できるでしょう。
編集部のまとめ
片倉工業は老舗企業ながら、不動産事業や医薬品事業、機械関連事業など、多角化した事業ポートフォリオを持つ強みを活かし、持続的な成長を遂げています。この四半期の業績は、不動産事業の健闘や新製品寄与などで概して良好で、収益性の高さが窺えます。財務体質も健全で、株主還元にも積極的な姿勢が見られます。今後も新事業展開や海外展開などで、企業価値の向上が期待できるでしょう。
片倉工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
片倉工業の決算日は12月31日で、毎年3月に決算発表を行っています。また、同社は1株当たり年間配当36円を実施しており、株主還元を重視した経営を行っています。今後も安定的な業績と配当の継続が期待されます。