この度ヒューリック株式会社の2024年3月期第1四半期決算が発表されました。同社は不動産や保険、ホテル・旅館事業を中心に事業を展開しており、今期も安定した収益を確保できています。営業収益107,593百万円、営業利益23,728百万円と前年同期に比べ減収減益となりましたが、これは主に販売用不動産の売上が第2四半期以降に計画されていることが影響しています。今後も確実な収益基盤を持ち、安定した経営を行っていく見通しです。
企業情報
企業名: ヒューリック株式会社
証券コード: E00523
決算期: 12月期
ヒューリック株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ヒューリック株式会社は12月期決算を行っており、第1四半期(1~3月)、第2四半期(4~6月)、第3四半期(7~9月)、本決算(10~12月)の年4回決算を公表しています。今回発表されたのは2024年1月~3月期の第1四半期決算となります。
主な事業
ヒューリック株式会社は、不動産事業、保険事業、ホテル・旅館事業の3つの柱を中心に事業を展開しています。不動産事業は同社の中核で、東京23区を中心に約250件、賃貸可能面積131万㎡の賃貸物件を保有しています。また、保険事業では法人から個人まで幅広い保険商品を販売し、ホテル・旅館事業では「THE GATE HOTEL」や「ふふ」シリーズなどの運営をおこなっています。
今期の業績と利益率は?
2024年3月期第1四半期の業績は営業収益107,593百万円、営業利益23,728百万円、経常利益21,241百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益15,858百万円となりました。営業利益率は22.1%と、引き続き高い水準を維持しています。販売用不動産の売上が第2四半期以降に計画されていることから、第1四半期は減収減益となりましたが、安定した収益基盤を有しているため、通期での業績は堅調に推移すると見込まれます。
売上・利益の推移
ヒューリック株式会社の売上高は過去5年で堅調に推移しており、2019年の446,383百万円から2023年には769,300百万円まで増加しています。また、同期間の経常利益も94,625百万円から137,437百万円と大幅に増加しています。長期的に見ても安定した収益力を示しており、今後も順調に推移すると期待されます。
四半期連結貸借対照表について
ヒューリック株式会社の四半期連結貸借対照表は資産2,666,929百万円、負債1,890,207百万円、純資産776,721百万円となっています。資産は前期末比で186,456百万円増加しており、主な要因は物件取得や開発・建替えによる有形固定資産の増加です。一方、負債は179,035百万円増加しており、これは設備投資に伴う資金調達によるものです。財務の健全性は高く、自己資本比率は29.1%と安定した水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が46,212百万円増加したほか、土地が123,139百万円増加しています。これは不動産取得や開発・建替えに伴う投資によるものです。一方で、販売用不動産が31,663百万円減少しており、物件の売却が進んでいることがわかります。
負債の部
負債の部では、借入金が169,360百万円増加しています。設備投資などに必要な資金を金融機関から調達したことが主な要因です。ノンリコースローンも31,144百万円含まれています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が4,841百万円減少しており、これは配当金の支払いが影響しています。一方で、その他の包括利益累計額が10,926百万円増加しており、保有資産の時価評価に伴う含み益の増加が寄与しています。
ROAとROE
ヒューリック株式会社のROA(総資産経常利益率)は5.9%、ROE(自己資本当期純利益率)は8.0%となっています。ROAは不動産業界では高い水準を維持しており、ROEも安定的に8%前後で推移しています。これは、高収益の不動産事業を中心に堅実な経営を続けているためです。今後も収益力の高さを活かし、企業価値の向上を図っていくことが期待されます。
キャッシュフロー
ヒューリック株式会社のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローが安定的に黒字を確保しています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなっており、不動産の取得や開発、建替えなどに投資資金を充てていることがわかります。財務活動においても、資金調達を行っているため、キャッシュ・フローはプラスを維持しています。この結果、現金及び預金残高は前期末比46,212百万円増加しました。
配当の支払額
ヒューリック株式会社は2024年3月期第1四半期に27円/株の配当を実施しました。前年同期の22円/株から増配となっており、安定的な配当政策を継続しています。業績が順調に推移し、当期純利益も15,858百万円と高水準を維持しているため、今後も株主還元を重視した配当政策が期待できます。
今後の展望
ヒューリック株式会社は、不動産事業を中核とした安定収益基盤を有しており、保険事業やホテル・旅館事業でも収益を上げています。第1四半期は販売用不動産の売上が下期に集中したことで減収減益となりましたが、通期では増収増益を見込んでいます。今後も、物件取得や開発・建替えによる高品質な賃貸ポートフォリオの構築に取り組み、安定的な成長を目指していきます。
編集部のまとめ
ヒューリック株式会社の2024年3月期第1四半期決算は、売上高が107,593百万円、営業利益が23,728百万円と、前年同期比で減少したものの、依然として高水準の収益を確保しています。不動産事業を中心とした安定した収益基盤を持ち、保険事業やホテル・旅館事業でも業績を伸ばしています。次期以降も物件取得や開発・建替えなどを進め、収益力の向上に取り組んでいく方針です。株主還元においても、27円/株の配当を実施するなど、安定的な経営を行っていることがわかりました。
ヒューリック株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ヒューリック株式会社は12月決算を行っており、第1四半期(1~3月)、第2四半期(4~6月)、第3四半期(7~9月)、本決算(10~12月)の年4回決算を公表しています。2024年3月期第1四半期の決算では、27円/株の配当を実施しており、安定的な株主還元を行っていることが分かりました。今後も着実な業績拡大と株主還元に期待が集まっています。