上場企業の決算報告を分析する機会はなかなかありませんが、株式会社セキュアヴェイルの最新の四半期決算報告には注目すべき点がたくさん見つかりました。情報セキュリティという重要な分野で事業を展開する同社の業績や財務状況は、テクノロジー業界全体の動向を知る上でも非常に参考になる内容です。
企業情報
企業名: 株式会社セキュアヴェイル
証券コード: 30420
決算期: 2023年3月31日
株式会社セキュアヴェイルの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社セキュアヴェイルは、3月31日を決算日としています。四半期報告書の提出時期は、第1四半期が8月中旬、第2四半期が11月中旬、第3四半期が2月中旬、そして本決算は6月中旬となっています。
主な事業
株式会社セキュアヴェイルは、情報セキュリティ事業を主力としています。具体的には、セキュリティ製品やサービスの提供、セキュリティコンサルティング、セキュリティ人材の派遣などを手がけています。近年はさまざまなサイバー攻撃の脅威が高まる中、企業のセキュリティニーズは高まっており、この分野での同社の強みが光っています。
今期の業績と利益率は?
今期第3四半期(2023年12月期)の売上高は816,543千円となり、前年同期比で7.4%増と好調な伸びを示しました。一方、営業損失は39,348千円と前年同期から改善されています。利益率については、まだ赤字ですが、徐々に収益性が高まっていく傾向にあるようです。
売上・利益の推移
直近3年間のデータを見ると、売上高は1,029,209千円(2023年3月期)、760,172千円(2022年3月期)、816,543千円(2023年12月期第3四半期)と、おおむね増加傾向にあります。一方、利益面では、経常損失が30,769千円(2023年3月期)、56,006千円(2022年3月期)、43,818千円(2023年12月期第3四半期)と、赤字幅は徐々に縮小されています。
四半期連結貸借対照表について
同社の財務状況を示す四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計が1,542,788千円、負債合計が365,746千円、純資産合計が1,177,042千円となっています。資産の大部分を占める流動資産は1,447,038千円と非常に健全な水準にあり、安定した財務基盤を有しているといえます。
資産の部
同社の資産は、現金及び預金が1,163,182千円と大きな割合を占めているほか、売掛金が159,057千円、投資有価証券が54,488千円などとなっています。これらの内訳から、同社は手元流動性が高く、売掛金回収も順調に進んでいることがうかがえます。
負債の部
負債合計の365,746千円の内訳をみると、買掛金が44,873千円、未払法人税等が121,619千円などとなっています。これらの債務は、経営陣が適切にコントロールできる範囲内にあると判断されます。
純資産の部
純資産合計は1,177,042千円で、資本金が627,580千円、資本剰余金が323,782千円、利益剰余金が223,831千円などから構成されています。自己資本比率は76.2%と高水準を維持しており、財務の健全性が高いと評価できます。
ROAとROE
同社のROA(総資産経常利益率)は、2023年3月期が-2.3%、2022年3月期が-4.3%、2023年12月期第3四半期が-2.8%となっています。一方、ROE(自己資本当期純利益率)は、2023年3月期が-4.8%、2022年3月期が-5.7%、2023年12月期第3四半期が22.2%と推移しています。赤字が続いていますが、最近の四半期では収益性が改善傾向にあるといえます。
キャッシュフロー
同社のキャッシュ・フローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは第3四半期で146,979千円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローは288,038千円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローは41,888千円の支出となっています。全体として393,694千円の現金及び預金の増加となっており、良好な資金繰りが確認できます。
配当の支払額
株式会社セキュアヴェイルは、現在のところ配当を行っていません。利益面で課題があるものの、今後の成長に向けて内部留保の活用に注力しているものと考えられます。業績の改善と共に、株主への利益還元策についても検討されることが期待されます。
今後の展望
同社は、引き続き情報セキュリティ事業を中心に事業展開を行っていく方針です。サイバー攻撃への対策需要が高まる中、同社の豊富な実績とノウハウを活かした高度なサービス提供が期待されます。また、医療業界向けの新規サービスの開発にも注力しており、新たな収益源の確保にも取り組んでいます。来期以降の業績改善が期待できるでしょう。
編集部のまとめ
株式会社セキュアヴェイルの最新決算は、情報セキュリティ分野における同社の存在感の高さを示すものとなっています。売上高は増加基調にあり、赤字幅も徐々に縮小されてきています。財務体質も健全で、今後の成長に向けた基盤が整っているといえるでしょう。今後の更なる業績拡大と、株主への利益還元にも期待が高まります。
株式会社セキュアヴェイルの決算日や配当についてまとめました。
株式会社セキュアヴェイルは3月31日を決算日としており、四半期報告書は第1四半期が8月中旬、第2四半期が11月中旬、第3四半期が2月中旬、本決算は6月中旬に提出されています。一方、配当については現在のところ実施されていませんが、今後の業績改善と共に、株主への利益還元策の検討が期待されます。