富士紡ホールディングス株式会社の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。同社は主にデバイス用の研磨材や化学工業品の製造・販売を手がける企業です。今期の業績は、期初から続く半導体市況の低迷や電子材料の需要減少により厳しい環境が続いており、売上高は前年同期比7.9%減、経常利益は47.1%減となりました。一方で生活衣料部門は新型コロナの影響からの回復が見られ、今後の事業再構築への期待も高まっています。
企業情報
企業名: 富士紡ホールディングス株式会社
証券コード: 31040
決算期: 3月期
富士紡ホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
富士紡ホールディングス株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期決算は12月31日が基準日となります。
主な事業
富士紡ホールディングス株式会社は、主に研磨材事業と化学工業品事業を展開しています。研磨材事業では半導体や液晶パネル、ハードディスクなどの精密加工に使用される研磨材を製造・販売し、化学工業品事業では機能性材料、医薬中間体、農薬中間体などの受託製造を手がけています。また、生活衣料事業では繊維製品の企画・販売も行っています。
今期の業績と利益率は?
今期の売上高は26,707百万円と前年同期比7.9%減、経常利益は2,403百万円と47.1%減と厳しい結果となりました。半導体市況の低迷と電子材料の需要減により、主力の研磨材事業と化学工業品事業が低調に推移したためです。一方で生活衣料事業は新型コロナの影響が和らぎ、増収増益となりました。
売上・利益の推移
最近3年間の業績を見ると、2022年3月期の売上高は37,669百万円、経常利益は5,041百万円と好調でしたが、その後は売上高が減少して2024年3月期第3四半期では売上高26,707百万円、経常利益2,403百万円と大幅な減益となっています。半導体やデジタル関連の需要が減退した影響が大きいことがわかります。
四半期連結貸借対照表について
資産の部
2023年12月末の総資産は61,051百万円と前期末に比べ317百万円減少しています。流動資産は22,435百万円と前期末から567百万円減少しましたが、固定資産は38,615百万円と250百万円増加しています。
負債の部
負債合計は17,652百万円と前期末比795百万円減少しています。流動負債が10,829百万円と1,040百万円減少したことが主な要因です。
純資産の部
純資産合計は43,399百万円と前期末比478百万円増加しました。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより利益剰余金が増加したことが主な要因です。
ROAとROE
ROAは前期の8.2%から当期第3四半期では3.9%に低下しています。一方でROEは前期の7.9%から当期第3四半期の5.1%に低下しています。これは主力事業の収益性が低下したことが影響しています。今後の事業再構築が課題となっています。
キャッシュフロー
第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが2,900百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが2,856百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが1,595百万円の支出となっています。設備投資に伴う支出が大きかった一方で、営業活動から一定のキャッシュを生み出すことができています。
配当の支払額
2023年6月期の期末配当は1株当たり55円、2023年12月期の中間配当は1株当たり55円と、前期と同額の配当を実施しています。安定的な配当政策を継続しています。
今後の展望
現在の半導体市況の低迷は当面続くものとみられ、研磨材事業と化学工業品事業の収益回復には時間を要する見通しです。一方で生活衣料事業は新型コロナの影響が和らぎ、ネット販売の強化により今後の改善が期待されます。同社は中期的な事業再構築を進め、収益力の向上を目指していく方針です。
編集部のまとめ
富士紡ホールディングス株式会社の2023年12月期第3四半期決算は、主力事業の収益低迷により大幅な減益となりました。ただし生活衣料事業は回復基調にあり、今後の事業再構築に期待が持てます。財務基盤も健全で、安定的な配当も継続しています。今後の業績改善と中長期的な企業価値向上に注目していきたいと思います。
富士紡ホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
富士紡ホールディングス株式会社の決算日は3月31日、第3四半期決算は12月31日が基準日となっています。配当については、年間で110円の配当を行っており、安定的な還元を続けています。同社は研磨材や化学工業品などの事業を中心に展開しており、今後の事業再構築に注目が集まっています。