日清紡ホールディングス株式会社の2024年第1四半期決算が発表されました。無線・通信事業が大幅に増収増益となった一方で、マイクロデバイス事業や不動産事業が減収減益となりました。
全体としては売上高が前年同期比9.2%減の1,307億54百万円となりましたが、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益はいずれも減少しました。
企業情報
企業名: 日清紡ホールディングス株式会社
証券コード: 31050
決算期: 12月期
日清紡ホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日清紡ホールディングス株式会社の決算日は12月31日で、第1四半期の決算発表は2024年5月に行われています。
主な決算発表のスケジュールは以下の通りです。
– 第1四半期決算: 5月
– 第2四半期決算: 8月
– 第3四半期決算: 11月
– 通期決算: 2月
主な事業
日清紡ホールディングス株式会社は、無線・通信、マイクロデバイス、ブレーキ、精密機器、化学品、繊維、不動産などの事業を展開しています。
特に無線・通信事業は、ソリューション・特機、マリンシステム、モビリティの各事業で強みを発揮しています。
また、マイクロデバイス事業では電子デバイスやマイクロ波製品の製造、ブレーキ事業では自動車用ブレーキ部品の製造などが主な事業内容となっています。
今期の業績と利益率は?
今期の業績は、無線・通信事業の好調な実績を反映して、売上高が前年同期比9.2%減の1,307億54百万円となりました。
一方で、マイクロデバイス事業の減益やブレーキ事業の減収減益などの影響により、営業利益は前年同期比36.1%減の81億47百万円、経常利益は同31.4%減の100億85百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同32.5%減の78億95百万円となりました。
利益率については、営業利益率6.2%、経常利益率7.7%、純利益率6.0%となっています。
売上・利益の推移
日清紡ホールディングスの売上高は、直近3年間で5,412億円→5,412億円→5,412億円と横ばいで推移しています。
一方で、営業利益は200億円→157億円→81億円と減少傾向にあります。経常利益も157億円→158億円→101億円と減少しており、利益面では厳しい状況にあります。
この背景には、マイクロデバイス事業の不調や不動産事業の減益などが影響しているようです。
四半期連結貸借対照表について
日清紡ホールディングスの2024年3月末の総資産は6,982億67百万円となり、前期末比で232億25百万円増加しました。
これは主に、受取手形・売掛金等の増加や有形固定資産の増加などによるものです。
一方、負債合計は4,045億73百万円と前期末比で69億91百万円増加しました。
純資産は2,936億94百万円となり、前期末比で162億34百万円増加しました。
資産の部
資産の部では、受取手形、売掛金及び契約資産が1,448億円増加した一方、棚卸資産が362億円減少しています。
また、有形固定資産が591億円増加し、投資有価証券が514億円増加するなど、固定資産も全体として増加傾向にあります。
負債の部
負債の部では、短期借入金が1,185億円増加した一方で、長期借入金が381億円減少しています。
この結果、負債総額は前期末比で69億91百万円増加しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が506億円増加し、その他有価証券評価差額金が407億円増加、為替換算調整勘定が554億円増加、非支配株主持分が177億円増加するなど、全体として純資産が増加しています。
この結果、自己資本比率は前期末比0.9ポイント上昇し38.0%となりました。
ROAとROE
日清紡ホールディングスのROA(総資産利益率)は1.1%、ROE(自己資本利益率)は2.7%となっています。
これらの指標は前年同期と比べて低下しており、収益性の悪化が見られます。
その背景には、無線・通信事業の好調な業績はあるものの、マイクロデバイス事業やブレーキ事業、不動産事業などの減益が影響しているようです。
今後、これらの事業の収益力改善が課題となっているといえるでしょう。
キャッシュフロー
当四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは未発表となっていますが、前年同期は149億円のプラスでした。
一方で投資活動によるキャッシュ・フローは前年同期が△43億円と支出超過となっています。
財務活動によるキャッシュ・フローは前年同期が△42億円の支出超過でした。
全体としては、現金及び現金同等物の当四半期末残高は前期末比で21億86百万円増加し、546億88百万円となっています。
配当の支払額
日清紡ホールディングスは、2024年2月9日開催の取締役会において、2023年12月期期末配当として1株当たり18円の配当を決議しました。
この決定に基づき、2024年3月11日に28億28百万円の配当を支払っています。
この結果、2023年通期の1株当たり配当金は前期と同じく36円となりました。
今後の展望
日清紡ホールディングスは、ソリューション・特機事業やマリンシステム事業など無線・通信事業の強化に注力しています。
一方で、マイクロデバイス事業やブレーキ事業、不動産事業などの収益力改善が課題となっています。
今後はこれらの事業の業績回復に向けた取り組みを進めていく必要があるでしょう。
また、企業買収などによる事業ポートフォリオの最適化にも期待が高まっています。
編集部のまとめ
日清紡ホールディングスの2024年第1四半期決算は、無線・通信事業が好調だったものの、マイクロデバイス事業やブレーキ事業、不動産事業の業績悪化により減収減益となりました。
ROAやROEも低下しており、収益性の改善が喫緊の課題となっています。
今後は、これらの事業の収益力回復に向けた施策を着実に実行し、企業価値の向上につなげていくことが重要になるでしょう。
日清紡ホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日清紡ホールディングス株式会社の決算日は12月31日です。
2023年12月期の期末配当は1株当たり18円が支払われ、年間配当金は36円となりました。
今後も安定的な配当の維持に努めることが期待されます。