上場企業の決算報告書は、企業の業績や財務状況を詳しく把握できる貴重な情報源です。今回ご紹介するのは、カメラ・時計・筆記具などの販売を手掛けるシュッピン株式会社(証券コード: 31790)の最新の四半期決算報告書です。同社は、オンラインでの販売に強みを持ち、売上高が前年同期比6.0%増加するなど好調に推移しています。また、営業利益も前年同期比15.0%増と大幅な増益を果たすなど、着実な業績を上げています。今後の更なる成長に注目が集まります。
企業情報
企業名: シュッピン株式会社
証券コード: 31790
決算期: 2023年3月期
シュッピン株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
シュッピン株式会社の決算日は3月31日で、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日、3月31日に行われています。また、有価証券報告書は6月下旬に、四半期報告書は2月上旬、5月上旬、8月上旬、11月上旬に提出されます。
主な事業
シュッピン株式会社は、インターネットを通じてカメラ、時計、筆記具、自転車などの商品を販売する総合EC事業者です。カメラ事業が売上の75%超を占める主力事業で、中古品の買取・販売にも力を入れています。また、時計事業や筆記具事業、自転車事業など、多岐にわたる商品群を取り扱っており、幅広い顧客層に対応しています。同社はこれらの事業を通じて、「お客様に『価値ある新品と中古品』を安心、安全に取引できるマーケットを創造すること」を目指しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計期間の業績は売上高が36,473,142千円と前年同期比で6.0%増加しました。利益面では営業利益が2,574,619千円と前年同期比で15.0%増加しました。売上総利益率は18.7%と前年同期から1.2ポイント改善されています。主力のカメラ事業が好調に推移したことや、時計事業の回復などが業績拡大につながりました。
売上・利益の推移
直近3年間の売上高は45,618,523千円(2022年3月期)、34,417,145千円(2022年12月期)、36,473,142千円(2023年12月期)と推移しています。一方、経常利益は2,439,450千円(2022年3月期)、2,238,798千円(2022年12月期)、2,573,995千円(2023年12月期)と増加基調にあります。コロナ禍の影響を受けた2022年12月期の業績が低下したものの、2023年12月期には売上高、経常利益ともに過去最高を更新しています。
四半期連結貸借対照表について
シュッピン株式会社は四半期連結財務諸表を作成していないため、四半期貸借対照表について説明します。
資産の部
2023年12月末時点の総資産は16,751,839千円と前事業年度末比で1,685,481千円増加しています。これは主に商品が1,408,691千円増加したことによるものです。一方、無形固定資産のうちソフトウエアが70,042千円減少しています。
負債の部
負債合計は9,053,705千円と前事業年度末比で466,835千円増加しました。その主な要因は、短期借入金が1,200,000千円増加した一方で、長期借入金が933,672千円減少したことによるものです。
純資産の部
純資産合計は7,698,134千円と前事業年度末比で1,218,645千円増加しています。これは主に利益剰余金が911,980千円増加したことと、自己株式が293,890千円減少したことによるものです。
ROAとROE
シュッピン株式会社のROA(総資産経常利益率)は前事業年度12.1%、当第3四半期累計期間15.4%と改善傾向にあります。これは主に経常利益が増加したことによるものです。一方、ROE(自己資本利益率)は前事業年度26.2%、当第3四半期累計期間23.4%と低下しています。これは自己資本が増加したものの、利益の伸びがそれを上回ったためです。同社は今後さらなる経営効率の向上を図り、収益力を高めていく必要があるでしょう。
キャッシュフロー
四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていませんが、営業活動によるキャッシュ・フローは1,408,691千円の増加(前年同期は786,646千円の増加)と好調に推移しています。これは主に、税引前四半期純利益の増加や、たな卸資産の増加などによるものです。一方、投資活動によるキャッシュ・フローや財務活動によるキャッシュ・フローの詳細は開示されていません。
配当の支払額
シュッピン株式会社は、2023年6月22日開催の定時株主総会において、1株当たり30円の期末配当を決議しました。前期の配当金が1株当たり28円であったことから、2円の増配となっています。安定した配当政策を維持しつつ、着実な業績拡大を目指していきます。
今後の展望
シュッピン株式会社は、「4つのシンカ」(ムリ・ムダ・モレ・ムラのない「スリムな経営」)と「バリューチェーン・シナリオプランニング」を掲げ、中長期的な企業価値向上を目指しています。特にAIの活用によるスリムな経営に注力しており、今後もこの取り組みを強化していく方針です。また、動画コンテンツの充実や、越境EC事業の拡大などにも力を入れ、更なる成長を目指していきます。
編集部のまとめ
シュッピン株式会社は、カメラ・時計・筆記具・自転車などの販売を手掛ける総合ECプラットフォーマーです。当期の業績は好調で、売上高、営業利益ともに過去最高を記録しました。今後も動画コンテンツの強化や、AIを活用したスリムな経営などに取り組み、持続的な成長を目指していくことが期待されます。先行きの不透明感はありますが、同社の強みを生かした戦略が功を奏するのではないでしょうか。
シュッピン株式会社の決算日や配当についてまとめました。
シュッピン株式会社の決算日は3月31日で、四半期決算を6月30日、9月30日、12月31日、3月31日に行っています。また、2023年6月22日開催の定時株主総会において、1株当たり30円の期末配当を決議しました。前期から2円の増配となっており、同社は株主還元にも積極的に取り組んでいることがわかります。