株式会社ANAPの2023年2月期第2四半期決算報告書は、売上高が前年同期比で減少したものの、様々な経営改善策の取り組みを積極的に進めており、今後の事業再建に期待が持てる内容となっています。
企業情報
企業名: 株式会社ANAP
証券コード: E30020
決算期: 8月期
株式会社ANAPの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ANAPの決算期は8月期で、第2四半期は2023年12月1日から2024年2月29日までの3ヶ月間となっています。
主な事業
株式会社ANAPはカジュアルファッション業界で店舗販売事業やインターネット販売事業、卸売販売事業、ライセンス事業、メタバース関連事業などを行っている企業です。主力ブランドとしては「ANAP」や「ANAP GiRL」「ANAP MEN」などがあり、幅広い年齢層のお客様に人気の商品を提供しています。
今期の業績と利益率は?
当第2四半期の業績は、売上高1,648百万円、営業損失489百万円、経常損失527百万円、四半期純損失553百万円と厳しい結果となりました。その背景には、長引く暖冬の影響による秋冬物の販売不振や、原材料高騰などによる粗利益の減少などが影響しています。
売上・利益の推移
2022年9月期以降、4期連続の営業損失、経常損失、当期純損失を計上しており、収益力の低下が続いている状況です。また、2019年8月期以降5期連続で営業キャッシュフローがマイナスとなるなど、財務面でも課題を抱えています。
四半期連結貸借対照表について
当第2四半期会計期間末において、純資産が△1,442,397千円の債務超過となっている深刻な状況です。流動資産は813百万円、固定資産は414百万円となっています。一方、流動負債は2,001百万円、固定負債は669百万円となっています。
資産の部
現金及び預金が減少したほか、売掛金や商品在庫なども減少しており、全体として資産残高が前期末から約440百万円減少しています。
負債の部
短期借入金が250百万円増加し、一方で買掛金や未払法人税等が減少しています。固定負債は長期借入金などが減少したものの、全体として負債残高は前期末から約209百万円増加しています。
純資産の部
純資産は前期末から約557百万円減少し、△1,442,397千円の債務超過となりました。これは主に四半期純損失を553百万円計上したことによるものです。
ROAとROE
当期の収益性指標は非常に低迷しており、ROAは△42.7%、ROEも△117.5%と大幅なマイナスとなっています。長年の累積損失により資本が eroded している状況で、収益力の改善が喫緊の課題となっています。
キャッシュフロー
当第2四半期累計期間のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローがマイナス404百万円、投資活動によるキャッシュフローがマイナス13百万円、財務活動によるキャッシュフローが208百万円と、引き続き資金繰りが厳しい状況が続いています。
配当の支払額
当期は配当の実施はありませんでした。株主還元は行っていない状況にあります。
今後の展望
当社は、債務超過の状況を解消するため、事業再生ADR手続の活用を進めており、スポンサー候補企業の選定や事業再生計画の策定に取り組んでいます。また、不採算店舗の閉鎖や物流体制の見直しなど、抜本的なコスト削減にも着手しており、早期の収益力改善と財務基盤の強化に向けて積極的に取り組んでいきます。
編集部のまとめ
株式会社ANAPは、長年の業績不振と債務超過という極めて厳しい状況に置かれています。しかし、事業再生ADR手続の活用や抜本的な構造改革に着手しており、今後の事業再建に向けての取り組みが期待されます。同社の経営改善の成果を注目していく必要があります。
株式会社ANAPの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ANAPの決算期は8月期で、第2四半期は2023年12月1日から2024年2月29日までの3ヶ月間となっています。また、当期は配当の実施はありませんでした。今後の事業再建に向けた取り組みの成果に期待が寄せられています。