この度、株式会社イントランスの第26期第3四半期決算報告書が公開されましたので、その内容をご紹介いたします。
イントランス社は2023年4月1日から12月31日までの第3四半期決算を発表しましたが、全体として好調な業績を収めることができました。
企業情報
企業名: 株式会社イントランス
証券コード: 32370
決算期: 3月期
株式会社イントランスの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社イントランスは3月31日が決算日で、年に4回四半期決算を行っています。
今回公表されたのは第26期第3四半期(2023年10月1日~12月31日)の決算報告書です。
主な事業
株式会社イントランスは、不動産事業、ホテル運営事業、およびその他事業を展開しています。
不動産事業では、主にプロパティマネジメントに注力しており、第2四半期には販売用不動産の売却で大きな収益を計上しました。
ホテル運営事業では、自社ブランドホテルやグローバルホテルブランドのホテル運営に取り組んでいますが、訪日中国人観光客の回復が遅れていることから、収益面では苦戦しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が937,551千円と前年同期比94.1%の大幅な増加となりました。
一方で、営業損失は87,086千円と赤字だったものの、前年同期の319,553千円の営業損失から大幅に改善しています。
また、経常損失が91,026千円、親会社株主に帰属する四半期純損失が54,406千円と、いずれも損失幅が縮小しています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移をみると、2022年3月期は売上高4.83億円、経常損失3.17億円、2023年3月期は売上高1.18億円、経常損失4.93億円と厳しい状況が続いていました。
しかし、当第3四半期の業績では、売上高が大幅に伸びるとともに、各利益指標も大幅に改善しており、業績回復の兆しが見られます。
四半期連結貸借対照表について
四半期連結貸借対照表をみると、資産合計は1,158,684千円となっています。前期末比で22,328千円減少しましたが、これは主に有形固定資産が減少したことによるものです。
一方、負債合計は515,716千円と前期末比27,410千円増加しており、新規の転換社債の発行などが主な要因となっています。
資産の部
資産の部では、流動資産が1,027,479千円と前期末比16,987千円増加しました。
現金及び預金が226,621千円増加したことが大きな要因です。
一方、固定資産は118,926千円と前期末比49,155千円減少しており、これは有形固定資産の減少が主な要因となっています。
負債の部
負債の部では、流動負債が195,659千円と前期末比16,532千円増加しました。
未払金の増加が主な理由です。
また、固定負債は320,057千円と前期末比10,878千円増加しており、これは転換社債の発行が要因となっています。
純資産の部
純資産の部では、642,967千円となっており、前期末比49,738千円減少しています。
親会社株主に帰属する四半期純損失の計上などが主な原因となっています。
ROAとROE
当第3四半期のROAは▲4.7%、ROEは▲8.5%となっています。
前年同期と比べるとROAは2.1ポイント、ROEは4.8ポイント改善しています。
これは、業績改善に伴い収益性が高まったことが主な要因と考えられます。
キャッシュフロー
当第3四半期のキャッシュ・フローの状況については、四半期連結キャッシュ・フロー計算書が作成されていないため、明確な数値は開示されていませんが、現金及び預金が前期末比226,621千円増加している点から、営業活動によるキャッシュ・フローは改善傾向にあると推察されます。
配当の支払額
当第3四半期においては、配当の支払いは行われていません。
同社は現時点で利益を確保するまでには至っておらず、今後の業績回復を待って配当再開を検討していくものと考えられます。
今後の展望
第3四半期決算では、主力のホテル運営事業が苦戦したものの、不動産事業の好調な売上により全体としては大幅な増収となりました。
今後は、ホテル運営事業の収益改善に加え、北海道ボールパークホテルの2027年3月の開業など、新規事業の立ち上がりにも注目が集まっています。
また、中国からの訪日観光客の回復次第では、ホテル部門の収益も大きく伸びる可能性があり、業績改善への期待も高まっています。
編集部のまとめ
株式会社イントランスの2023年3月期第3四半期決算は、売上高が大幅に増加し、各利益指標も大幅に改善するなど、業績回復の兆しが見られました。
ただし、ホテル運営事業の収益は未だ苦戦しており、今後の中国人観光客の回復動向が重要なカギとなります。
今後の新規事業の立ち上がりや、訪日観光需要の回復次第では、さらなる業績改善が期待できるかもしれません。
株式会社イントランスの決算日や配当についてまとめました。
株式会社イントランスの決算日は3月31日で、年に4回の四半期決算を行っています。
当第3四半期決算では、売上高が937,551千円と大きく増加しましたが、経常損失は91,026千円の赤字となりました。
しかし、前年同期と比べると大幅に損失幅が縮小しており、業績回復の兆しが見られます。
一方で、配当については、現時点では行われておらず、今後の業績回復を待って検討していくものと考えられます。