東急不動産ホールディングスは、安定した業績を維持しています。売上高7,178億円、営業利益754億円と、前年同期比で2桁の増収増益となりました。オフィスビルや住宅分譲などの柱事業が好調に推移しており、ホテル事業の回復も寄与しています。財務状況も良好で、純資産7,552億円と健全な水準を維持しています。この決算を受け、年間配当は28.5円を予定しており、引き続き株主還元にも注力しています。今後も、不動産市場の好況と新規開発案件の寄与により、業績拡大が期待されます。
企業情報
企業名: 東急不動産ホールディングス株式会社
証券コード: 32890
決算期: 2024年3月期
東急不動産ホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
東急不動産ホールディングスの決算は、3月決算となっており、通常4月に期末決算、2月に第3四半期決算を発表しています。今回の決算は第3四半期(2023年4月1日~12月31日)の業績報告となります。
主な事業
東急不動産ホールディングスは、都市開発事業、戦略投資事業、管理運営事業、不動産流通事業の4つのセグメントで事業を展開しています。オフィスビルや商業施設、分譲住宅の開発、販売、運営が主力で、再生可能エネルギー事業や不動産投資などの戦略的事業にも力を入れています。また、建物管理や会員制リゾートホテル、ゴルフ場の運営なども手がけています。
今期の業績と利益率は?
東急不動産ホールディングスは、売上高7,178億円、営業利益754億円と、前年同期比で2桁の増収増益を達成しました。好調な不動産市況を背景に、オフィスやマンション分譲、不動産売買仲介などの収益が伸長したほか、ホテル事業の回復も寄与しています。営業利益率は10.5%と、高い収益性を維持しています。
売上・利益の推移
東急不動産ホールディングスは、長期的に安定した業績推移を続けています。過去3年間の売上高は、2022年3月期9,890億円、2023年3月期10,058億円、今期見込みの10,000億円超と、毎期1,000億円超の水準を確保しています。一方、営業利益は、2022年3月期832億円、2023年3月期1,104億円、今期見込みの1,150億円超と、着実に増加を続けています。利益率も10%を超えるなど、収益性の高い事業ポートフォリオを築いています。
四半期連結貸借対照表について
東急不動産ホールディングスの四半期連結貸借対照表は、引き続き健全な財務状況を示しています。総資産は2兆9,761億円と、前期末比2,377億円増加しています。一方、負債は2兆2,210億円、純資産は7,552億円と、自己資本比率は25.0%を維持しています。安定した収益基盤と適切な財務管理により、健全な財務体質を確保しています。
資産の部
東急不動産ホールディングスの資産は、主に不動産開発や賃貸用の物件からなる有形固定資産1兆800億円、現金や預金などの流動資産1兆3,046億円が中心です。また、販売用不動産4,739億円や仕掛販売用不動産4,396億円などのたな卸資産も保有しています。
負債の部
負債の主な内訳は、設備投資などに充てられている長期借入金1兆1,005億円と社債2,800億円です。また、前受金などの流動負債5,117億円も計上されています。金融機関からの資金調達を中心に、安定的な資金繰りを維持しています。
純資産の部
純資産は7,552億円と、前期末比545億円増加しています。利益剰余金の蓄積により、自己資本比率は25.0%と、健全な財務体質を維持しています。株主還元にも注力しており、1株当たり年間配当は28.5円を予定しています。
ROAとROE
東急不動産ホールディングスのROA(総資産経常利益率)は2.3%、ROE(自己資本当期純利益率)は6.4%となっています。ROAは不動産開発に係る固定資産の大きさから、やや低めの水準ですが、ROEは相対的に高い水準にあります。これは、適切な財務レバレッジの活用と高い収益性により、株主価値の向上に貢献しているためです。今後も不動産市場の好況と新規開発の寄与により、両指標の改善が期待されます。
キャッシュフロー
東急不動産ホールディングスのキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・インフローが安定的に確保されています。一方で、不動産開発などに伴う投資活動によるキャッシュ・アウトフローも大きくなっています。そのため、財務活動によるキャッシュ・インフローを確保し、投資資金の調達を行っています。全体としては、現金及び現金同等物は2,075億円と、適切な手元流動性を維持しながら、事業活動を支えています。
配当の支払額
東急不動産ホールディングスは、1株当たり年間配当28.5円を予定しています。うち中間配当は14円、期末配当は14.5円となります。この配当水準は、連結配当性向40.0%前後に相当しており、業績の伸長に合わせて着実に株主還元を行っています。今後も、収益力の向上に伴い、更なる配当増加が期待されます。
今後の展望
東急不動産ホールディングスは、不動産市況の好調を背景に、主要事業の収益拡大が期待されます。オフィスやマンション、物流施設などの開発案件の寄与に加え、ホテル事業の回復も追い風となります。また、再生可能エネルギーなどの戦略投資事業の成長にも注目が集まります。今後も、事業ポートフォリオの最適化と収益性の向上により、持続的な成長を果たしていくことが期待されます。
編集部のまとめ
東急不動産ホールディングスは、不動産市況の好調を背景に、売上高7,178億円、営業利益754億円と、前年同期比で2桁の増収増益を達成しました。オフィスや住宅分譲、不動産仲介などの主力事業が好調に推移し、ホテル事業の回復も寄与しています。財務体質も健全で、自己資本比率25.0%を維持しています。今後も、不動産市場の成長と新規開発案件の寄与により、更なる業績拡大が期待されます。高い収益性と株主還元にも注力しており、投資家から高い注目を集めている企業といえるでしょう。
東急不動産ホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
東急不動産ホールディングスの決算は3月決算で、第3四半期(2023年4月1日~12月31日)の業績を公表しました。同社は、年間配当28.5円を予定しており、持続的な株主還元に取り組んでいます。好調な業績を背景に、今後も収益力の向上と安定した株主還元が期待されます。