帝国繊維株式会社の2024年第1四半期決算報告が公開されました。売上高は前年同期比で13.4%増加し、経常利益も2.9%の増益となりました。防災事業の強化に加え、リネン素材の需要回復が業績を押し上げています。今後の展望も明るく、さらなる成長が期待されます。
企業情報
企業名: 帝国繊維株式会社
証券コード: 33020
決算期: 2024年12月期
帝国繊維株式会社の決算日・決算時期(スケジュール）は？
帝国繊維株式会社の決算期は12月期で、第1四半期の決算日は2024年3月31日となっています。
主な事業
帝国繊維株式会社は、防災事業と繊維事業を主な事業領域としています。防災事業では、化学消防車やホース、防火衣などの防災関連製品を提供しています。繊維事業では、リネン(麻)素材を中心とした高機能繊維製品の開発・製造・販売を行っています。さらに、不動産賃貸事業なども手掛けています。
今期の業績と利益率は？
当第1四半期の業績は、売上高136億2,100万円と前年同期比13.4%増、経常利益24億9,400万円と2.9%の増益となりました。主力の防災事業が好調に推移し、繊維事業でも麻素材の需要回復など明るい兆しが見られます。営業利益率は14.7%と高水準を維持しており、収益性の高い企業といえます。
売上・利益の推移
直近3年間の業績をみると、売上高は2023年12月期に280億3,300万円と堅調に推移しています。利益面でも、経常利益は35億7,000万円と高水準を維持しており、企業体質の強さが窺えます。今期以降も防災事業の伸長や繊維事業の回復基調が続くことが期待されます。
四半期連結貸借対照表について
当第1四半期末の連結貸借対照表では、総資産845億2,900万円と前期末比53億3,000万円増加しました。流動資産は39億3,000万円増加し、固定資産も45億2,200万円増加しています。一方、負債は172億4,400万円と30億1,500万円増加しましたが、純資産は672億8,500万円と23億800万円の増加となりました。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が108億2,900万円と大幅に減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が127億5,400万円と増加しています。また、投資有価証券も326億100万円と大きく増加しています。これは主に上場株式の評価益の増加によるものです。
負債の部
負債の部では、買掛金が39億9,100万円と大幅に増加しています。一方で、長期借入金は全額返済されています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が445億300万円と前期末比4億3,300万円増加しています。また、その他有価証券評価差額金が207億5,900万円と大幅に増加しており、保有株式の時価評価の上昇が影響しています。
ROAとROE
当期のROAは2.1%と前期の2.7%から低下しています。一方で、ROEは3.7%と前期の3.6%から改善しました。資産効率は低下しましたが、自己資本効率は上昇しており、株主価値の向上が図られています。これは利益の増加と自己資本の増加による効果です。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュ・フローでは、営業活動によるキャッシュ・フローが15億7,700万円の収入となりました。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは12億6,500万円の支出となっています。これは主に有価証券の取得によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは13億2,500万円の支出で、主に配当金の支払いによるものです。全体としては、現金及び現金同等物が23億1,700万円減少しています。
配当の支払額
当期の期末配当金は1株当たり50円を予定しており、前期と同額水準を維持する予定です。この結果、年間配当金も50円となる見込みです。株主還元に積極的な企業姿勢が窺えます。
今後の展望
帝国繊維株式会社は、防災分野での「テイセン未来創造計画」を推進しており、2023年度からの3年間を第1フェーズと位置づけています。防災関連製品の市場開拓や生産拠点の機能強化などに取り組み、防災ビジネスの拡大と収益力の向上を目指しています。一方で、麻素材の需要回復や高機能繊維の新用途開発にも力を入れており、持続的な成長を目指しています。今後の業績拡大と企業価値の向上が期待されます。
編集部のまとめ
帝国繊維株式会社は、防災事業と繊維事業をコア事業とし、2024年第1四半期も強い業績を残しました。売上高と経常利益が前年同期比で増加し、収益性の高さが際立っています。また、自己資本比率も79.2%と健全な財務体質を維持しています。今後は、防災ビジネスの拡大と繊維事業の成長を両輪とした経営戦略を推進し、企業価値の向上に取り組んでいくことが期待されます。
帝国繊維株式会社の決算日や配当についてまとめました。
帝国繊維株式会社の決算期は12月期で、当第1四半期決算は2024年3月31日に公表されました。また、期末配当金は1株当たり50円と前期と同額水準を維持する見込みです。株主還元に積極的な企業姿勢が窺えます。
