帝人株式会社の2023年12月期第3四半期決算が公開されました。売上高は7,596億円で、前年同期比0.7%減少しましたが、営業利益は49億円と大幅に改善されました。収益性の高い分野での好調な業績や、原料価格の下落、コスト削減などが寄与しています。今後も事業構造改革を進め、さらなる収益拡大が期待されますね。
企業情報
企業名: 帝人株式会社
証券コード: 34010
決算期: 3月期
帝人株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
帝人株式会社の決算日は3月31日です。通常の決算スケジュールでは、5月に期末決算、2月に第3四半期決算を発表しています。
主な事業
帝人株式会社は、マテリアル、繊維・製品、ヘルスケア、IT事業の4つの事業を展開しています。主力製品は、アラミド繊維「トワロン」、ポリカーボネート樹脂、炭素繊維などの素材、医薬品、在宅医療機器などです。特に、先進素材やヘルスケア分野に強みを持っている総合素材メーカーです。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は7,596億円で前年同期比0.7%減少しました。一方で、営業利益は49億円と大幅に改善されました。利益率も増加に転じています。これは、マテリアル事業での需要減少の影響はあったものの、販売価格改定や原料価格の下落、コスト削減などの収益性改善策が奏功したためです。
売上・利益の推移
帝人株式会社の直近の売上高は、1兆187億円と、前年同期比で3.4%減少しています。一方で、経常利益は76億円と前年同期比56.3%減となりました。減益の主な要因は、原料価格高騰の影響や医薬品部門の販売減少などです。ただし、第3四半期では収益性改善策の効果が出て業績は改善傾向にあります。
四半期連結貸借対照表について
帝人株式会社の2023年12月末時点の総資産は12,843億円で、前期末から419億円増加しています。主な増加要因は、現預金の増加や棚卸資産の増加です。一方、負債は8,179億円で、前期末から266億円増加しました。これは借入金の増加などによるものです。純資産は4,664億円と、前期末から153億円増加しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が1,576億円と前期末から149億円増加しています。また、棚卸資産も2,270億円と前期末から183億円増加しました。これは事業活動の拡大に伴うものです。一方、無形固定資産は1,477億円と前期末から128億円減少しています。
負債の部
負債の部では、短期借入金が1,797億円、長期借入金が1,714億円と、合計で前期末から68億円増加しています。これは事業投資や運転資金の調達によるものです。また、社債も1,050億円となっています。
純資産の部
純資産の部では、株主資本が3,751億円、その他の包括利益累計額が646億円となっています。株主資本が前期末から147億円増加したのは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などによるものです。
ROAとROE
帝人株式会社のROA(総資産経常利益率)は0.6%、ROE(自己資本利益率)は0.7%と低水準にあります。これは、原料価格高騰や医薬品部門の業績悪化などが影響しています。ただし、第3四半期では収益性改善策の効果が出始めており、今後の業績回復が期待されます。
キャッシュフロー
帝人株式会社の当第3四半期連結累計期間の営業キャッシュ・フローは176億円の収入となりました。一方で、投資キャッシュ・フローは258億円の支出となりました。これは事業投資によるものです。財務キャッシュ・フローは57億円の支出となっています。全体としては現金及び現金同等物が14億円増加しました。
配当の支払額
帝人株式会社は、1株当たりの中間配当金を15円と、前年同期から2.5円増配しています。また、年間配当金見通しも前期比2.5円増の27.5円としています。業績回復への期待感から株主還元を強化する方針のようです。
今後の展望
帝人株式会社は、2023年2月に発表した「帝人グループ収益性改善に向けた改革」に基づき、事業ポートフォリオの見直しや経営体制の効率化などに取り組んでいます。さらに、ヘルスケア分野での新薬開発パイプラインの拡充にも注力していく方針です。これらの施策により、中長期的な業績の改善と企業価値の向上が期待できそうです。
編集部のまとめ
帝人株式会社は、マテリアル、ヘルスケア、IT事業を中心に事業展開しています。当第3四半期決算では、原料価格高騰の影響などから減収減益となりましたが、収益性改善策の効果が出始めており、業績は回復傾向にあります。今後は事業ポートフォリオの最適化や経営改革に注力し、持続的な成長を目指していきます。株主還元にも積極的で、今後の業績に期待が高まっています。
帝人株式会社の決算日や配当についてまとめました。
帝人株式会社の決算日は3月31日で、通常の決算スケジュールに従い、5月に期末決算、2月に第3四半期決算を発表しています。また、2023年12月期の中間配当は1株当たり15円と、前年同期から2.5円増配となりました。今後も業績回復に伴い、株主還元の強化が期待されるでしょう。