株式会社マリオンの最新四半期決算が公表されました。単一セグメントの不動産賃貸関連サービスを手掛けるこの企業の業績は堅調に推移しており、今期も売上高、営業利益、経常利益などが増加しています。主力の居住用賃貸住宅事業は人口減少の中でも単身世帯の増加が続き、引き続き高い需要が確保できる見込みです。経営陣は慎重な資産運用を心がけつつ、収益性の高い事業を展開しているようです。今後の業績にも大いに期待が持てそうです。
企業情報
企業名: 株式会社マリオン
証券コード: 34940
決算期: 9月
株式会社マリオンの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社マリオンは9月を決算期としており、毎年11月に本決算の有価証券報告書を提出しています。今回の四半期報告書は2024年2月13日に提出されたものです。
主な事業
株式会社マリオンは賃貸住宅分野を中心とした不動産賃貸関連サービスを提供しています。主力事業は保有物件の賃貸、サブリース、管理受託などの不動産賃貸サービスです。また、不動産証券化サービスや不動産売買も手掛けており、幅広い不動産事業を展開しています。特に賃貸住宅分野において、単身世帯向けの居住用物件を中心に事業を展開しており、人口減少の中でも堅調な需要が見込めるとしています。
今期の業績と利益率は?
今第1四半期の業績は、売上高421百万円、営業利益106百万円、経常利益63百万円、四半期純利益42百万円となりました。売上高は前年同期比74.2%減と大幅減少しましたが、これは不動産売買事業の収益減少によるものです。一方、主力の不動産賃貸サービスと不動産証券化サービスは堅調に推移しており、営業利益率は25.3%と高水準を維持しています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高・利益の推移を見ると、2023年9月期は売上高160億円、経常利益1億6000万円と増収増益を達成しています。不動産売買事業は売買タイミングによりその年の業績に大きな変動がありますが、賃貸事業と証券化事業は安定的に推移しています。今後も同様の業績水準を維持できると期待されます。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期貸借対照表を確認すると、総資産は187億円、負債は146億円、純資産は40億円となっています。資産の大部分は有形固定資産の不動産が占めており、自己資本比率は21.4%と一定の財務健全性を確保しています。負債の中心は長期借入金と匿名組合預り金で、財務基盤の安定化に取り組んでいます。
資産の部
資産の中心は15,955百万円の有形固定資産で、その大部分が土地や建物などの不動産です。また、現金預金が15億円、販売用不動産が8億円保有されています。経営資源は主に不動産事業に集中していることがわかります。
負債の部
負債の中心は8,033百万円の長期借入金と4,713百万円の匿名組合預り金です。自己資金に頼るだけでなく、外部資金を活用しながら事業を推進していることがうかがえます。
純資産の部
純資産は40億円で、自己資本比率は21.4%となっています。財務の健全性は保たれているものの、さらなる自己資本の充実が課題と言えそうです。
ROAとROE
ROAは前年度の4.0%から当期0.9%に低下しています。これは主に不動産売買事業の収益減少が影響しています。一方、ROEは前年度3.6%から当期1.1%と低下しており、自己資本利益率の改善が課題です。今後は安定的な賃貸事業の収益力を高め、ROA、ROEの改善につなげていく必要がありそうです。
キャッシュフロー
キャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローが53百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが34百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが68百万円の支出となっています。安定した事業活動から得られた資金を、新規投資や借入金返済に充当しているようです。財務基盤の強化に取り組みながら、着実に収益を積み上げていっているようです。
配当の支払額
株式会社マリオンは年1回の配当を行っています。今期(2023年9月期)の1株当たり配当金は14円で、前期比4円増加しています。安定的な収益基盤を背景に、株主還元の強化にも取り組んでいるようです。
今後の展望
株式会社マリオンは、単身世帯向け居住用賃貸住宅を中心とした不動産事業に強みを持っています。人口減少下でも単身世帯数の増加傾向が続いており、この分野の需要は引き続き堅調に推移する見込みです。また、収益性の高い賃貸事業と証券化事業を中心に、安定収益の確保に努めています。今後も慎重な資産運用と収益力の維持・向上に取り組み、株主価値の最大化を目指していくことが期待されます。
編集部のまとめ
株式会社マリオンは、賃貸住宅分野を中心とした不動産事業を展開する企業です。当期の業績は不動産売買事業の減収により減益となりましたが、主力の賃貸事業と証券化事業は堅調に推移しており、収益性の高い事業モデルを有しています。今後も人口動態の変化を捉えた賃貸需要の取り込みと、安定的な収益基盤の確保に努めていくことが期待されます。株主還元の強化にも取り組んでおり、中長期的な企業価値向上が見込まれます。
株式会社マリオンの決算日や配当についてまとめました。
株式会社マリオンは9月決算で、毎年11月に有価証券報告書を提出しています。配当については年1回行われ、今期は1株当たり14円の配当を実施しました。安定した収益基盤を背景に、株主還元の強化にも注力しているようです。今後も不動産事業を中心に、着実な成長が期待できる企業と言えるでしょう。