日本フエルト株式会社の第160期第3四半期決算報告書が公表されました。売上高は7,512百万円と前年同期比3.1%減となりましたが、経常利益は620百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は433百万円と健全な収益性を維持しています。紙・パルプ用フェルトやワイヤーの販売が堅調だった一方で、一部製品の需要が減少したことが影響しています。今後はさらなる事業の好業績と収益力の向上に期待がかかります。
企業情報
企業名: 日本フエルト株式会社
証券コード: 35120
決算期: 2023年3月期
日本フエルト株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本フエルト株式会社の決算日は3月31日、決算発表は翌年5月頃に行われています。第3四半期決算は12月31日時点の業績を2月に発表しています。
主な事業
日本フエルト株式会社は、フェルト事業と不動産賃貸事業を展開しています。フェルト事業では、紙・パルプ用のフェルト製品や工業用その他の製品を製造・販売しています。不動産賃貸事業では、自社所有の賃貸用不動産の管理・運営を行っています。創業以来80年以上の歴史を持ち、国内外で安定して事業を展開している老舗企業です。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高7,512百万円、経常利益620百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益433百万円と前年同期比で減収減益となりました。しかし、営業利益率は5.6%、経常利益率は8.3%と高い収益性を維持しています。事業環境の変化に適応しながら、安定した収益基盤を築いています。
売上・利益の推移
直近3年間の業績推移を見ると、2022年3月期の売上高は10,400百万円、経常利益は1,055百万円と過去最高を記録しました。一方、当期の売上高は7,513百万円、経常利益は620百万円と前期に比べ減少しています。ただし、前年同期比では3%程度の減少にとどまっており、中長期的に安定した業績を維持できています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は23,660百万円で、前連結会計年度末より70百万円増加しています。流動資産は12,099百万円、固定資産は11,562百万円となっています。また、負債は4,636百万円で、前連結会計年度末より739百万円減少しています。この結果、純資産は19,024百万円となり、自己資本比率は78.5%と高い水準を維持しています。健全な財務体質が継続しています。
資産の部
資産の部では、受取手形及び売掛金が4,311百万円、商品及び製品が1,532百万円、投資有価証券が6,264百万円となっています。現金及び預金が3,336百万円と前連結会計年度末より大幅に減少しています。設備投資を進めつつ、有価証券投資も積極的に行っています。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が610百万円、短期借入金が800百万円となっています。前連結会計年度末に比べ、有利子負債が大幅に減少しています。負債の圧縮に取り組み、財務体質の強化を進めています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が12,167百万円、その他有価証券評価差額金が2,612百万円となっています。自己株式の消却などにより、純資産は19,024百万円と増加しており、健全な財務基盤を維持しています。
ROAとROE
当期のROAは2.6%、ROEは2.3%となりました。前年同期比では低下しているものの、依然として堅調な水準を維持しています。これは、高収益性と強固な財務基盤に支えられた運営体制によるものといえます。今後は事業のさらなる効率化とコスト管理の強化により、ROA、ROEの向上につなげていきます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが561百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが△330百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△953百万円となりました。全体としては現金及び現金同等物が1,692百万円減少しています。これは主に、有価証券の取得や自己株式の取得などによるものです。今後は営業活動によるキャッシュ・フローの安定的な創出に注力していきます。
配当の支払額
当期の配当金は、中間配当が1株当たり6円、期末配当予想が7円、年間で13円の配当を実施しました。前期から維持されており、安定した利益還元を行っています。今後も株主還元の充実に努めていきます。
今後の展望
国内外の景気減速や原燃料価格の高止まりなど、先行きの不透明感は高まっているものの、日本フエルト株式会社は引き続き安定経営と収益性の向上に努めていきます。市場ニーズに合わせた製品開発や、生産性の向上、コスト削減に取り組むことで、持続的な成長を目指します。また、M&Aや新事業への参入など、新たな成長機会の創出にも注力していきます。
編集部のまとめ
日本フエルト株式会社の第160期第3四半期決算は、前年同期比で減収減益となりましたが、依然として高い収益性を維持しています。フェルト事業の強みを活かしつつ、不動産賃貸事業の安定収益も寄与しているため、企業価値の維持・向上に努めています。今後は経営環境の変化に柔軟に対応しつつ、新たな成長機会の創出にも取り組み、持続的な成長を目指していくと見られます。
日本フエルト株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本フエルト株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期決算が12月末時点の業績を2月に発表しています。配当は中間配当が1株6円、期末配当が1株7円の年間13円の配当を実施しました。今後も安定的な株主還元を継続していく方針です。この企業の決算内容や業績動向に注目していきましょう。