この度、ここ3ヶ月間の昭栄薬品株式会社の業績がまとまりました。化学品や日用品の卸売りを主業とする同社は、世界情勢の影響を受けつつも安定した成長を継続しています。
今期の売上高は169.5億円と前年同期比11%減となりましたが、営業利益は37.7億円と堅調な数字を残しました。主力の化学品事業が市場環境の影響を受けたものの、土木建設資材事業の好調が収益を支えています。
総資産は164.2億円と前期末より26億円増加。現金や有価証券が増加し財務体質が強化されています。自己資本比率も49.2%と健全な水準を維持しています。
株主還元面では、今期の1株当たり配当金は36円と前期より6円減少しましたが、依然高水準の配当が行われています。今後の成長に向け、積極的な投資を展開する一方で、株主の皆様への利益還元にも尽力する姿勢がうかがえます。
企業情報
企業名: 昭栄薬品株式会社
証券コード: 35370
決算期: 2023年3月期
昭栄薬品株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
昭栄薬品株式会社の決算期は3月31日です。2023年3月期の第3四半期決算(2023年10月1日~12月31日)の結果が今回発表されました。
通期決算は2024年2月6日に発表予定となっています。
主な事業
昭栄薬品株式会社は、化学品事業、日用品事業、土木建設資材事業の3つを主要な事業としています。化学品は自動車関連や繊維などの工業用製品、日用品は洗浄剤やトイレ用品、土木建設資材は地盤改良剤やコンクリート補修材などが主力商品です。
化学品事業が売上の90%以上を占めており、同社の中核事業となっています。日用品事業や土木建設資材事業は化学品事業をサポートする位置づけです。
今期の業績と利益率は?
昭栄薬品株式会社の当第3四半期の業績は、売上高が169.5億円と前年同期比11%減となりました。一方で、営業利益は37.7億円と前年同期比19%減にとどまり、経常利益は50.7億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は35.6億円と高水準の利益率を維持しています。
これは、主力の化学品事業における収益力の高さが寄与したものと考えられます。
売上・利益の推移
直近3年間の同社の業績推移を見ると、売上高は195.3億円→245.3億円→169.5億円と変動がありますが、利益面では経常利益が59.1億円→57.5億円→50.7億円と比較的安定して推移しています。
世界情勢の影響を受けながらも、同社の事業基盤の強さが窺えます。今後はさらに成長力を発揮し、収益の拡大が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
昭栄薬品株式会社の第3四半期末の連結貸借対照表を見てみると、資産が164.2億円と前期末より26.0億円増加しています。
主な要因としては、売掛金が増加したことや、投資有価証券が時価評価により増加したことが挙げられます。一方、負債は83.4億円と9.1億円増加しましたが、純資産は80.9億円と7.2億円の増加となり、財務体質の改善が進んでいます。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が18.4億円と前期末より3.1億円増加しました。売掛金が60.4億円と8.0億円、投資有価証券が51.7億円と6.3億円それぞれ増加しています。これらが資産全体の増加に寄与しました。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が64.9億円と13.1億円増加しました。一方で、短期借入金が1.0億円と減少したため、負債全体では83.4億円と増加しています。
純資産の部
純資産の部では、その他有価証券評価差額金が30.9億円と4.2億円増加し、利益剰余金が45.3億円と2.3億円増加しています。これにより、純資産は80.9億円と7.2億円の増加となりました。
ROAとROE
昭栄薬品株式会社のROA(総資産経常利益率)は、前期の3.9%から当期は3.1%に低下しています。一方でROE(自己資本当期純利益率)は、前期の11.4%から当期は8.8%と減少しています。
これは、同社の経常利益が減少したことや、純資産が増加した一方で総資産も増加したことが主な要因と考えられます。収益性の低下に加え、資本効率の悪化も見られますが、依然として優良企業の水準を維持しています。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは13.5億円のプラスとなり、前年同期比では18%減少しています。これは主に売上債権の増加によるものです。
一方で、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス1.9億円で、前年同期比で大幅に改善しています。これは有価証券の売却等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローはマイナス4.3億円と支出超過となりました。これは借入金の返済と配当金の支払いが主な要因です。
全体としてキャッシュ・ポジションは安定的に確保されていると評価できます。
配当の支払額
昭栄薬品株式会社の1株当たりの年間配当金は、前期の42円から当期は36円に減少しました。ただし、これでも高水準の配当を維持しており、配当性向は32.3%となっています。
株主還元にも注力する一方で、今後の事業展開に向けた内部留保の確保にも留意していると言えるでしょう。
今後の展望
昭栄薬品株式会社は、国内外の経営環境の変化に柔軟に対応しながら、主力の化学品事業を中心に事業基盤の強化に取り組んでいきます。
特に、中国経済の減速や原材料価格の高騰など、外部環境の悪化に左右されることなく、収益力の向上と財務体質の改善を図っていく方針です。
また、環境関連ビジネスなどの新領域への事業展開にも積極的に取り組むことで、持続的な成長を目指していきます。今後の業績推移に注目が集まります。
編集部のまとめ
昭栄薬品株式会社は、化学品事業を中心に堅調な業績を確保しています。外部環境の変化に柔軟に対応しつつ、内部成長と財務体質の強化にも注力しています。
今後は、環境関連ビジネスなどの新分野にも挑戦し、着実な業容拡大を目指していくことが期待されます。株主還元も高水準を維持し、投資家の支持を得ながら、持続的な成長を遂げていくことが同社の課題と言えるでしょう。
昭栄薬品株式会社の決算日や配当についてまとめました。
昭栄薬品株式会社の決算日は3月31日です。2023年3月期の第3四半期決算(2023年10月1日~12月31日)の結果が発表されました。今後、2024年2月6日に通期決算の発表が予定されています。
配当金については、1株当たり36円の支払いとなり、前期から6円減少したものの依然高水準の還元を続けています。株主還元と今後の事業成長の両立を図る同社の姿勢が窺えます。