株式会社フジックスの決算報告書が公表されました。フジックスは京都に本社を置く縫製用品メーカーで、アパレル業界に縫い糸や手芸用品を供給しています。今期の業績は円安の影響を受けたものの、製品価格の改正などによって増益を確保しており、経営の健全性が伺えます。セグメント別では国内事業が堅調に推移し、新型コロナの影響を受けていた海外子会社の回復も期待できそうです。株主様には着実な成長を続けていく同社に今後の期待が高まっているようです。
企業情報
企業名: 株式会社フジックス
証券コード: E00610
決算期: 2023年3月期
株式会社フジックスの決算日・決算時期(スケジュール)
株式会社フジックスの決算日は3月31日で、今回の四半期決算は2023年12月31日を期末日とする第3四半期の業績報告です。通期の決算は2024年3月期の2024年6月に発表される予定となっています。
主な事業
株式会社フジックスは、縫製用品製造販売を主な事業としています。具体的には、アパレル・ファッション業界向けの縫い糸や手芸用品の製造・販売を行っています。国内外の主要アパレルメーカーに製品を供給しており、中国子会社を通じてアジア地域での事業展開も行っています。
今期の業績と利益率は?
今期第3四半期の売上高は4,427百万円、営業損失は33百万円となりました。前年同期と比べると売上高は1.4%増加しているものの、利益水準は低下しています。これは、製造コストの高止まりや、中国子会社の回復遅れなどが影響したためです。一方で、国内事業は販売価格の改定などで増益基調にあり、利益率の改善が期待できます。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高は5,742百万円から4,427百万円と推移しており、利益面では経常利益が30百万円と回復基調にあります。新型コロナ禍の影響を受けていた中国子会社の業績が改善傾向にあることから、今期通期での業績回復が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は11,397百万円で、前期末から479百万円増加しています。これは主に、投資有価証券の増加や棚卸資産の増加によるものです。一方、負債は1,542百万円と、前期末から88百万円増加しています。純資産は9,854百万円と、前期末から390百万円の増加となっています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が前期末から46百万円減少した一方、投資有価証券が283百万円、棚卸資産が155百万円増加しています。これは事業の拡大や運転資金の確保に向けた取り組みが反映されています。
負債の部
負債の部では、買掛金が47百万円減少したものの、その他の流動負債が72百万円、その他の固定負債が79百万円増加しています。これは主に運転資金の確保によるものと考えられます。
純資産の部
純資産の部では、親会社株主に帰属する四半期純利益が102百万円計上されたほか、その他有価証券評価差額金が196百万円、為替換算調整勘定が113百万円増加しています。これにより、自己資本比率は79.7%と高水準を維持しています。
ROAとROE
ROAは前期末の4.3%から当第3四半期末の4.1%に低下しており、ROEは前期末の2.0%から当第3四半期末の1.8%に低下しています。これは主に利益水準の低下によるものと考えられますが、今後の業績回復とともに改善が期待されます。同社は生産性向上やコストダウンなど、収益性の向上に向けた取り組みを進めています。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況につきましては、開示されていません。通期での詳細な情報は次期の決算発表時に公表される見込みです。企業としての健全性は高いと考えられますが、短期的な資金繰りの状況などは今後の業績次第で変わってくると思われます。
配当の支払額
株式会社フジックスは、株主の皆様への利益還元を重要な経営課題の一つとしています。前期は1株当たり50円の配当を行っており、今期も同水準を予定しています。安定的な配当政策を続けることで、株主の皆様の期待に応えていく方針です。
今後の展望
新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい状況にあった同社ですが、国内外における事業領域の拡大や製品価格の改定などにより、収益性の改善が期待されます。中国子会社の回復遅れは課題ですが、海外事業の再構築を進めることで、中長期的な成長につなげていくと考えられます。株主の皆様には、同社の持続的な企業価値向上に期待していただきたいと思います。
編集部のまとめ
株式会社フジックスの今期第3四半期決算は、円安による影響や中国子会社の業績低迷により若干厳しい結果となりましたが、国内事業の好調さや財務体質の健全性などから、中長期的には業績の回復が期待できそうです。同社は縫製用品の製造販売に強みを持つ企業であり、アパレル・ファッション業界の動向に注目が集まっています。株主の皆様には着実な成長と安定的な配当に期待していただきたいと思います。
株式会社フジックスの決算日や配当についてまとめました。
株式会社フジックスの決算日は3月31日で、今回の四半期決算は2023年12月31日を期末日としています。通期の決算は2024年6月に発表される予定です。また、同社は1株当たり50円の配当を実施しており、安定的な配当政策を続けていくことで、株主の皆様の期待に応えていく方針です。