川本産業株式会社の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。医療衛生材料や育児用品などを手掛ける同社は、新型コロナの影響で感染管理製品の需要が減少し、売上高は前年同期比3.5%減の22,305百万円となりました。一方、利益面では原材料価格や光熱費の上昇、円安の影響から売上原価が増加し、経常利益は443百万円と前年同期比24.1%の減益になりました。今後は新製品や新規事業への取り組みを強化し、収益力の向上を目指していきます。
企業情報
企業名: 川本産業株式会社
証券コード: 36040
決算期: 3月期(第94期第3四半期)
川本産業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
川本産業株式会社の決算期は3月期で、第3四半期会計期間は2023年10月1日から12月31日までとなっています。
主な事業
川本産業株式会社は、メディカル事業とコンシューマ事業の2つを軸に事業を展開しています。メディカル事業では医療用品や口腔ケア製品、手術関連製品の製造・販売を行っています。コンシューマ事業では一般消費者や企業、各種施設向けに衛生材料や医療用品、介護用品、育児用品などを販売しています。
今期の業績と利益率は?
今期の売上高は22,305百万円と前年同期比3.5%の減収となりました。これは新型コロナの影響で感染管理製品の需要が大幅に減少したことが主因です。一方で利益面では、原材料価格や光熱費の高騰、円安による輸入品価格の上昇などにより、経常利益は443百万円と前年同期比24.1%の減益となりました。
売上・利益の推移
近年の業績をみると、2022年3月期は売上高30,403百万円、経常利益824百万円と堅調に推移していました。しかし、今期は新型コロナの影響から感染管理製品の需要が大幅に減少し、売上高、利益ともに減少傾向にあります。今後は新製品や成長分野への投資を強化し、収益力の向上を目指していきます。
四半期連結貸借対照表について
川本産業株式会社の2023年12月31日時点の四半期連結貸借対照表をみると、総資産は20,410百万円となっています。前期末から900百万円増加しており、主な増加要因は売上債権の増加によるものです。一方、負債は12,724百万円と前期末から522百万円増加しており、借入金の増加が主な要因となっています。
資産の部
資産の部では、流動資産が15,348百万円と前期末から745百万円増加しています。このうち現金及び預金が501百万円増加しており、売上債権も大幅に増加しています。一方、固定資産は5,062百万円と155百万円増加しており、有形固定資産が増加しています。
負債の部
負債の部では、流動負債が8,961百万円と前期末から178百万円増加しています。支払手形及び買掛金が581百万円増加した一方で、借入金が減少しています。また、固定負債は3,763百万円と344百万円増加しており、長期借入金の増加が主な要因となっています。
純資産の部
純資産の部では、7,686百万円と前期末から378百万円増加しています。利益剰余金が増加したことや、為替換算調整勘定が改善したことが主な要因です。自己資本比率は34.3%と前期末から0.2ポイント上昇しています。
ROAとROE
川本産業株式会社のROA(総資産営業利益率)は前期の3.9%から当期3.1%に低下しています。これは売上高の減少や原価率の上昇により、営業利益が減少したことが主な要因です。一方で、ROE(自己資本当期純利益率)は前期の11.1%から当期8.4%と低下しています。利益水準の悪化により自己資本利益率も低下したと言えます。今後は収益力の向上とともに資本効率の改善にも注力していく必要があるでしょう。
キャッシュフロー
川本産業株式会社の四半期連結キャッシュ・フロー計算書によると、営業活動によるキャッシュ・フローは501百万円の増加となりました。これは税金等調整前四半期純利益が512百万円あったこと、減価償却費など資金の流出が少ないことが主な要因です。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは159百万円の減少となり、主に有形固定資産の取得によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは220百万円の減少となり、借入金の返済が主な要因です。
配当の支払額
川本産業株式会社は、2023年6月に1株当たり16円の期末配当を実施しました。前期の年間配当金は1株当たり28円でしたが、今期は業績悪化の影響から減配となっています。株主還元は今期の重要な課題の1つとなっているといえます。
今後の展望
川本産業株式会社は、感染管理製品の需要減少に直面していますが、新製品の拡販や新規事業への取り組みを強化することで、収益力の向上を目指しています。メディカル事業では口腔ケア製品や手術関連製品の拡大、コンシューマ事業ではカラーマスクやドラッグストア向け介護製品の販売強化などに注力します。また、原材料高や為替変動の影響にも対応していく必要があります。
編集部のまとめ
川本産業株式会社の2023年12月期第3四半期の決算は、新型コロナの影響で感染管理製品の需要が大幅に減少し、減収減益となりました。しかし、メディカル事業やコンシューマ事業での新製品・新規事業への取り組みを強化し、収益力の向上を目指しています。また、原材料価格高騰や為替変動への対応も重要な課題となっています。今後の業績回復に注目が集まります。
川本産業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
川本産業株式会社の決算期は3月期で、第3四半期会計期間は2023年10月1日から12月31日までとなっています。また、2023年6月に1株当たり16円の期末配当を実施しましたが、前期の28円から減配となっています。今後は収益力の向上とともに安定的な株主還元が期待されます。