株式会社ワールドの2023年12月期第3四半期決算が発表されました。アパレル事業を中心とした同社の業績は好調で、売上収益165,420百万円となり、前年同期比5.1%の増収となりました。利益面でもコア営業利益146,58百万円、営業利益147,14百万円と大幅な増益となり、順調な業績を示しています。
企業情報
企業名: 株式会社ワールド
証券コード: 36120
決算期: 2月末日
株式会社ワールドの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ワールドの決算日は2月末日で、通常の企業の3月決算とは異なります。当社は2023年6月に定款変更を行い、決算期を3月31日から2月末日に変更しました。これにより、グループ全体の決算期が2月末日に統一されており、より効率的な経営管理が可能となりました。
主な事業
株式会社ワールドグループは、国内外にて婦人服、紳士服、子供服などの衣料品や服飾雑貨の販売を行うブランド事業、ファッション特化のECモール運営やIT/物流システムの業務受託などを行うデジタル事業、衣料品の生産・調達・貿易やインテリア事業などを手掛けるプラットフォーム事業の3つの事業セグメントで構成されています。
これらの各事業が連携してグループ全体の企業価値向上に貢献しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上収益165,420百万円、コア営業利益146,58百万円、営業利益147,14百万円と増収増益となりました。売上総利益率は60.2%と前年同期比0.9ポイント改善しており、収益性の向上が顕著です。
売上・利益の推移
最近の業績推移を見ると、2022年度第3四半期累計期間の売上収益は157,431百万円、営業利益は12,138百万円でしたが、2023年度第3四半期累計期間では売上収益が165,420百万円、営業利益が14,714百万円と大幅な増収増益となっています。
新型コロナ禍からの回復で消費市況が改善していることに加え、同社の構造改革や商品企画の強化が奏功した結果と言えます。
四半期連結貸借対照表について
資産の部
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は2,472億92百万円となり、前連結会計年度末比で41億29百万円減少しました。主な減少要因は使用権資産の減少や投資の減少などです。一方で、棚卸資産は39億円増加しています。
負債の部
負債合計は1,574億37百万円となり、前連結会計年度末比で47億55百万円減少しています。リース負債の返済や借入金の返済などによるものです。
純資産の部
純資産合計は898億55百万円と前連結会計年度末比で6億26百万円増加しました。利益剰余金の増加などが主な要因です。
ROAとROE
株式会社ワールドのROA(総資産利益率)は前期の7.1%から8.7%に上昇しており、ROE(自己資本利益率)も前期の4.2%から8.7%へと大幅に改善しています。これは、増収増益基調が続いたことで収益性が高まり、株主価値も向上しているためです。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは197億56百万円の収入で、前年同期比12億97百万円の増加となりました。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは7億90百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは202億89百万円の支出となりました。
全体としては現金及び現金同等物の残高が194億39百万円となっており、健全な財務体質が維持されています。
配当の支払額
当第3四半期連結累計期間においては、2023年6月に1株当たり35円、2023年12月に26円の配当を実施しています。財務体質の強化と株主還元のバランスを取りながら、着実に利益の配分を行っていると評価できます。
今後の展望
株式会社ワールドは2023年5月に中期経営計画「PLAN-W」を発表し、2026年2月期には営業利益180億円以上、ROE10%以上の達成を目標に掲げています。
当第3四半期も順調な業績を残しており、今後も各事業の成長力を最大限に発揮し、持続的な企業価値向上を目指していくことが期待されます。
編集部のまとめ
株式会社ワールドの2023年12月期第3四半期決算は、新型コロナ禍の収束と構造改革の効果が表れ、増収増益となりました。財務体質の改善も進み、主要なKPIである ROA、ROEも大幅に改善しています。
中期経営計画「PLAN-W」の達成に向けて、今後もグループ全体の成長力を最大限に引き出していくことが期待されます。株主還元についても配当政策を着実に実施しており、株主重視の経営姿勢が評価できます。
株式会社ワールドの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ワールドは、2023年6月に定款変更を行い、決算期を3月31日から2月末日に変更しました。当第3四半期連結累計期間においては、2023年6月に1株当たり35円、2023年12月に26円の配当を実施しています。今後も財務体質の強化と株主還元のバランスを取りながら、着実に利益の配分を行っていく方針です。