株式会社デジタルハーツホールディングスの決算が発表されました。IT投資が活発化し、デジタル関連事業の需要が高まっている中、当社はM&Aを活用しながらエンタープライズ事業の成長に注力しています。利益面では海外子会社の低収益や上場準備費用の増加により減益となりましたが、全体としては好調な滑り出しを見せている企業だと言えそうです。今後の戦略やROA・ROEなど、経営指標の推移にも注目が集まりそうですね。
企業情報
企業名: 株式会社デジタルハーツホールディングス
証券コード: E27655
決算期: 2024年3月期
株式会社デジタルハーツホールディングスの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社デジタルハーツホールディングスの決算日は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日で、今回はこの第3四半期の決算内容が報告されました。年間の業績は来年3月末の本決算で確定することになります。
主な事業
株式会社デジタルハーツホールディングスは、エンタープライズ事業とエンターテインメント事業の2つの事業を展開しています。エンタープライズ事業では、企業のシステムテストや保守・運用などのソリューションサービスを提供しており、エンターテインメント事業では主にゲームのテストやローカライズ、マーケティング支援などのサービスを行っています。両事業ともに、デジタル化の進展によるIT投資需要の高まりを背景に成長を続けている分野です。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の連結業績は、売上高が28,666百万円と前年同期比6.6%の増収となりました。一方で、営業利益は1,422百万円と前年同期比33.1%の減益となりました。利益率も低下しています。これは主に、エンターテインメント事業の減収やAGESTの上場準備にかかる費用の増加などの影響によるものです。
売上・利益の推移
直近の3年間の推移を見ると、売上高は堅調に伸びており、前期は36,517百万円まで達しました。一方、利益面では第3四半期の減益が響き、経常利益は3,152百万円にとどまっています。特にエンターテインメント事業の収益性の低下が影響しているようです。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の連結貸借対照表をみると、総資産は20,914百万円となっています。前期末から1,333百万円増加しており、現金や売掛金が増加したことが要因です。一方、負債は12,322百万円と前期末から2,216百万円増加しており、主に短期借入金の増加によるものです。
資産の部
流動資産は13,818百万円となり、前期末から1,289百万円増加しました。現金及び預金が893百万円、受取手形・売掛金が419百万円それぞれ増加しています。固定資産は7,096百万円で、前期末から44百万円増加しています。
負債の部
流動負債は12,120百万円と前期末から2,189百万円増加しました。短期借入金が2,100百万円増えたことが主な要因です。固定負債は202百万円と26百万円増加しています。
純資産の部
純資産は8,591百万円と前期末から883百万円減少しました。配当による剰余金の減少や連結子会社の株式取得に伴う資本剰余金の減少などが影響しています。
ROAとROE
当社のROA(総資産経常利益率)は7.3%、ROE(自己資本利益率)は17.8%となっています。前期と比べるといずれも低下傾向にありますが、それでも一定の水準を維持しています。これは、デジタル化ニーズの高まりを背景とした事業成長に加え、M&Aなどによる外部成長戦略が奏功しているためと考えられます。今後の事業展開次第では、更なる向上も期待できそうです。
キャッシュフロー
当第3四半期のキャッシュ・フローをみると、営業活動によるキャッシュ・フローは1,297百万円の収入となっています。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは532百万円の支出で、M&Aなどの投資資金に充当されています。財務活動では、2,100百万円の借入増加があったものの、467百万円の配当支払いにより651百万円の支出となっています。全体としてはキャッシュ残高が増加傾向にあり、財務体質の改善が進んでいるようです。
配当の支払額
当社は、株主への利益還元を重視しており、年2回の配当を実施しています。第3四半期決算では、中間配当として1株当たり10.50円が支払われました。通期では、1株当たり21円の配当を予定しており、高い水準の配当性向を維持しています。
今後の展望
株式会社デジタルハーツホールディングスは、M&Aを活用しながらエンタープライズ事業の成長加速に注力しています。また、エンターテインメント事業においても、海外展開の強化やAI活用などに取り組み、事業の高付加価値化を図っています。中長期的には、DX需要の高まりによって両事業の成長が期待できそうです。また、子会社のAGESTの株式上場準備も進んでおり、さらなる企業価値向上に向けた施策を展開していく模様です。
編集部のまとめ
株式会社デジタルハーツホールディングスは、IT投資需要の高まりを背景に事業拡大を続けている企業です。第3四半期は減益となったものの、M&Aやグローバル展開などの成長戦略が奏功しており、中長期的な業績拡大が期待できそうです。また、安定的な配当政策も評価できる企業だと言えるでしょう。今後の株価動向にも注目が集まりそうですね。
株式会社デジタルハーツホールディングスの決算日や配当についてまとめました。
株式会社デジタルハーツホールディングスの決算日は3月31日で、第3四半期決算は2023年12月31日に発表されました。当期の業績は減益となったものの、エンタープライズ事業を中心に好調な売上推移を示しています。また、高水準の配当を実施しており、株主還元にも積極的な姿勢が見られます。今後の事業展開と株価の動向に注目が集まる企業だと言えるでしょう。