株式会社テクノマセマティカルの2023年12月期第3四半期決算報告をお届けします。高い自己資本比率を維持しながら、新技術の開発と営業活動の強化を推し進めており、売上高の伸長と損益状況の改善に取り組んでいます。また、財務の健全性も確保されており、今後の企業成長が期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社テクノマセマティカル
証券コード: 37870
決算期: 3月期
株式会社テクノマセマティカルの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社テクノマセマティカルの決算日は毎年3月31日です。決算発表の時期は、第1四半期(4月~6月)は8月、第2四半期(7月~9月)は11月、第3四半期(10月~12月)は2月、本決算(4月~3月)は6月と年4回の決算発表を行っています。
主な事業
株式会社テクノマセマティカルは、映像・音声の圧縮伸張技術の研究開発とそれらソフトウェアやハードウェアのライセンス事業、さらに各種ソリューション製品の提供を主な事業としています。特に、DMNAアルゴリズムを用いた高画質・高音質・低遅延かつ省エネルギーなグリーン製品の開発に強みを持っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計期間の売上高は368百万円となり、経常損失は132百万円、四半期純損失は134百万円となりました。売上高は前年同期比で16.1%減少しましたが、財務面では現金及び預金を987百万円、自己資本比率は95.3%と高水準を維持しています。
売上・利益の推移
過去3年間の業績推移を見ると、2022年3月期は売上高599百万円、経常損失43百万円、2023年3月期は売上高599百万円、経常損失43百万円と赤字幅が拡大してきました。しかし、当第3四半期では売上高が368百万円まで減少したものの、経常損失は132百万円に改善の兆しが見られます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期会計期間末の財政状態をみると、総資産は2,177百万円と前事業年度末より121百万円減少しました。負債は102百万円、純資産は2,075百万円となっています。自己資本比率は95.3%と引き続き高水準を維持しており、財務の健全性が確保されています。
資産の部
資産の部では現金及び預金が987百万円と、手元流動性が高い状態です。また、投資有価証券が801百万円あり、余剰資金の運用も行っています。
負債の部
負債の部では前受収益が79百万円と増加していますが、有利子負債はゼロと、財務の健全性が高いことがわかります。
純資産の部
純資産の部では資本金が2,032百万円、利益剰余金が△2,127百万円と、累積損失が積み上がっている状況です。ただし、自己資本比率は95.3%と極めて高い水準を維持しています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は直近3年間でマイナスが続いており、2022年3月期が-1.9%、2023年3月期が-5.7%と低い水準となっています。一方、ROE(自己資本利益率)も2022年3月期が-2.1%、2023年3月期が-6.3%と低迷しています。これは、累積損失の拡大により自己資本が減少傾向にあるためです。今後は、損益の改善により ROA、ROEの向上が期待されます。
キャッシュフロー
キャッシュ・フロー計算書を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスで、投資活動によるキャッシュ・フローはプラスとなっています。これは、研究開発投資等で資金が流出する一方で、投資有価証券の売却等により資金が流入しているためです。財務活動によるキャッシュ・フローはゼロと、有利子負債がないため安定した財務基盤を維持しています。
配当の支払額
株式会社テクノマセマティカルは、直近3事業年度にわたり配当を行っていません。今後、損益の黒字化と内部留保の積み上げにより、配当再開の可能性も出てくるものと期待されます。
今後の展望
株式会社テクノマセマティカルは、ライセンス事業の拡大と自社ソリューション製品の販売に注力することで、売上高の伸長を図っていく方針です。また、不要不急な経費の圧縮にも取り組み、損益状況の改善を目指します。さらに、財務の健全性を維持しつつ、新技術の開発と営業活動の強化により、企業価値の向上を目指していきます。
編集部のまとめ
株式会社テクノマセマティカルは、映像・音声の圧縮伸張技術を強みとする企業です。直近の決算では売上高が減少したものの、経常損失は縮小傾向にあり、財務の健全性も高い水準を維持しています。今後は、ライセンス事業の拡大やソリューション製品の販売強化に注力し、業績の改善に取り組むことが期待されます。株主の皆様にも、配当再開の可能性も出てくるかもしれません。
株式会社テクノマセマティカルの決算日や配当についてまとめました。
株式会社テクノマセマティカルの決算日は3月31日で、第1四半期は8月、第2四半期は11月、第3四半期は2月、本決算は6月に発表されます。また、直近3事業年度にわたり配当を行っていませんが、今後の業績改善により、配当再開の可能性も出てくると期待されます。