株式会社アバントグループの決算がまとまったので、今回の決算内容についてレビューしていきます。アバントグループは情報サービス業界の大手企業で、連結決算開示、デジタルトランスフォーメーション、経営管理ソリューションの3つの事業を中心に成長を遂げています。今回は前年同期比で10.0%増収、5.5%増益と好調な決算となっていますね。
企業情報
企業名: 株式会社アバントグループ
証券コード: 38360
決算期: 2024年6月期
株式会社アバントグループの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社アバントグループの決算期は6月末で、第3四半期の決算は3月末になります。年間の決算スケジュールとしては、第1四半期(9月)、第2四半期(12月)、第3四半期(3月)、本決算(6月)と年4回の業績開示を行っています。
主な事業
株式会社アバントグループの主な事業は連結決算開示事業、デジタルトランスフォーメーション推進事業、経営管理ソリューション事業の3つです。連結決算開示事業ではDivaSystemというソフトウエアの開発と保守を行い、アウトソーシングサービスも提供しています。デジタルトランスフォーメーション推進事業ではデータプラットフォームやAI・BIソリューションの提供を通じて企業のDXを支援しています。経営管理ソリューション事業ではグループ経営、連結会計、事業管理に関するコンサルティングやシステム構築を行っています。
今期の業績と利益率は?
今期の売上高は17,806百万円で、前年同期比10.0%の大幅増収となりました。利益については、営業利益は3,075百万円、経常利益は3,091百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,974百万円となり、いずれも5%以上の増益となっています。特にデジタルトランスフォーメーション推進事業が23.5%の大幅増収を果たしたことが業績拡大に大きく貢献しています。
売上・利益の推移
アバントグループの直近4四半期の売上高推移を見ると、2023年6月期第4四半期は5,236百万円、2024年6月期第1四半期は5,646百万円、第2四半期は6,096百万円、第3四半期は6,063百万円と順調に推移しています。利益面でも、営業利益率は第2四半期19.8%、第3四半期19.5%と高水準を維持しています。事業別では、デジタルトランスフォーメーション推進事業が大きく成長を牽引しています。
四半期連結貸借対照表について
アバントグループの2024年3月末の四半期連結貸借対照表を見てみると、資産合計は18,981百万円で、前期末から275百万円増加しています。主な増加要因は受取手形、売掛金及び契約資産の増加です。一方、負債合計は6,114百万円と前期末から262百万円減少しており、純資産は12,867百万円と増加傾向にあります。自己資本比率は67.8%と高水準を維持しており、財務健全性も高いことがわかります。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が9,473百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が4,045百万円となっています。また、投資有価証券が985百万円と前期末から213百万円増加しています。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が642百万円、契約負債が2,253百万円となっています。前期末から大きな変動はなく、安定した財務体質が続いています。
純資産の部
純資産の部では、資本金が345百万円、資本剰余金が281百万円、利益剰余金が12,890百万円となっています。前期末から538百万円増加しており、財務基盤の強化が進んでいます。
ROAとROE
アバントグループのROA(総資産経常利益率)とROE(自己資本当期純利益率)を見てみると、ROAは16.3%、ROEは15.4%となっています。いずれも業界平均を大きく上回る高水準で、収益性と資本効率性が高いことがわかります。デジタルトランスフォーメーション推進事業や連結決算開示事業が好調に推移し、利益率の維持・向上につながっているようです。
キャッシュフロー
キャッシュフローを見ると、営業キャッシュフローは1,260百万円の収入となっています。これは主に、税金等調整前四半期純利益3,091百万円や法人税等の還付額565百万円などによるものです。一方で、投資キャッシュフローは605百万円の支出、財務キャッシュフローは1,498百万円の支出となり、全体では837百万円の減少となりました。現金及び現金同等物は10,043百万円となっています。
配当の支払額
アバントグループは株主還元を重要視しており、今期の1株当たりの配当金は15円と前年同期比2円増加しています。これにより、総額で564百万円の配当を実施しました。配当性向は28.6%となっています。順調な業績推移を背景に、株主の皆様への利益還元を着実に行っているといえるでしょう。
今後の展望
アバントグループでは、デジタルトランスフォーメーション推進事業を中心に今後も高い成長が期待できます。特に、企業のデータ活用ニーズの高まりを背景にクラウド・データ・プラットフォームの構築などの大型案件が増加傾向にあり、業績拡大の大きな原動力になると見られます。今後もソフトウエアビジネスの強化やサービス提供体制の拡充に積極的に取り組み、持続的な成長を目指していくと考えられます。
編集部のまとめ
株式会社アバントグループの決算は、売上高、営業利益、経常利益、純利益のいずれも前年同期比で確実に増加しており、業績好調といえます。特にデジタルトランスフォーメーション推進事業の売上高が大きく伸びたことが業績拡大の大きな要因となっています。また、財務面でも自己資本比率が67.8%と高水準を維持しており、安定した経営基盤が確立されていることがわかります。今後も持続的な成長が期待できる企業と言えるでしょう。
株式会社アバントグループの決算日や配当についてまとめました。
アバントグループの決算日は6月末で、第3四半期決算は3月末に行われます。また、今期の1株当たりの配当金は15円と前年同期比2円増加しており、総額で564百万円の配当を実施しました。順調な業績を背景に、株主還元も着実に行っているのが特徴です。