今期の決算でもアステリア株式会社は健闘を見せました。ソフトウェア事業とデザイン事業が好調に推移し、売上収益は前年同期比で22.3%増加。利益面では一時的な減益となったものの、企業のDX化需要の高まりから、今後の成長が期待されています。
企業情報
企業名: アステリア株式会社
証券コード: 38530
決算期: 3月期
アステリア株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
アステリア株式会社の決算日は3月31日です。 四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日に行われ、その後の翌月に四半期報告書が提出されます。
主な事業
アステリア株式会社は、「ソフトウェアで世界をつなぐ」をコンセプトに、ソフトウェア技術とインターネット技術を中核としたさまざまな企業情報システム、クラウドサービス、モバイル機器、IoT機器などを「つなぐ」ための不特定多数企業向けのソフトウェアを開発し、市場に提供しています。また、2020年3月期より同社が得意とする上記関連領域におけるグローバルな投資事業を開始しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間においては、ソフトウェア事業及びデザイン事業が好調に推移したことで、売上収益は前年同期比で22.3%増の31.15億円となりました。一方で、投資事業においてAI開発のGorilla Technology Group社の株価下落の影響により、営業損失は33.96億円、税引前四半期損失は32.43億円となりました。
売上・利益の推移
最近3年間の売上収益は、2021年3月期 21.96億円、2022年3月期 25.47億円、2023年3月期 33.78億円と着実に増加しています。一方、利益については、今期の投資事業の影響で減益となったものの、これまでソフトウェア事業とデザイン事業が好調に推移してきたことから、中長期的には業績改善が期待できると考えられます。
四半期連結貸借対照表について
アステリア株式会社の直近の四半期連結貸借対照表をみると、資産合計が74.03億円となっています。資産の大部分を占めるのはその他の金融資産(投資有価証券)で、これが全体の43.2%を占めています。一方、負債は22.03億円、純資産は51.99億円となっており、自己資本比率は70.3%と健全な財務体質を維持しています。
資産の部
現金及び現金同等物は14.29億円と前期末から3.14億円減少しています。一方、営業債権及びその他の債権が5.90億円と前期末から4.07億円増加しています。
負債の部
借入金が4.93億円と前期末から1.07億円減少しています。また、繰延税金負債が0億円となり、前期末の8.50億円から大幅に減少しています。
純資産の部
利益剰余金は△1.51億円と前期末から23.73億円減少しています。これは主に、投資事業における株価下落の影響による損失計上によるものです。一方で、自己資本比率は70.3%と高水準を維持しています。
ROAとROE
アステリア株式会社のROAとROEについては、投資事業において一時的な損失計上があったため、前期実績から大幅に低下しています。しかし、ソフトウェア事業とデザイン事業の収益力が高く、今後の成長が期待されることから、中長期的には収益性の改善が見込まれます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローをみると、営業活動により2.31億円の資金を獲得しました。一方で、投資活動により3.24億円の資金を使用し、財務活動により2.56億円の資金を使用したため、現金及び現金同等物の残高は前期末から3.14億円減少しています。
配当の支払額
アステリア株式会社は、株主還元の一環として、年2回の配当(中間配当、期末配当)を実施しています。直近の配当実績は、1株当たり年間6.50円となっています。
今後の展望
アステリア株式会社は、今後もデジタル化の流れが続くと見込んでおり、「D4G」(Data, Device, Decentralized, Design for Green)領域への事業展開と戦略的投資を継続していく方針です。特にノーコード関連領域への取り組みを強化しており、企業や社会の生産性向上やDXの推進に貢献していくことが期待されます。
編集部のまとめ
アステリア株式会社の決算は、ソフトウェア事業とデザイン事業の好調により増収となったものの、一時的な投資評価損の影響で減益となりました。しかし、中長期的には同社のコア事業の成長力と投資ポートフォリオの改善に期待が持てる決算内容だと評価できます。今後のDX需要の高まりを受け、ノーコード領域での取り組みなども注目されるでしょう。
アステリア株式会社の決算日や配当についてまとめました。
アステリア株式会社の決算日は3月31日で、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日に行われます。配当については、年2回(中間配当、期末配当)実施しており、直近の実績は1株当たり年間6.50円となっています。今後の同社の成長に期待が高まる中、安定的な株主還元も実施していくことが期待されます。