三菱製紙株式会社の2023年12月期第3四半期決算について、良好な業績を確認できました。経営効率化や
コスト削減に取り組み、製品価格の適正化によって収益性を向上させています。特に機能商品事業とパルプ事業で大きな
成果を上げており、環境対応製品や新規事業の強化にも力を入れています。今後も財務体質の改善を図りつつ、
サステナビリティ経営を推進し、業績の更なる向上が期待されます。
企業情報
企業名: 三菱製紙株式会社
証券コード: 38640
決算期: 3月期
三菱製紙株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
三菱製紙株式会社の決算期は3月期で、通常3月末日が決算日となります。3月期第3四半期の決算開示は、毎年2月頃に行われます。
主な事業
三菱製紙株式会社は、紙・パルプ製品の製造・販売を中核事業としています。また、機能性フィルムや感熱紙など、高機能製品の製造・販売にも力を入れています。近年は、環境配慮型製品の拡販や新事業の開発にも取り組んでおり、事業領域の拡大を図っています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の連結業績は、売上高が1,446億円と前年同期比で6.4%減少しましたが、原燃料価格の上昇に対応した製品価格の改定やコストダウン効果により、営業利益は28億円と黒字転換しました。また、経常利益は43億円と大幅な増益となっています。
売上・利益の推移
直近の3年間で見ると、売上高は2022年3月期に2,095億円と過去最高を記録しましたが、2023年12月期第3四半期では1,446億円と減少しています。一方で、営業利益は2022年3月期に10億円の赤字から、2023年12月期第3四半期には28億円の黒字に転換しています。収益性の向上が進んでいることがわかります。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月期第3四半期末の連結貸借対照表では、資産合計が2,230億円、負債合計が1,507億円、純資産が723億円となっています。前期末と比べて、資産は減少したものの、負債の削減と自己資本の増加により、財務体質の改善が進んでいます。
資産の部
資産の部では、現金及び預金の増加や投資有価証券の評価差額の増加があった一方で、棚卸資産や有形固定資産の減少がありました。全体としては前期末比で39億円の減少となっています。
負債の部
負債の部では、借入金やコマーシャル・ペーパーの減少があり、42億円の減少となりました。一方で、未払費用の増加もありました。
純資産の部
純資産の部では、その他有価証券評価差額金の増加により、前期末比で2億円の増加となりました。自己資本比率は32.4%と、前期末から0.7ポイント改善しています。
ROAとROE
2023年12月期第3四半期時点のROAは0.2%、ROEは△0.6%となっています。ROAは前年同期の△1.0%から改善しており、ROEも前年同期の△5.9%から大幅に改善しています。収益性の向上により、資産効率と株主資本効率が高まっていると評価できます。
キャッシュフロー
四半期連結キャッシュ・フロー計算書の情報がないため、詳細な分析は難しいですが、期首の現金及び預金が83億円だったのに対し、期末には104億円と21億円増加しています。営業活動によるキャッシュ・インフローが投資活動によるキャッシュ・アウトフローを上回った
と思われます。
配当の支払額
2023年5月期の期末配当は1株当たり5円の配当を実施しており、年間配当は10円となっています。前期の年間配当は無配だったため、配当再開の動きが見られます。今後も収益力の回復に伴い、株主還元の強化が期待されます。
今後の展望
三菱製紙は、『中期経営計画』に基づき、選択と集中、新事業拡大による収益力の強化、グリーン社会への貢献、サステナビリティ向上のための組織変革に取り組んでいます。機能商品事業や紙素材事業の強化、M&Aを含む組織再編、環境配慮型製品の拡販など、企業価値向上に向けた
様々な施策を展開しています。
編集部のまとめ
三菱製紙株式会社は、経営効率化やコストダウンに成功し、2023年12月期第3四半期の業績は大幅な改善となりました。特に機能商品事業とパルプ事業が好調で、中期的な収益基盤の強化が図られつつあります。また、環境配慮型製品の拡販や新事業開発にも注力しており、持続可能な経営を目指しています。株主還元の強化も期待できるため、今後の業績推移に注目が集まります。
三菱製紙株式会社の決算日や配当についてまとめました。
三菱製紙株式会社の決算期は3月期で、通常3月末日が決算日となります。2023年12月期第3四半期の決算では、売上高が1,446億円、営業利益が28億円と黒字転換しました。また、自己資本比率も32.4%と改善しており、財務体質の強化が進んでいます。配当については、2023年3月期に1株当たり5円の期末配当を実施しており、今後も収益力の回復に合わせて株主還元の強化が期待されます。