中越パルプ工業株式会社の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。3期連続の増収増益と好調な業績で、企業の強さが伺えますね。今回は、その決算内容を分かりやすく解説していきます。
企業情報
企業名: 中越パルプ工業株式会社
証券コード: 38770
決算期: 2023年12月期
中越パルプ工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
中越パルプ工業株式会社の決算は、3月31日と9月30日が決算日となっています。毎年6月と12月に決算短信を発表しており、四半期報告書も四半期ごとに提出しています。今回の決算は、2023年12月31日を期末とする第3四半期の決算となります。
主な事業
中越パルプ工業は、紙・パルプの製造・販売を中心事業としています。新聞用紙、印刷用紙、包装用紙などさまざまな紙製品を製造しているほか、発電事業や設備設計・施工なども行っています。国内外の幅広い顧客に製品を供給しており、国内大手パルプ・紙メーカーの1社です。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の業績は、売上高が79,899百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益が4,426百万円(同504.7%増)と大幅な増収増益となりました。収益面では製品価格改定や減産下での効率的な操業などによる収益改善が奏功しました。この結果、営業利益率も5.5%と大幅に改善しています。
売上・利益の推移
中越パルプ工業は、3期連続の増収増益を達成しています。2022年3月期は、売上高が79,899百万円、営業利益が4,426百万円と過去最高を更新しました。特に直近3年間は、売上高、営業利益ともに順調に拡大しています。紙需要の変化に合わせた事業構造の見直しや、製品価格改定などの収益性改善策が功を奏した結果と言えるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
中越パルプ工業の2023年12月31日時点の四半期連結貸借対照表を見てみると、総資産は127,121百万円となっています。前期末から4,370百万円(3.6%)増加しました。これは主に、有形固定資産が増加したことによるものです。
資産の部
現金及び預金は2,852百万円減少しましたが、有形固定資産が2,821百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が2,767百万円増加したことで、総資産が増加しています。紙・パルプ製造設備の投資や受注増加による売掛金増加が主な要因と考えられます。
負債の部
負債合計は72,509百万円と前期末から2.0%増加しました。支払手形及び買掛金が1,710百万円増加したことが主な要因です。原材料価格の高騰や生産増加に伴う仕入増加が背景にあると考えられます。
純資産の部
純資産合計は54,612百万円と前期末から5.8%増加しました。親会社株主に帰属する四半期純利益3,178百万円により利益剰余金が増加したことが主な要因です。自己資本比率も43.0%と高水準を維持しています。
ROAとROE
中越パルプ工業のROAは前期末から1.0ポイント上昇の43.0%と高水準を維持しています。また、ROEも前期末から0.8ポイント上昇の7.2%と収益性と資本効率性が改善しています。この背景には、製品価格の改定や生産体制の見直しなどによる収益力の向上があります。今後も収益性の改善が期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが3,553百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローが3,940百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが2,460百万円の支出となりました。設備投資や借入金の返済、配当金の支払いなどによる資金流出が主な要因です。
配当の支払額
2023年12月期の中間配当金は1株当たり30円、年間配当金は1株当たり60円を予定しています。前期に比べて10円増配となっており、着実に株主還元を行っています。今後も企業業績に応じた適正な水準の配当を継続していく方針のようです。
今後の展望
中越パルプ工業は、紙需要の構造変化への対応を重要課題として掲げています。新聞用紙や印刷用紙の需要減少が続く中、包装用紙やスペシャルティペーパーなどの成長分野に注力し、収益基盤の強化を図っています。また、設備の最適化や脱炭素化への投資など、中長期的な企業価値向上にも取り組んでいます。
編集部のまとめ
中越パルプ工業は、紙需要の変化に合わせて事業構造の改革を進め、3期連続の増収増益を達成しました。製品価格の改定や生産性改善策などが奏功し、収益性の大幅な改善につながりました。今後も成長分野への経営資源の重点投入や、コストダウンなど収益性向上策に取り組むことで、企業価値の向上が期待できるでしょう。株主還元面でも、安定した配当水準の維持が特徴的です。
中越パルプ工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
中越パルプ工業の決算は3月31日と9月30日が決算日で、6月と12月に決算短信を発表しています。2023年12月期の年間配当は1株当たり60円を予定しており、業績に応じた株主還元を行っています。今後も紙需要の変化に合わせた事業構造の改革と収益性の向上に期待が高まります。