大王製紙株式会社の2023年3月期第3四半期決算を紹介します。ティッシュやトイレットペーパーなどの生活必需品を生産する大王製紙は、厳しい事業環境の中でも価格改定を進めて業績を回復させています。今後も中国など海外事業の強化に取り組み、持続的な成長を目指します。
企業情報
企業名: 大王製紙株式会社
証券コード: 38800
決算期: 3月期
大王製紙株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
大王製紙は3月期決算を行っています。第3四半期決算は2023年12月31日を期末日としています。通期決算は2023年3月31日を期末日としています。
主な事業
大王製紙は、紙・板紙事業、ホーム&パーソナルケア事業、その他事業の3つのセグメントで事業を展開しています。紙・板紙事業では新聞用紙や洋紙、段ボールなどを生産。ホーム&パーソナルケア事業ではティッシュペーパーやトイレットペーパー、衛生用品などの生活必需品を製造しています。その他事業には木材事業や売電事業などが含まれます。
今期の業績と利益率は?
2023年3月期第3四半期の業績は、売上高503,774百万円、営業利益11,092百万円となりました。物流費や原料価格の高騰などにより厳しい事業環境が続きましたが、主力のホーム&パーソナルケア事業やティッシュ・トイレットペーパーの価格改定が奏功し、前年同期比で大幅な改善を果たしています。
売上・利益の推移
大王製紙の売上高は前年同期比4.8%増の503,774百万円、営業利益は前年同期の営業損失から11,092百万円の利益に回復しました。親会社株主に帰属する四半期純利益も2,016百万円と前年同期の損失から大幅改善しています。事業構造転換の取り組みが着実に収益力を高めています。
四半期連結貸借対照表について
大王製紙の財務状況は、総資産947,129百万円、負債688,269百万円、純資産258,859百万円となっています。前期末比で資産は23,597百万円増加し、負債は9,408百万円増加しました。自己資本比率は26.1%となっています。
資産の部
流動資産は380,414百万円で、前期末比25,355百万円増加しました。受取手形・売掛金や棚卸資産が増加したためです。固定資産は566,639百万円で、前期末比2,266百万円減少しています。
負債の部
流動負債は271,002百万円と前期末比18,205百万円増加しました。短期借入金やコマーシャルペーパーが増加したためです。固定負債は417,267百万円で、前期末比8,797百万円減少しています。
純資産の部
純資産は258,859百万円となり、前期末比14,188百万円増加しました。為替換算調整勘定の増加などによるものです。自己資本比率は26.1%となっています。
ROAとROE
大王製紙のROAは前連結会計年度末の2.1%から当第3四半期末に2.4%に改善し、ROEは前連結会計年度末の-7.8%から当第3四半期末に2.4%に改善しています。収益性と資本効率性が高まってきているといえます。
キャッシュフロー
当第3四半期累計期間のキャッシュ・フローについては四半期連結キャッシュ・フロー計算書の作成を省略しているため、詳細は開示されていませんが、営業活動によるキャッシュ・フローの改善や、投資活動および財務活動によるキャッシュ・アウトフローの抑制が見られます。
配当の支払額
2023年6月29日開催の定時株主総会および2023年11月10日開催の取締役会において、1株当たり配当金7円、9円の配当を実施しました。株主還元の充実にも取り組んでいます。
今後の展望
大王製紙は、「第4次中期事業計画」の最終年度にあたる2023年度に紙・板紙事業からホーム&パーソナルケア事業への事業構造転換を加速していきます。価格改定の浸透や生産体制の最適化、コストダウンにも注力し、収益力の向上を目指します。
編集部のまとめ
大王製紙は、紙・板紙事業の市場環境悪化に直面する中で、ホーム&パーソナルケア事業への事業構造転換に取り組み、価格転嫁や生産性向上により業績を回復させています。今後は中国やブラジルなどの海外事業の強化に注力し、さらなる成長を目指していきます。安定した配当政策も評価できる企業です。
大王製紙株式会社の決算日や配当についてまとめました。
大王製紙の決算は3月期で、第3四半期決算は2023年12月31日が期末日、通期決算は2023年3月31日が期末日です。配当は2023年6月と12月に実施し、1株当たり7円、9円の配当を行いました。今後も事業構造転換と収益力向上に取り組み、株主還元の充実を目指していきます。