株式会社マネーフォワードは、会計・税務・人事労務・経費管理など企業のバックオフィス業務を効率化するクラウドサービスなどを提供し、着実に成長を遂げている注目のFintechサービス企業です。当期はSaaS ARRを大幅に伸ばし、売上高も前年同期比41.0%増と好調でした。今後もDX化の需要拡大に応えるべく、事業ドメインの拡大や製品の機能強化などで高成長が期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社マネーフォワード
証券コード: 39940
決算期: 11月
株式会社マネーフォワードの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社マネーフォワードの決算日は11月30日で、毎年2月に決算期の株主総会が開催されます。12月から翌11月までの1年間を会計期間としており、2月の株主総会で前期の業績報告がなされ、新体制での事業運営がスタートします。
主な事業
株式会社マネーフォワードは、Fintech(金融とテクノロジーの融合)の領域で事業を展開しています。主力のBusiness ドメインではバックオフィス向けクラウドサービス「マネーフォワード クラウド」を提供し、財務・人事・経費管理の業務効率化に寄与しています。また、Homeドメインでは個人向けの資産管理アプリ「マネーフォワード ME」、Xドメインでは金融機関向けのDXソリューションを開発するなど、幅広い事業領域でサービスを展開しています。
今期の業績と利益率は?
当期の売上高は19,864百万円と前年同期比41.0%の増収となりました。EBITDAも1,071百万円と大幅な改善を果たしています。一方、研究開発費や人件費の増加などにより、営業損失は1,827百万円、経常損失は2,145百万円と赤字となりましたが、前年同期に比べ赤字幅は縮小しています。
売上・利益の推移
直近のSaaS ARRは26,835百万円と前年同期比35.1%増加しており、各事業ドメインで順調に売上を拡大しています。中でも法人向けBusinessドメインとFinanceドメインが特に高い成長率を示しています。今後はこれらのサービスの収益性の向上とともに、新たなドメインの立ち上げにも期待がかかっています。
四半期連結貸借対照表について
当社の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は85,320百万円、負債合計は51,857百万円となっています。前連結会計年度末と比べると、資産は2,962百万円減少、負債も1,764百万円減少しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が28,046百万円と手元流動性を確保しつつ、投資有価証券が18,650百万円と増加しています。また無形固定資産のソフトウエアも大幅に増加しており、事業投資が進んでいる様子がうかがえます。
負債の部
負債の部では、短期借入金が6,229百万円と一年以内返済予定の長期借入金を含めると10,000百万円超の有利子負債を抱えています。一方で、預り金が3,193百万円と減少しています。
純資産の部
純資産は33,463百万円となっています。資本金と資本剰余金の合計が29,512百万円、利益剰余金がマイナスの5,260百万円となっています。無償減資による欠損填補と新株発行による増資を実施したことで、財務体質の強化が進んでいます。
ROAとROE
当期の財務指標を見ると、ROA(総資産経常利益率)がマイナス2.5%、ROE(自己資本当期純利益率)がマイナス7.8%となっています。赤字決算の影響で低い水準にありますが、今後のサービス収益性の向上により、両指標の改善が期待されます。
キャッシュフロー
当期の営業キャッシュフローは6,676百万円のマイナスでしたが、これは主に預り金の減少やポイント引当金の減少によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローはマイナス4,710百万円となっており、サービス開発などの先行投資が進んでいる様子がうかがえます。財務活動では263百万円の収入となっています。
配当の支払額
株式会社マネーフォワードは、現在のところ配当を実施していません。企業成長に向けた内部留保の活用が最優先されていると考えられます。今後の業績回復と経営基盤の安定化に伴い、株主還元策の検討も期待されます。
今後の展望
株式会社マネーフォワードは、Fintech領域での事業拡大と収益力向上に注力しています。急速なデジタル化の進展を背景に、各事業ドメインで順調な成長が続いています。今後は既存サービスの機能強化や新規サービスの開発、M&Aも視野に入れた事業ポートフォリオの拡大など、更なる成長が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社マネーフォワードは、企業のバックオフィス業務を効率化するクラウドサービスや個人向け資産管理アプリなど、Fintech領域で幅広いサービスを展開しています。当期はSaaSの売上高が大幅に増加し、業績も改善傾向にあります。事業の選択と集中によりさらなる成長が期待されるほか、今後の株主還元策にも注目が集まるでしょう。
株式会社マネーフォワードの決算日や配当についてまとめました。
株式会社マネーフォワードの決算日は11月30日で、毎年2月に決算期の株主総会が開催されます。現在のところ配当は実施されていませんが、今後の業績や経営基盤の安定化に合わせて、株主還元策の検討も期待されます。