住友化学株式会社の最新の決算報告書を分析しました。同社は日本を代表する大手化学メーカーで、合成樹脂や半導体材料、医薬品など幅広い製品を手掛けています。今回の決算では、一部の事業で減収減益となったものの、中長期的な成長に向けて着実な成果を上げています。今後の更なる企業価値向上に期待がかかります。
企業情報
企業名: 住友化学株式会社
証券コード: 4005
決算期: 2023年3月期
住友化学株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
住友化学株式会社の決算日は3月31日です。決算の発表タイミングは、通期決算を5月中旬、第2四半期決算を11月初旬、第3四半期決算を2月初旬に行っています。
主な事業
住友化学株式会社は、「エッセンシャルケミカルズ」「エネルギー・機能材料」「情報電子化学」「健康・農業関連事業」「医薬品」の5つの事業セグメントで事業を展開しています。合成樹脂や合成繊維原料、半導体材料、医療用医薬品などを製造・販売しており、幅広い分野でグローバルに事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
今期の売上収益は1兆8,069億円となり、前年同期に比べ4,502億円の減収となりました。一方で営業損益は1,606億円の損失になり、前年同期から大幅に悪化しています。これは、一部製品の価格下落や需要減少の影響が大きかったためです。利益率も低下傾向にあり、今後の業績改善が課題といえます。
売上・利益の推移
過去3年間の売上収益は、2兆8,953億円(2022年3月期)、2兆2,570億円(2023年3月期第3四半期)、1兆8,069億円(2023年3月期第3四半期)と減少傾向にあります。一方で利益面では、営業利益は231億円(2022年3月期)、71,441百万円(2023年3月期第3四半期)、-160,634百万円(2023年3月期第3四半期)となり、大幅な減益となっています。今後の業績回復が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の資産合計は4兆2,197億円となり、前年度末から541億円増加しました。一方、負債合計は2兆7,674億円と911億円増加しました。自己資本比率は27.5%と前年度末から0.6ポイント低下しています。
資産の部
流動資産は1兆7,094億円、非流動資産は2兆5,102億円となっています。主な増加要因は有形固定資産や無形資産の増加です。
負債の部
流動負債は1兆4,240億円、非流動負債は1兆3,434億円となっています。有利子負債が前期末から2,045億円増加しています。
純資産の部
純資産合計は1兆4,523億円と前期末から369億円減少しています。親会社株主に帰属する持分比率は27.5%となっています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前期末の0.0%から当期第3四半期では-3.8%に大幅に悪化しています。ROE(自己資本利益率)も前期末の0.1%から当期第3四半期では-9.6%に低下しています。これは主に利益の大幅な悪化によるものです。今後の業績回復がカギとなります。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが1,350億円のマイナスとなり、投資活動によるキャッシュ・フローが778億円のマイナスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは1,611億円のプラスとなり、現金及び現金同等物の四半期末残高は2,762億円となっています。
配当の支払額
当社は年2回の配当を実施しており、第2四半期末配当金は1株6円、期末配当金は1株6円の合計1株12円の配当を実施する予定です。配当性向は現時点で未確定ですが、業績回復を目指して、安定配当の維持に努めていきます。
今後の展望
住友化学は現在、「短期集中業績改善策」に取り組んでおり、2024年度の確実な業績回復と、今後の抜本的な構造改革に向けた財務体質の強化を目指しています。資産売却の加速やコストの徹底管理など、早期の業績改善に取り組んでいきます。中長期的には、成長分野への経営資源の集中や新規事業の創出など、企業価値の向上に努めていく方針です。
編集部のまとめ
今回の決算では、一部事業での減収・減益という厳しい結果となりましたが、同社は中長期的な成長に向けて着実な取り組みを進めています。特に、「短期集中業績改善策」に基づく早期の業績回復と、新規事業の創出など、企業価値の向上に注力していくことが期待されます。今後の業績動向に注目が集まります。
住友化学株式会社の決算日や配当についてまとめました。
住友化学株式会社の決算日は3月31日で、通期決算は5月中旬、第2四半期決算は11月初旬、第3四半期決算は2月初旬に発表しています。配当金は年2回、第2四半期末配当が1株6円、期末配当が1株6円の合計1株12円を予定しています。今後も安定配当の維持に努めていきます。