南海化学株式会社の2023年12月期第3四半期決算報告書をチェックしました。前年同期比で売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益がすべて大幅に増加しています。利益率も大幅に改善しており、業績好調ぶりが伺えます。
企業情報
企業名: 南海化学株式会社
証券コード: E38504
決算期: 3月末
南海化学株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
南海化学株式会社は3月末日が決算日となっています。そのため、通期決算は毎年3月期に行われ、四半期決算は6月、9月、12月の各四半期末に実施されています。
主な事業
南海化学株式会社は、化学品事業と各種塩事業を主力としており、基礎化学品、機能化学品、アグリ、環境リサイクルなどの製品を生産・販売しています。特に化学品事業では幅広い製品ラインナップを有し、製品の用途開発や新規事業創出にも力を入れています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期は、売上高が前年同期比4.0%増加の14,422百万円、営業利益は184.9%増加の1,289百万円、経常利益は183.7%増加の1,453百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は207.3%増加の1,011百万円となっています。利益率も大幅に改善しており、経常利益率は10.1%、純利益率は7.0%と高水準となっています。
売上・利益の推移
過去3年の業績を見ると、売上高は増加傾向にあり、2023年3月期通期では19,601百万円を達成しました。利益面では、2022年3月期は営業減益となりましたが、2023年3月期は営業利益が428百万円、経常利益が534百万円と大幅な増益となっています。直近の2023年12月期第3四半期では、前述のとおり4割以上の増益率を記録しています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の四半期連結貸借対照表をみると、資産は19,503百万円で前期末比1,157百万円の増加となっています。負債は12,165百万円と前期末比990百万円の減少、純資産は7,338百万円と前期末比2,146百万円の増加となっています。
資産の部
現金及び預金が1,924百万円と大幅に増加したほか、有形固定資産が8,258百万円と増加しています。一方で、受取手形及び売掛金が3,769百万円と減少しました。
負債の部
有利子負債である短期借入金が1,212百万円、長期借入金が1,919百万円と減少しています。一方で、買掛金が2,676百万円と増加しました。
純資産の部
株式上場による自己株式の処分などにより、利益剰余金が7,564百万円、自己資本比率が37.3%と大幅に改善しています。
ROAとROE
ROAは前期の2.3%から当第3四半期は5.2%に、ROEは前期の9.4%から当第3四半期は13.8%とそれぞれ大幅に改善しています。これは主に、売上高及び利益が大幅に増加したためであり、経営効率の向上が進んでいるものと評価できます。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは1,320百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローは876百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは178百万円の支出となっています。全体として622百万円の増加となり、手元資金が1,924百万円まで積み上がっています。
配当の支払額
2023年12月期第3四半期累計では、1株当たり配当金が30円を支払っています。前期までは年間30円の配当でしたが、今期は上期15円、下期15円と予想されており、増配となる見込みです。
今後の展望
当社は中期経営計画「Fly Higher Nankai」の最終年度にあたり、引き続き「想定力の向上で守りの成長と攻めの成長を実現する」を経営指針に掲げています。経営基盤の強化や成長分野への経営資源投入などを積極的に推進しており、今後も業績拡大が期待できるでしょう。
編集部のまとめ
南海化学株式会社は、化学品事業と各種塩事業を主力とする企業です。2023年12月期第3四半期の業績は大幅に改善しており、売上高、利益ともに前年同期比で2割以上の増加を記録しています。財務面でも自己資本比率の向上など健全化が進んでおり、今後の更なる成長が期待できます。
南海化学株式会社の決算日や配当についてまとめました。
南海化学株式会社は3月末日が決算日で、年間の配当は1株当たり30円を予定しています。上期と下期で均等に15円ずつ配当を行う予定で、前期から増配となります。今後も業績拡大が期待できることから、株主還元も充実していくことが見込まれます。